リレー講座。講師は寺島実郎学長。
「日本経済」がテーマ。
- IMFの世界経済見通し。
- 日本経済:経世済民。
- 所得。
- 勤労者世帯可処分所得:1997年49.7万円と最高。2000年47.3万円。2015年42.7万円。1997年比較で月7万、年84万の減少。2000年比較で月4.6万の減少。
- 2%の消費税アップは年7万円の負担増となる。
- 1997年対比では年間91万円の減少。
- 急速な貧困化の進行。中間層の没落。
- 製造業-286万人・建設業-153万人。広義のサービス業+583万人。就業人口の産業間移動により失業率は4.7%から3.4%へと良くなったように見える。
- しかし、広義のサービス業の現金給与総額平均は年359万円。kれは製造業比較で-92万、建設業比較で-97万。特に就業人口が増えた医療福祉・宿泊飲食業は年252万円で、製造業比較-199万、建設業比較ー204万と所得は極めて低い。
- 消費。
- 2000年から2015年。
- 全国世帯-29955円(マイナス3万円)。増加:諸雑費+3531円。通信費+3258円。自動車関係費+1912円。健康関連費用(保健・医療・サプリ・薬)は増加。減少:小遣い-11914円。交際費-7870円。交通、酒、外食が減少。動かなくなった。授業料・仕送り・教養娯楽・書籍・教養娯楽・補習教育などの教育関係費も軒並み減少。学ばなくなった、学べなくなった。
- 衣:マイナス26%。大幅減少。この中でユニクロは8倍増。国内844店・国外890店、一気通貫モデル。アオキ、シマムラも。
- 食:マイナス2.8%。横ばい。スシロー。
- 住:マイナス13%。しかしニトリは好調。
- デフレ化と貧困化の中でも勝者はいる。
- アベノミクスとは何だったのか?
- 3年間:異次元金融緩和と株価重視がアベノミクス。
- 異次元金融緩和:マネタリーベース:2010年98兆円。2012年121兆円。2016年1月355兆円。2016年4月381兆円。4倍近い。
- 銀行の貸し出し残高:2010年396兆円。2012年397兆円。2016年434兆円。9.3%しか増えていない。企業は未来への投資をしrていない。
- 株価:投入される資金量に比例。外資の参入により2012年9108円が2016年5月現在で16000円台。
- 実体経済:家計は2012年42.5万円、2015年42.7万で、動いていない。国民には恩恵は無かった。
- 企業経営:経常利益:201年43.7兆円、2014年64.6兆円。企業は儲けている。費用:人件費は増えていない(2010年194.8兆円、2014年195.9兆円。労働組合の組織率17%を割るなど減少)。設備投資:増えていない(1990年以降右肩下がり。2010年33.1兆、2014年39,8兆)。内部留保:増えている(2000年4.8兆、2010年10.4兆、2014年24,4兆。ストックは360兆円)。配当金:徐々に増えている。株主1位は外資、2位日銀、3位日本生命。2000年2.8兆、2010年9.1兆、2014年16.9兆、2015年20兆円?。
- 海外生産比率:1985年8.7%、2014年38.2%。4割近くが海外生産、グローバル企業化へ。
- 異次元の高齢化
- 1996年1億人、65歳以上7%(700万人)。2008年1.28億人、65最上26.7%(3384万人)、80歳以上7.9%(1002万人)。20140年代後半1億人、65歳以上40%(4000万人)。
- シルバー・デモクラシー:人口の4割は65歳以上へ。有権者の5割。有効投票の6割が65歳以上へ。老人の老人のための政治に。
- 豊かさ:一人当たりGDP:シンガポール5.3万ドル、香港4.2万ドル、日本3.2万ドル(円安で縮小)、韓国2.7万ドル、台湾2.2万ドル。これらは日本のかつての旧植民地ゾーン。
- サービス産業の高度化が課題。
- 相模原モデル。
- 所得。
「名言との対話」5月19日。金田一春彦。
- 「失敗は恐るるに足らない。大切なのはそのあとの処置である。」
- 石川啄木と同郷の言語学者金田一京助を父に持つ言語学者。単なる学者という枠にとどまらず、多彩な興味と行動力、そして誰からも敬愛される人柄であった。市町村合併でできた北杜市の一周年を記念して建てられた図書館である北杜市立中央図書館金田一春彦記念図書館を訪問したことがある。主として方言に関する2万冊余の本が「金田一春彦ことばの資料館」となっている。5月19日は命日。
- 座右の銘は「春風秋雨是人生」
- 世の中は失敗しないとわからないことだらけだ。失敗しない人は本当はわかっていない。失敗を恐れない人は真実がわかる。長い目でみれば、失敗を多くした人は成功する確率は極めて高くなる。失敗を恐れ続けた人は小成に甘んじるほかはないのは当然のことである。失敗する人は成功する。