最近聴いたYoutubeの「ラジオ版学問のススメ」の番組。有料版も試したい。
寺島実郎「脳力のレッスン」特別編(世界)。
2016年米大統領選挙の深層課題--民主主義は資本主義を制御できるのか」
ノーベル文学賞は、反戦歌手ボブ・ディランという驚きのニュース。村上春樹は今年も漏れた。
「名言との対話」。10月13日。日蓮。
- 「禍は口より出でて身を破る。福は心より出でて我をかざる。」
- 日蓮は鎌倉時代の仏僧。日蓮宗(法華宗)の宗祖。安房国(のちの千葉県)出身。11歳で清澄寺の道善房に入門。比叡山・定光院に住し、俊範法印に就学。各寺へ遊学したのち、名を日蓮に改め法華宗を開く。鎌倉幕府に弾圧されながらも布教活動を行った。
- 乱世の鎌倉時代には、既成仏教の堕落があり、新しい仏教が多く生まれている法然(1133―1212年)、栄西(1141-1215年)、親鸞(1173-1202年)、叡尊(1201-1290年)、蘭渓道隆(1213-1278年)、日蓮(1222-1282年)、無学祖元(1226-1286年)、一遍(1239-1289年)と、この時代は仏教界の革新期だった。
- 内村鑑三「代表的日本人」では、日蓮は、ルターの宗教改革が聖書のみに基づいていたと同様に、仏教のあらゆる宗派を学んだ後に、仏陀の最晩年の教えである華厳経(法華経)を最高の経典であるとし、国をあげて信奉するという戦いをモハメットのごとくすすめたとしている。
- 「夫浄土と云ふも、地獄と云ふも外には候はず。ただ我等がむねの間にあり。これをさとるを仏と云う。これにまよふ凡夫と云う。これをさとるは法華経なり。」
- 法難に遭い佐渡流罪後、日蓮の教学と人生は一変する。1274年に鎌倉幕府から呼び出しを受け蒙古来襲の予見を聞かれる。日蓮は「よも今年はすごし候はじ」(「撰時抄」)と答えた。その5ヶ月後、予言通り蒙古が襲来する(文永の役)。
- 日蓮は現世の改革に命を懸けている。この宗派は今のこの世をよくしようとする。親鸞の他力本願と日蓮の法華信仰とは正反対の教えである。浄土は死後にあるとしひたすら南無阿弥陀仏を唱えよという親鸞の真宗。この世を浄土にしようと願い南無妙法蓮華経を唱えながら現世の改革にあたろうとする日蓮宗。世界観が違う。日蓮宗に帰依した宮澤賢治は遺言として「国訳 妙法蓮華経を1000部作ってください」と真宗信者の父に頼み近親者に配る。賢治の死後、父・政次郎は真宗から日蓮宗に改宗する。この流れは現在でも政党をつくり現世の改革を行わんとする創価学会などにも受け継がれている。
- 冒頭の言葉には身が引き締まる。口は禍のもと、確かにそうである。心のもちようが、幸福の源である。確かにそうだ。