大戦国時代の幕開けか

2016年1月24日。

  • 大関琴奨菊、日本人関取として10年ぶりの優勝。大戦国時代の幕開けか。
  • 沖縄県宜野湾市長選。移設を推進する安倍政権が推した現職の佐喜真淳氏が、移設に反対する新人の志村恵一郎氏を破り再選。
  • 数十年ぶりの大寒波が西日本を襲う。郷里中津でも数十センチの積雪。初めての経験という母からの電話。
  • 福岡伸一「芸術と科学のあいだ」(木楽舎)を読書中。

「名言との対話」1月24日。平賀源内

  • 「ああ、吾、あやまてり。あたら小才と奇智におぼれ、お江戸の風に浮かれだこ」
    • 1月24日は、平賀源内が獄死した日。享年57歳。
    • 平賀源内を形容する言葉は実に多い。曰く、神童。天狗小僧。才気の人。諧謔の人。千里の駒。戯作者。夢見人。起業家。天才。奇才。、、。これら聞いただけで、源内の姿が浮かんでくるようだ。
    • 讃州高松藩の最下級の武士の家に生まれた源内は、本草学・薬草に深い関心を持つ藩主と親しくなるが、広い世界を見たいと暇をもらおうとする。藩主の答えは自由は与えるが、他に就職してはならないという「仕官御構い」の宣告を受ける。このため源内は大きくは跳べなかった。
    • 四国讃岐市の平賀源内記念館には源内の逸話を多く展示している。平賀源内旧邸や薬草園でこの多彩な才能をしのんだことを思い出す。
    • 源内はあまりも直感力が優れていた。そして好奇心が強く、森羅万象に関心があった。そのため地道に本質を極めようとする努力をしなかった。最後は殺傷事件で入牢することになる。平賀源内という存在とは何だったのか、やはりこういう疑念が起こってくる。源内は華やかな才能を使いつぶした、ともいえるのではないか。
    • これほどの才能があった源内にして、なお、最晩年の鬱屈があった。翔べなかった己を愧じた言葉である。この言葉は小中陽太郎の名著「跳べよ源内」(平原社)にある。異能の持ち主の波乱の人生と彼を取り巻く個性豊かな人々、そして江戸の田沼時代の空気を買いた書だが、この言葉は天が与えた才能におぼれた平賀源内の悔恨をあらわしているように聞こえる。