「サピエンス全史・上」(ユヴァル・ノア・ハラリ著。柴田裕之訳。河出書房新社)

「サピエンス全史・上」(ユヴァル・ノア・ハラリ著。柴田裕之訳。河出書房新社)を読了。

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

 

第一部は認知革命。第二部は農業革命。第三部は人類の統一。下巻の第四部は科学革命。以下、要旨。

135億年前のビッグバンで宇宙が誕生。宇宙の物語を「物理学」という。

45億年前に地球誕生。38億年前に生物が誕生。生物の物語を「生物学」という。

7万年前にホモ・サピエンス(賢いヒト)が文化を形成し始めた。その後の発展を「歴史」と呼ぶ。

歴史には3つの革命があった。7万年前の「認知革命」(巨大な脳、直立二足歩行、精巧な道具、火の使用、言語)、1.2万年前の「農業革命」、500年前の「科学革命」である。

認知革命は、現実ではなく、脳によって想像上の伝説、神話、神々、宗教を生んだ。この時代は狩猟採集民であり、ラスコーの壁画に彼らの生活があらわされている。サピエンスは4.5万年前にはオーストラリア大陸、3.5万年前に日本に到着した。

サピエンスは動物の家畜化、植物の栽培を知り、人口爆発と飽食のエリートを誕生させる農業革命が1.2万年前に起こった。サピエンスは単独の食物に依存するようになった。記号を使って情報を保存する方法を発明した。それが帝国をつくり戦争を勃発させた。紀元前1000年紀には貨幣が誕生し相互信頼の交換経済が発達した。歴史は小さく単純な文化が大きく複雑な文明にまとまっていくプロセスだ。

 

この本の上巻を読んだだけだが、途方もない書である。

40歳のイスラエル人著者の知識量と洞察力と、まとめあげる力量には驚くほかはない。

下巻も読み始めた。

 

「名言との対話」12月7日。大村益次郎

 「常識を発達させよ。見聞を広くしなければならぬ。小さな考えでは世に立てぬ。」

大村益次郎文政8年5月3日1824年5月30日) - 明治2年11月5日1869年12月7日)は、幕末期の長州藩の医師、西洋学者、兵学者である。維新の十傑の一人に数えられる。長州征討戊辰戦争長州藩兵を指揮し、勝利の立役者となった。太政官制において軍務を統括した兵部省における初代の大輔(次官)を務め、事実上の日本陸軍の創始者、あるいは陸軍建設の祖と見なされることも多い。

司馬遼太郎の「花神」の主人公として名前と生涯を知った。花神とは時代に花を咲かせる「花咲か爺」を意味している。大坂の適塾では塾頭にもなるなど成績は抜群だったが変人扱いをされていた。実務家・技術者でありその観点から軍制の近代化など時代の転換を図ったが、旧弊な政敵に暗殺される。靖国神社には大村益次郎の騎馬姿の像が建っている。

さて、この勉強家は、激動の時代の世の中で立つには、古い考えを捨てて当たり前のことを知り、見たり聞いたりする世界を広くせよと語っている。凝り固まった小さな考えを捨てよ。広い世界をよく見て、大きく進路をとれ。

 

「副学長日誌・志塾の風161206」

  •  教学マネジメント会議(金議長):3つの方針(DP、CP,AP)の確認。アセスメントポリシーの策定と公表について。カリキュラムマップの提案。特にカリキュラムマップについては意味のある議論ができたので、スピードがあがるだろう。
  • 力丸夫妻:宮城大時代に秘書として助けてもらったかすみさんと久恒ゼミ1期生の力丸君が来訪。互いの近況報告と大学を案内。

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  • 松本先生:多摩大総研
  • プレゼミ:アクティブラーニング発表祭への出席の件。多摩の人物(白洲次郎白洲正子水木しげる)。
  • 今泉先生:院の修士論文基礎講座