むのたけじ「99歳 一日一言」--反骨のジャーナリストは形容矛盾

むのたけじ「99歳 一日一言」(岩波新書)を読了。

99歳一日一言 (岩波新書)

99歳一日一言 (岩波新書)

1915年1月2日生れ。東京外語を出て報知新聞、朝日新聞に記者として入社。
1945年8月15日、戦争に加担した新聞記事を書いたとして責任を感じ退社。1948年郷里の秋田県横手市で週刊新聞「たいまつ」を創刊。1978年の休刊まで主幹として健筆をふるう。蔵書1万5千冊。

今年100歳を迎えたむのたけじ武野武治)。

  • 書くことを学ぶために大判ノートを用意し、「語録」と名付け学習を続ける。これが10冊になった。

  数年ごとにスローガンを持った。
  「主語をハッキリさせてものを言え」「動詞を存分に働かせ」「形容詞を使うな、事実を言え」「言葉の持つ面白さを耕せ」。

  • 自分の認識と思慮を色紙に書く。これが1100枚を超えた。

以上がこの本の材料となった。

この人の中学時代の恩師は、石坂洋二郎である。国語・作文・修身を習った。

  • 拝むなら自分を拝め。賽銭出すなら自分に渡せ。自分をいたわれ。自分こそ一切の原点。
  • 不幸は近づくだけでつらい。幸福は去って実感する。
  • 夜明けの歌を歌うだけでは、世の中は明るくならない。生活の現場から暗いものをひとつずつ取り除こう。
  • 「きょうコレヲ必ずヤル」「きょうコレヲ決シテヤラナイ」この二つを毎日やるうか、やらないかは一生の豊凶を左右する。
  • 本流と主流を識別せよ。
  • 怒りのままものを言うな。怒りを鎮めてから普通の声で怒りを言え。
  • 若者を友人とする老人はよく笑う。老人を友とする若者はよく考える。
  • 脱皮しない蛇は死ぬ。
  • 「反骨のジャーナリスと」というのは、、二重形容だ。

本を読む、学びたい人に会って話を聞く。この二つが自学自習のポイントと言う。
確かに、「仕事に精を出しながら、本を読み、人に会い続ける。」ということだ。
ここに人生を真摯に生きた100歳の人がいる。