シルバー・デモクラシーの現実

寺島実郎「脳力のレッスン特別編」−−2016年参議院選挙に見るシルバー・デモクラシーの現実−それでもアベノミクスを選ぶ悲哀。「世界」9月号。

世界 2016年 09 月号 [雑誌]

世界 2016年 09 月号 [雑誌]

  • 自民圧勝のメディアの予測は外れた。自民56、改憲四党161。民進党は健闘してはいない。共産党は伸びなかった。
  • 有権者総数の19.6%で改選議席の46.3%の議席自民党は獲得、(全国比例区
  • 一人区21勝11敗。野党共闘よりTPPのインパクトが大きかった。
  • 国民は安倍政治に代わる政策軸を見いだせないまま立ち尽くしている。
  • 破綻と虚構のアベノミクスに気づきながら「株高誘導」による共同幻想に乗っている。
  • 中間層の貧困化。これが内向と右傾化の土壌。
  • 貯蓄の58%、有価証券の72%は60歳以上(人口の27%3400万人)の世帯が保有。
    • 金持ち老人:金融資産5000万円以上で年金と所得の合計が1400万円以上。500万人、15%
    • 中間層老人:2200万人
    • 下流老人:金融資産1000万円以下で年金と所得の合計が200万円以下。700万人、20%。
  • 中間層から金持ち老人に「かけての2700万人が株式投資にもっとも敏感。資産インフレ誘発策を支持。
  • 幸福老人になるためには、自分でやるべきこと、やりたいことに向き合うことが大切。

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スイミングを再開。今日は300メートル。前回200。毎回100mずつ増やして行こう。

「名言との対話」8月23日。黒田清隆

  • 「大隈どん、貴君の片足を失ったのは、私の片足を失ったより残念じゃ。」
    • 黒田清隆1840年〜1900年)は、内閣総理大臣(2代)、薩摩藩士、陸軍軍人。薩摩藩出身。薩長連合の成立に寄与。戊辰戦争では五稜郭の戦いを指揮。維新後は開拓次官、のちに同長官として北海道経営にあたり、札幌農学校の設立、屯田兵制度の導入などを行う。農商務相、首相を歴任し、大日本帝国憲法の発布式典にかかわった。その後枢密顧問官、枢密院議長等を歴任した。8月23日、59歳で没。
    • 竹橋の国立公文書館大日本帝国憲法の原本のコピーを見たことがある。漢字とカタカナで書かれている。「第一章 天皇。第一条 大日本帝国ハ万世一系の天皇之ヲ統治ス。」睦仁天皇黒田清隆総理の印が押してあった。
    • 黒田は組閣にあたって「政府は超然として政党の外に立つ」という超然主義をとった。政府は議会・政党の意志に制約されず行動すべきという趣旨を述べた。このため超然内閣と呼ばれた。大日本帝国憲法は政党内閣を前提としてはいなかったことがわかる。
    • 放蕩癖があり、酒乱でも有名な黒田には、妻を殺傷したという噂がある。この黒田の窮地を救ったのは同郷の大久保利通であった。「此の大久保をお信じ下さるなら、黒田をもお信じ下されたい」とピーンと一言発し、その場が収まった。
    • 外国人判事を導入するという条約改正案を出した大隈重信に対し、玄洋社の来島恒喜が爆弾を投げ、大隈は片足を切断した。大隈重信を黒田総理が見舞った時に大隈外相ににかけた言葉である。