本日は2015年春のリレー講座の最終回。
寺島学長「2015年夏 日本と世界の進路」。
- 1905年の日露戦争勝利から、朝鮮併合、山東出兵、そして1914年の第一次世界大戦、1919年のベルサイユ条約。日本は日英同盟を手掛かりに集団的自衛権を使って参戦した。あれから100年。1914年から1919年までの数年間の時代の空気、転機を踏み固めなければならない。2015年の日本とかぶってくる。
- 生命史と人類史の射程から:生命科学の進歩。ヒトゲノムの解析終了。チンパンジーと1.2%の差。言語など意思疎通に関わる分野。「ズーデンドルフThe Gap」(現実を生きるサル、空想を語るヒト)。グレートジャーニー。驚きを覚えることが進化を生んだ。旅する遺伝子。「モラルの起源」。「移動と交流」という思想。非日常的空間で考えるきっかけ。1万年前からの定住文明で抑制、知恵、調和、我慢が誕生しそれがデモクラシーにつながった。「我々は賢くなっているのか?」IQはこの60年間で進歩した。しかし知性は劣化している。全体知=解題を解決する力は悪くなっている。全体知は歴史認識が支えている。
- 世界の構造変化
- 日本の2014年のGDPはマイナス0.9%だった。マイナス成長だが、株価2万円。その原因は官制相場。年金、郵貯、共済、簡保で35兆円、加えて日銀ETF、外人の買い越し。
- 「新常態」の中国はソフトランディングできるか。こちらも官制相場。
- 安保法制:国連憲章51箇条「すべての国に個別的自衛権と集団的自衛権がある」。日本は「集団的自衛権は持っているが、行使できない」が永年の政府見解。1990年代に冷戦が終了し日本に基地は必要ないとなると困るのは日米の安保マフィア。ドイツは1993年から米軍基地を4分の1に縮小、地位協定を改定し、主権を回復。日本は東アジア情勢があるといい動かなかった。アーミテージグループの要求に日本は生真面目な愚かさで対応。湾岸戦争絵で1.7兆円を払った、どう使われたか、国際詐欺事件か。感謝も評価もされなかった。だから血も流す国際貢献が必要となっていった。しかし日本は貢献している。三沢から沖縄までの日本の米軍基地の必要性を個別に吟味する必要がある。多摩の米軍ゴルフ場はなぜ必要か、これも思いやり予算。進駐軍のステイタスのまま。常識に還ろう。基地の問題は、「「全体解の中でしか部分解は生まれない」。
- 「安保法制」は複雑骨折。わけがわからなくなっている。与党協議によって個別的自衛権の範囲に戻った。存立危機事態になったらその時の政権が判断するということに。
- 防衛相や外務省の官僚の本音:湾岸戦争のトラウマ。中国への異様な緊張感。アメリカへの失望と不安感。
- 世界の潮流の変化:キッシンジャー「世界秩序」という本の翻訳本。日本の議論は立ち遅れている。戦後70年、大きな転換期。
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名言の暦 7月9日
命日
- エドマンド・バー1797:我が敵は、我が味方である。
- 上田敏1916:一日延ばしは時の盗人である。
- 森鴎外1922
- 私は長こと、本職の余暇にいろいろな文学活動をやってきたが、それをほめてくれる人はいなかった。
- 余は岩見人森林太郎として死せんと欲す。
- 富人が金を得れば、悪行が増長する。貧人が金を得れば、堕落の道を降っていく。
- 日の光をかりて照る大いなる月たらんとよりは、自ら光を放つ小さき燈火(ともしび)たれ。
生誕
- 神谷正太郎1898:経営者には六段階の時期がある。 社長個人でお金を儲けようとする時期。 会社として利益を生み、蓄積を考える時期。 売上高や社員を含めて、会社全体を大きくしたいと願う時期。人や組織作りに一生懸命になる時期。業界や、世の為、人の為に尽くす時期。 死んだとき悪口をいわれないように努める時期 。
- 藤原正彦1843:国際社会というのはオーケストラみいなものです。ヴァイオリンはヴァイオリンのように鳴ってはじめて価値がある。日本人は日本人のように思い、考え、行動して初めて国際社会の場で価値を持つ。
- 細野晴臣1947:人間、練習すれば間違える。計画すると失敗する。覚えていると忘れる。生きていると、死んじゃう。