2013年現在早稲田大学教授の鳥越皓之の沖縄のハワイ移民についての書籍を2冊続けて読了した。
1988年に刊行された「沖縄ハワイ移民一世の記録」(中公新書)と2013年刊行の「琉球国の滅亡とハワイ移民」(吉川弘文館)だ。
鳥越は沖縄生まれの大和人(ヤマトンチュウ)という立ち位置の人だ。
沖縄からのハワイ移民一世は辛酸をなめたが、第二次大戦で二世たちが欧州戦線で勇敢な442連隊として大活躍し、死傷者9468人という犠牲を払ったことで、戦後に市民権を得るみちが開かれた。
1988年には日本人一世たちの強制収容が誤りであったとして謝罪と補償が決まり、日系人たちの戦後がようやく終了する。
ハワイに向けて出稼ぎの移民が出たのは1868年の明治元年で、153名の彼らは「元年者」と呼ばれた。
1885年からの官約時代、1894年から1900年までの私約時代、そして1900年から1907年までの自由時代がある。その自由時代の始まった1900年に沖縄移民26名がハワイに上陸した。1908年からは排日運動の関係で呼び寄せ時代となる。1924年に排日移民法が実施され移民の歴史は終わる。
「沖縄ハワイ移民一世の記録」では、琉球士族の出自を誇る人、聖書と資本論をバイブルに生きる人、ハワイ相撲からレスラーになり力道山の師匠となった人など数人のライフヒストリーを取材している。一世たちの苦労が克明に描かれている。
- 作者: 鳥越皓之
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1988/11
- メディア: 新書
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琉球国は1430年ころに尚巴志が起こし、1609年に薩摩藩が入り尚寧王が降伏し薩摩に連行され駿府で徳川家康と秀忠に謁見している。薩摩に制御された形で国は存続している。この間、琉球は中国にも朝貢していて日中両属となった。この近世琉球は270年続き、日本の廃藩置県によって1879年に滅亡した。450年続いた王朝である。1892年に奈良原繁が知事として16年間、沖縄の近代化を推進する。
国の滅亡は移民を生む。沖縄からの移民は10人に一人という高さだった。海洋民族として移民に抵抗が薄いという事情もあった。
自由民権運動の流れの中で、移民の権利を勝ち取り、1900年に実行される。
- 作者: 鳥越皓之
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2013/10/21
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2015年1月には、沖縄県系の3世・デービッド・ユタカ・イゲ(57歳)が知事に就任した。現在沖縄県系は4万人おり、ハワイと沖縄は姉妹関係にある。イゲは「沖縄人として初めて米国の知事になることを誇りに思う。沖縄県とさまざまな面で協力していけることを楽しみにしている」と述べている。新しい沖縄・ハワイ関係が生まれるであろう。
鳥越は、沖縄独立論と道州制論を説明しており、沖縄世を前提とした道州制は実現性が高い論理であると述べている。
沖縄とハワイの関係の発展がどうなるのか。沖縄は長い王国の歴史の中で、多くの地域との複雑な関係を持ちながらさまざまな知恵を身に着けていると思う。
どのような関係をつむいで、どのような姿を描くだろうか。
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CATVのヒストリーチャンネルで「ヒトラー 最後の12日間」を観る。今日はヒトラーの服毒自殺の日。
人間ヒトラーの苦悩と本音、帝国の崩壊時の内部事情、などの描き方が興味深かった。
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名言の暦 4月30日
命日
- アドルフ・ヒトラー1945
- 人々が思考しないことは、政府にとっては幸いだ。
- だからどうだと言うのだ。ドイツ民族自らがそんな運命を選択したのではないのか!
- 永井荷風1959:世間のつまらぬ不平や不愉快を忘れるには学問に遊ぶのが第一の方法である。
- 渡辺淳一2014:鈍さも見方を変えれば才能で、それこそが誠実さや、一途さ、信念といったものを生み出す原動力となるはずである。
誕生日