リレー講座:春学期最終回。講師は寺島学長
テーマは「2016年夏、世界をどう見るか」
「世界」2016年3月号「脳力のレッスン特別編−−2016年への視座−−宗教とマネーゲーム」という論考の検証の形で、今の世界を鳥瞰する講義。
宗教
- キッシンジャー「400年ぶりの変動期。」1648年のウエストファリア条約(30年戦争)。政治の宗教からの独立。現在はISなど宗教の蘇り現象。ダッカ事件での7人の日本人へのテロ。ラマダン期間中に399人がテロにより殺された。グローバル・ジハード。無差別殺人。キリスト教徒イスラムの衝突。
1492年まで。
- 現下の日本:アベノミクスノ3年の総括。
- 一人当たりGDP:シンガポール5.3万ドル。香港4万ドル。日本3.2万ドル(アジア3位・世界26位)。韓国2.7万ドル。台湾2.2万ドル。中国0.8万ドル。タイ0.6万ドル。東京は6万ドル、北海道は2.5万ドル。
- 異次元の金融緩和:マネタリーベース2012年121兆円、2065年5月382兆円。貸出残高2012年397兆円、2016年5月432兆円。金融は大幅緩和したが、貸出は増えていない。
- 財政出動:政府予算:2012年度495.6兆円、2016年度500.6兆円。政府債務:2012年度992兆円、2016年度1049兆円。借金が57兆円増えた、結局は後代負担へ。
- 株価:2012年9108円、2016年6月9日16668円。株はあがった。GPIFによる年金資金で株を支える構造。第三の矢がお粗末だった。
- 実体経済:勤労者世帯可処分所得:2012年42.5万円/月、205年平均42.7万円。家計消費支出:2012年28.6万円、2015年平均28.8万円/月。国民には恩恵はなかった。
- 相模原モデルが重要。単身高齢者の社会参画を。16号線の外側、大都市郊外。
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「名言との対話」7月7日。コナン・ドイル。
- 「ワトソン君、君は物事を見るが観察をしない」
- コナン・ドイル(1859〜1930)は、英国の小説家・医者。私立探偵シャーロック=ホームズを主人公とする推理小説のシリーズで有名になった。推理小説というジャンルに初めて手を染めたのはポーであるが、それを確立させたのはドイルである。名探偵とその話の受け手であり助手であるワトソン役、そして不思議な事件を持ち込む依頼人というホームズものの型は、推理小説の正統な一つの典型として、クリスティをはじめとする以後の作家にも受け継がれ、今日もなお続いている。
- 「全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」
- 「ぼくにとっては、仕事そのものが報酬なんだからね」
- ここにあげた言葉はすべてドイルが創作したシャーロック・ホームズの言葉だ。ホームズの探偵物語は名言の宝庫だが、その中でも冒頭の言葉出色だ。対象を見てはいるが、観察をしていない。この言葉には衝撃を受ける。定説に惑わされることなく、事実を直視することが大事なことだ。観察力こそがもっとも大事な能力だろう。