知研の八木哲郎会長が「知的生産の技術」を披露

NPO法人・知的生産の技術研究会のセミナー。
講師:八木哲郎会長
テーマ:「19世紀の聖人 ハドソン・テーラーとその時代」を書くまで。キリスト教がわかるキーワード。

  • 宣教師とは聖職者ではない。印刷技術、医療技術、語学を身に着けた体が丈夫な下層階級の人々。馬具職人、農民の子弟が神学校に通って海外に出た。
  • ザビエルは1548年に日本に上陸し2年3か月滞在し山口で布教。1552年に中国入国を試みたが果たせず上川島で急逝。ザビエルの死の日にマッテオ・リッチが誕生。中国皇帝より滞在と一部地域の布教を許される。孔子廟参拝を偶像崇拝ではあく習慣であると、天帝はエホバであるとしたため、ローマ教皇庁からとがめを受け、中国からキリスト教は追放される。その後120年たって、ハドソン・テーラーが現れた。
  • 信濃町教会の牧師「聖書の話はたとえとして読みなさい」ではなく、「聖書に書いてあることはすべて事実である」というキリスト教原理主義者の態度が本物ではないか。神秘主義とは切り離せない。中世への想像力が必要である。

19世紀の聖人ハドソン・テーラーとその時代

19世紀の聖人ハドソン・テーラーとその時代

  • 文献渉猟:英文と中文。
  • フィールドワーク:イギリスのバーンズリー(生誕地)、ハル、リバプール、ロンドン。天津、山東省。
  • 歴史資料をノンフィクション小説にする:過去形で書かれた記事(事実)を現在進行形のストーリーに変換する。このため会話を多用して人間関係を表現し真実性をだす。人物の創造(人柄)がうまくいくと登場人物が独り歩きししゃべるようになる。
  • 英文資料を読むのに時間がかかり忍耐が必要だった。調べるうちに次々と疑問が発生し、資料をさがしていく。この過程で過去の読書や経験がすべて生きてきた。資料、断片、記憶を繋ぎ合わせていく。書くということは問いに自分なりの答えを出すことである。
  • 強欲資本主義:ヨーロッパは中国とインドの富を吸い取った。ポール・ベーロックの試算(ブローデルが信用した)。1960年のドル換算。
    • イギリス(1700年)150-160。独立前のアメリカ(1710年)250-290。フランス(1781-1790)170-200。インド(1800)160-210。日本(1750年)160。中国(1880)228.。
    • 西欧(1800)213。北アメリカ266。第三世界200。中国(1800)228、(1860)204
    • 1976年:西欧2325。中国369。第三世界355。
    • 先進諸国(西欧・ソ連・北米・日本)のGNP:1750年には350億。世界の残余は1200億。1860年には1150奥対1650億。1880年には1760億対1690億。1900年には2900億対1880億。1976年には3兆対1兆。
  • キリスト教がわかるキーワード
    • 直観は神からの信号(アリストテレス
    • 「悩み」から抜けだせない人は既に「許されている」。それを世界中に伝えるのが福音。
    • 祈りは神とのコミュニケーションである。神から返事がなかったときは神がそのことをお望みでなかったと考える。
    • 「神の事業だから失敗しない。責任は神にある」「あらゆる苦労、障害は織り込み済みである」
    • 「僕は神の枝になった」。枝も葉も木だ。神の一部。自分は神だ。神からエネルギーをもらう。
    • 3つのキーワード
      • 「悩み」から抜け出せるか。「許されている、神の懐に入る」
      • 「不安」から抜け出せるか。「明日のことまで悩むな、その日の苦労はその日の苦労で足りる」
      • 「自意識」から抜けだせるか。「これは非常に難しい」


後光?

私からのコメント。
「風格のある書物」「25年かけてライフワークの完成。持続力」「テーラー50年、知研45年」、、、、、。

10数人の参加者は全員が知的に満足した様子。「偉業」。
終了後、蕎麦屋で二次会。久しぶりに三輪さんと話ができた。

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  • 企業幹部を日本総研に紹介。「新・観光立国論」。
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名言の暦 6月15日

命日

  • 樺美智子1960:
  • 今西錦司1992:君たちがいる。そして、わしがいるではないか。われわれにやれなくて、だれがやるのだ。

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