「名言との対話」--岡本太郎。

「名言との対話」1月7日。岡本太郎

  • 「迷ったら、失敗する可能性が高い方、自分がダメになる方を選べ。そうするとエネルギーが湧いてくる」
    • 東京青山の岡本太郎記念館。神奈川県川崎市岡本太郎美術館青森県三沢市岡本太郎記念公園。そして「北小路魯山人岡本太郎」展など様々の企画展で岡本太郎から影響を受けて来た。そして1980年代後半には岡本太郎本人にも会ったことがある。本日は岡本太郎の命日。
    • 大学時代にあらゆる「選択」に悩んでいた時、岡本太郎の「原色の呪文」という厚い本を読んだ。その中に、私の迷いを解決する言葉があった。この衝撃的な言葉で、いい方を選んでもよくない方を選んでも、どちらでもいいんだと思った。それからは、決断がはやくなった。
    • どちらのプランを採択するか、どんな戦略で行くか、赤いシャツを買うかグレーのシャツにするか、誰を食事に誘うか、状況や重要度に差はあるものの、様々な場面で決断をしなくてはいけない。その時にすぐに判断を下せない人が案外多い。時には何事も決断できず、決断しても満足行く結果が得られないと、結局「失敗した」「損をした」と後悔ばかりする。そのような人が、非常に難しい問題でも早く決断できるようになる方法がある。どちらでもいい。そう信じることだ。自分が選んだ方が正解なのである。
    • そのときの自分はどちらが「得か損か」という観点から物事をみていたことに気がついた。ダメになる方を選ぶことは出来なかったが、どちらを選んでも選んだ方向で走ればいい、問題は選んだ後であるということがわかって気が楽になった。それ以来、決めるということにあまり苦しさを覚えなくなった。ビジネスマンになって、同じ問題に出くわした。仕事もまた決断の連続だったのである。小さなグループでもリーダーが受けるプレッシャーは大きい。自分が決めるということは大変だ。いきおい他の人に相談することになる。相談するとその人は次の相談相手を紹介してくれる。次の人はさらに次の人を親切に紹介してくれる。ふと気がつくとぐちゃぐちゃになっていて疲労感だけが残り、決断して挑戦する意欲がしぼんでいるという経験を何度もした。責任ある立場になった時、根回しや相談をしすぎると蜘蛛の巣にひっかかり身動きがとれなくなるから、人には相談しないことにしようという方針を立てた。自分の責任で決められるなら自分で決めようではないかということだ。うまく行きそうなときには私たちはあまり迷わない。私たちが迷うのは成功の確率が5分5分前後のときである。あるいは4分6分で不利な場合である。ここで逡巡が始まる。この逡巡はリーダーである自分を抜きに考えている場合が多い。客観的にみてうまくいくかどうかを値踏みしている限り結論は容易にはでない。自分が主体的に関与すれば5分5分は間違いなく成功させられる、4分6分、3分7分で不利でも自分がもっと深く貢献すれば成功する確率が高くなる。そういうことなら躊躇なく決断する。責任を携えて突っ込んでいく。これが決断ということだ。自分が決めようとして決められないことなど実際はほとんどないのである。
    • 「他人が笑おうが笑うまいが、自分の歌を歌えばいいんだよ」。「やろうとしないから、やれないんだ。それだけのことだ」。「ぼくはこうしなさいとか、こうすべきだなんて言うつもりはない。ぼくだったらこうする といううだけだ。それに共感する人、反発する人、それはご自由だ」、、。こういう岡本太郎の言葉は大学生には圧倒的に響く。