戦後70年間の歌集から。「篠弘が選ぶ50人の『気になる一首』」。
- 身をかはし身をかはしつつ生き行くに言葉は痣の如く残らむ(近藤芳美)
- 拒みがたきわが少年の愛のしぐさ顎に手触り来その父のごと(森岡貞香)
- 暁の薄明に死をおもふことあり除外例なき死といへるもの(斎藤茂吉)
- 処女にて身に深く持つ浄いき卵秋の日われの心熱くす(冨小路禎子)
- 突風に生卵割れ、かつてかく撃ちぬかれたる兵士の眼(塚本邦雄)
- 怒るべきものに怒れといにしへの金剛力士像ひとつ立つ(窪田章一郎)
- われの一生に殺なく盗なくありしこと憤怒のごとしこの悔恨は(坪野哲久)
- 君を打ち子を打ち灼けるごとき掌よざんざんばらんと髪とき眠る(河野裕子)
- ことことと小さき地震が表からはいって裏へ抜けてゆきたり(山崎方代)
- 観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日われには一生(栗木京子)
- 居直りを君は厭えど組織では居直る覚悟なければ負ける(小高賢)
- 憤懣が脚にあらはになりそうで今日は裾長のスカートをはく(小島ゆかり)
(myb)
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水田洋先生(名古屋大学名誉教授)の記事が安保法制の反対の趣旨で東京新聞に載っていた。
知研で講演をしていただいて、若き私が講演録をまとめたことがある。
社会思想史の大家だ。御年96歳になるが、堂々とインタビューを受けている。
蔵書は2万冊以上。アダム・スミスなど古典派経済学、古代ギリシャ思想史、欧米の近現代文学、、、、。
「国の文系軽視は国民の判断力低下につながる。戦争の反省を忘れたのか」「知性の未熟さが招いた戦争」