「戦争をしない国−−明仁天皇メッセージ」(矢部宏治・小学館)を読了。
- 作者: 矢部宏治,須田慎太郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/07/01
- メディア: 単行本
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深い闇を体験し、その中でもがき苦しんだものだけが、長い思索ののち、光のような言葉をつむぎ出すことができる。そうした境地に到達できた人が「偉い人」だ。明仁天皇がそういう人だ。
この書では、明仁天皇と美智子皇后の歌と言葉が、須田慎太郎の写真とともに紹介されている。
- 外国(とつくに)の 旅より帰る 日の本の 空赤くして 富士の峯立つ(1995年歌会始
- 沖縄の いくさに失せし 人の名を あまねく刻み 碑は並み立てり(1995年)
- 原爆の まが(禍い)を患ふ 人々の 五十年の日々 いかにありけむ(1995年)
- あまたなる 命の失せし 崖の下 海深くして 青く澄むみたり(2005年サイパン島訪問
- 患ひの 元知れずして 病みをりし 人らの苦しみ いかばかりなりし(2013年水俣病患者と面会)
- 今ひとたび 立ち上がりゆく 村むらよ 失せたるものの 面影の上に(2012年・復興)
- あづかれる 宝にもにてあるときは 吾子ながらかひな 畏れつつ抱く(1960年・浩宮誕生)
- 初夏の 光の中に 苗木植うる この子供らに 戦あらすな(1995年・植樹祭)
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「あらゆる軍事力を放棄した憲法9条2項」(マッカーサー)と「日本から自由に出撃して戦争をする在日米軍」(ダレス)という巨大な矛盾。それが「集団的自衛権」という名のもとで、憲法9条を破壊してしまった。
機能停止となった憲法を機能させるために、以下の二つを憲法に書き込むこと。それが基地、原発、戦争など様々の問題を解決するためのスタート地点。
- 専守防衛、絶対に先制攻撃を行わない最低限の軍事力は持つ
- 外国軍の駐留は認めない
「名言との対話」7月19日。河合隼雄。
- 「何であれ、オモロイことしかしない。しなくてはならないことは、オモロクしてみせる」
- 河合 隼雄(1928年〈昭和3年〉6月23日 - 2007年〈平成19年〉7月19日)は、日本の心理学者。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。享年、79才。
- 心の名医として多くの人の悩みを救った河合隼雄は『人間の心がいかにわからないかを 骨身にしみてわかっている者が心の専門家』である、と私は思っている」と語っている。
- 「ふたつ よいこと さてないものよ」「いまの人は、みんな、『何かしなければ』と思いすぎる。」「『せっかく生まれてきたこの世で、自分の人生をどのような物語に仕上げていこうか』という生き方の方が幸せなんです。」
- 「面白い」ことをやろう。やらねばならないことは面白くなるように工夫してみよう。この精神は仕事にとりかかるための大事な心構えだと共感する。