
- 作者: 百田尚樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/08/12
- メディア: 新書
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昨日書店で「大放言」という逆手に取ったタイトルに惹かれて買いすぐに読んだ。
「この人は3作続けて重版がかからなければ即引退する」という決意で小説を書いている。その気概に感心する。
さて、放言についてだ。
「やればできると思っているバカ」「自分を探すバカ」「ブログで食べたものを書くバカ」「尊敬する人は両親というバカ」「なんでもコスパで考えるバカ」「原爆慰霊碑の碑文を書き直せ」「ガキと議論するな」「図書館は新刊本を入れるな」、、、。
放言というより、言ってることはしごくもっともだ。
第四章「我が炎上史」と「番外編」が、やはり読ませる。
「人間のクズ」。「東京大空襲は大虐殺」。「ナウル・バヌアツはクソ貧乏長屋」「日教組は日本のガン」。「土井たか子は売国奴」。「百田尚樹NHK委員、放送法違反!」。「きれいなオネエチャンを食べたい」。「軍隊創設」。「沖縄の二紙はつぶさなあかん」。
それぞれ記憶に新しい放言だが、本人の弁明を読むと、むしろ全体から一部を切り取った側、言っていないことを言ったと書く側、問題発言であると匂わせる側、つまり、スコミの暴力、政治の道具に使う政治家の方に問題があると思えてくる。
「我が炎上史」は、「長生きできたところでせいぜいあと20年ほどの命である。小説家にしがみつく気はない。「放言」くらい好きに言わせてもらおうと思う。」で終わっている。
この人はやはり、エンターティナーだ。