FD研修会「アクティブラーニングと図書館」

三島由紀夫「レター教室」(ちくま文庫)を読了。

三島由紀夫レター教室 (ちくま文庫)

三島由紀夫レター教室 (ちくま文庫)

5人の人物が繰り広げる事件を手紙形式で表現した異色の小説。
主題は、手紙の書き方である。

「ラブレター」「肉体的な愛の申し込み」「愛を裏切った男への脅迫状」「招待を断る手紙」「恋敵を中傷する手紙」「病人へのお見舞い状」「裏切られた女の激怒の手紙」「離婚騒動をめぐる手紙」、、。

  • 「ともすると、恋愛というものは「若さ」と「バカさ」をあわせもった年齢の特技で、「若さ」も「バカさ」も失った時に、恋愛の資格を失うのかもしれませんわ」

やはり三島は人間の心理をよく知っている。人間通だ。

「名言との対話」4月19日。黒田官兵衛

  • 「天下に最も多きは人なり。最も少なきは人なり。」
    • 織田信長豊臣秀吉に仕え、秀吉の謀将として活躍した黒田官兵衛は、豊前の6郡12万2千石をもらう。京都、築城、中津、上毛、下毛、宇佐である。このとき、息子の長政が宇都宮一族を陰惨な形で謀殺した。官兵衛は12万石の大名として1587年に豊前中津城主となった。官兵衛・如水の子の長政は筑前50万石を領し福岡の殿様になった。4月19日は如水の命日。
    • 如水とは「身は褒貶毀誉の間にありといえども心は水の如く清し」からとっている。
    • 官兵衛は大坂と中津をつなぐリレー式の早船という通信システムで上方の情報をつかむ仕組みを持っていた。この早船で瀬戸内海を3日で情報は届いた。関ヶ原の戦いも始まりと結果をいちはやく知って対処できた。官兵衛は生涯50数度の戦いで一度も破れたことがないのは、情報収集の天才だったことも大きな要因である。
    • 「戦わずして敵を降伏させる」「人は殺すよりも使え」
    • 戦国の世は生き残りには人材が勝負だった。世の中に人は多い。しかし人材は数えるほどしかいない。この言葉には人を見る抜群の目ききであった官兵衛の慨嘆がうかがえる。ひるがえって今の時代をみると、同じことがいえる。人はいるが、人材は少ない。