伊東豊雄「あの日からの建築」

伊東豊雄「あの日からの建築」(集英社新書)を読了。
「あの日」とは言うまでもなく、2011年3月11日である。
あの日を境に多くの人々の人生と抱えたテーマが変わった。建築家も同様だ。

あの日からの建築 (集英社新書)

あの日からの建築 (集英社新書)

「建築家として、被災地にたいして何が可能なのか」という問いかけをした伊東豊雄という建築家の3・11以降の動きがわかる。
大学で教職につかないことに決めている著者は、私塾「伊東建築塾」を2011年に立ち上げている。
自分自身の建築教育をやってみたいと念じていた伊東は「今治市伊東建築ミュージアム」をオープンさせ、同時に東京でも「伊東建築塾」をスタートさせている。
私の仙台時代に伊東設計の「せんだいメディアテーク」がオープンした。その後、あるシンポジウムで伊東の設計思想や衆知を集める真摯な態度に感心したことがある。その建物もいくつか損傷を受け、再オープンまで1年以上かかっている。

合掌造りからヒントを得た斜面住居。防潮堤を利用したラグビースタジアム。みんなの家。、、、。
建築家は経済と資本の可視化の技術者として道具になり下がっていると伊東はいう。
アートでもない、何か社会が共有しうる原理が必要であり、その原理を求める旅をしている。
その発見はチームによってではなく、個人によるものであるという。
その答えの第一歩となる本だ。

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◎報道ライブ21「現代ビジネス講座」世界を知る力、が始まる。
メインキャスターは寺島実郎
毎週金曜日21時から1時間。BS11。4月3日(金)スタート。
「刻々と動く一週間を総括し、次の展開を見つめる視座を提供する思慮深い番組を目指す」
キーワードは「希望」。筋道を見つけ出していく。処方箋を提示。
探究する価値の基軸。

  • あるべき資本主義と産業社会の挑戦。-21世紀日本の国際社会での立ち位置。
  • 戦後民主主義の進化--「新しい公共」の実体化。

対象:中堅ビジネス万、知的視聴者。
4月3日:ゲストは孫正義。4月10日:ゲストは片峰茂(長崎大学長)。

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午後。
車でサイボク(埼玉種畜牧場)へ。1時間15分。
笹崎龍雄・米子夫妻。

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「名言の暦」

本日死去。

  • 野上弥生子:諦めるという言葉は便利な言葉である。が、卑怯な言葉で、また恐ろしい言葉である。
  • 佐藤忠良:段取り半分。

本日生誕。

  • ゴッホ
    • 偉大なことは弾みで為されるものではない。小さなことの積み重ねによって成し遂げられるものである。
    • 日本の芸術を研究することによって、だれもがみな必ず、もっと陽気に、もっと幸福になるだろうと思う。
    • ぼくは人物を描きたい、人物を、もっと人物を。赤ん坊からソクラテスに至るまで。白い肌の黒髪の女から陽に焼けて煉瓦色の顔をした黄色い髪の女にいたるまで。この二本足の動物のシリーズはぼくの力ではどうにもならない。
  • ゴヤ:一切のものが私には不足していますが、意志だけはあり余っております。
  • ウィリアム・アートナー・ワード:凡庸な教師はただしゃべる。良い教師は説明する。すぐれた教師はみずからやってみる。偉大な教師は心に火をつける。