アイフォンでNHKの「聴き逃し」配信。大森拓也先生の授業参観。T-Studioでの公開講座「読書への回帰」に出演。リレー講座:西垣通「AIの過去・現在・未来」。

このところ、、アイフォンでNHKの「聴き逃し」配信を聞きながら、登下校している。1万歩前後歩いている。

・カルチャーラジオアーカイブス「声でつづる昭和人物死史--鈴木貫太郎」(保阪正康)2本:「ヒストリア 天皇のそばにいた男・鈴木貫太郎、太平洋戦争最後の首相」。「日本ニュース250号 大命を拝して。日本ニュース戦後編31号 戦後の暮らし」。鈴木貫太郎記念館(千葉県野田市)を訪問しよう。

・カルチャーラジオ歴史再発見「ルターと宗教改革500年」(ルーテル学院大学江口再起教授)5本:「95ヵ条で宗教改革は始まった」「宗教改革前史」「落雷体験から修道院へ」「塔の体験」「改革運動の前進」。

 「副学長日誌・志塾の風」171102

 2限目:授業評価の高く表彰の常連の大森拓也先生の授業参観。

「教育相談」というタイトル。カウンセリング技法が中心。共感のレッスン。

杉田、小西、金、浜田、バートル、同僚の先生たちが見学。

学生は心理学に興味あり。作業と発表という参加型のアクテュブラーニング授業。

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渡辺客員教授の授業も参観。

 3限目:T-Studioでの公開講座「読書への回帰」。中澤先生と飯田先生と私の鼎談。

38人の出席。この公開講座も人数も増えて定着している。

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中澤先生「大学生の読書(1週間):ゼロ49%。30分ー60分は18.7%。60分以上は19.1%」「1ヵ月本を読まなかった大人47%」「積ん読の効用」

飯田先生「スマホの危険性」「本を読む意味」「つながり」「トーマス・マン魔の山。バーバラタックマンの8月の銃声。キッシンジャーの本」

久恒「なぜ読書か(探検と知的生産)」「私の読書データベース(ブログの読書日記)」「私の精読法--図読」「読書にカかかわる名言集」「目利き・SNSで若い人から学ぶ・耳読書」。最後に私の著書「偉人の命日366名言集」「団塊坊ちゃん青春記」「万葉歌の世界」20冊をジャンケンでプレゼント(感想、アマゾンの書評という期待も)。

 

 知研の高橋茂人さんと打ち合わせ。11月10日の件。地方(九州、東北、岡山、島根・徳島、、、)。

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リレー講座:西垣通「AIの過去・現在・未来」。

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・「人間は機械の奴隷になる」、「人間は不死の命を得る」という両極端の意見があるが、私はどちらにも賛成しない。

ビッグデータの時代:2020年には1人5兆バイトの情報、これは新書2000冊相当。

・コンピュータは思考機械という考え方。「人間の正確な思考とは論理記号の形式的操作にある」。哲学者のフレーゲラッセル。数学者のチューリングフォン・ノイマン

・AIという言葉は1956年のダートマス会議で誕生。囲碁などのソフトは計算能力が高まっただけだ。コンピュータには現実の問題は解けない。

・第一次AIブーム(1950年代後半):日本は出遅れた。第二次AIブーム(1980年代):日本経済の最盛期、第五世代コンピュータ開発に多額投資したが実用化は出来なかった。

・第三次AIブーム:第一次は論理、第二次は知識、第三次は統計。統計という意味は確率は高い者を提示するというものであり、間違ってもいいという考え方。実用性が高まった。深層学習とはパターンの特徴を自動抽出することであり、正確性には欠ける。高精度のパターン統計処理に過ぎない。

・シンギュラリティ(技術的特異点):レイ・カーツワイル2045年」に汎用AIの誕生という説。バラット「AIは最悪の発明だ」、これにビル・ゲイツ、テスラモータースの創始者、フォーキング博士などが賛成。軍事は危険。

・根本の議論が必要だ。AIの考え方は西洋の「絶対知」という考え方からきている。ユダヤ教から出発したキリスト教の「不死」、イスラム教の「絶対知」という概念。古代ユダヤ教の現在は試練という救済思想とギリシャの論理哲学(神の知)が融合したところからAIという考え方がでてきた。

・イエスユダヤ教の改革者だった。律法や十戒によってじ上層は救われるという考えから貧しい下層も救われると説いた。ユダヤ戦争に敗れて離散したが、300年後の4世紀に「すべての人は救われる」というキリスト教としてローマが国教化し広がった。神・イエス聖霊の三位一体で化意味と人間が近づいた。1517年の免罪符を否定するルター、カルヴァン「予定説」は活版印刷の発明とあいまって宗教改革が始まり、プロテスタンティズムが誕生する。そこでは「働く人は救われる」ことになった。

・神が宇宙も、人間も、機械も創造した。神はリゴス(真理)だ。機械も論理だ。論理を組み合わせっれば真理に近づくという考え方。ユダヤ系は神の真理を地上に実現しようとすれミッションをもって活動しているのではないか。選民思想

・私はそういう考えに違和感を持っている。生命と機械は違う!深く考えよ。生命は、未来に向けて意味を編集。今、この時点で生きている。身体活動を通じて観察者として世界を創り、多様な価値を追求する。機械は過去のデータを統計処理してデータを出す。没価値的に単一機能を追求する。だから、人間とコンピュータの競争はナンセンスで愚かなことだ。シンギュラリティ神話は、一神教的妄想である!・

・AIは人間の仕事を奪うか?AIはデータ処理。環境条件が安定していることが必要。変転流動する仕事には向かない。臨機応変は苦手。人間が行ってる家事労働、案内係なども流動的で無限に広い世界。環境条件は常に変化し、例外だらけだ。AIはサービス業には向かない。芸術という創造的な仕事は現代に生きる人間がやるべき仕事だ。自動運転など実用研究に絞るべきだ。本質を考えよ。

(日本人の自然観、無常観などが根底にある。西垣通ビッグデータ人工知能」を再読しよう)

 

「名言との対話」11月2日。岸田国士「一人では何も出来ぬ。だが、まず誰かがはじめなければならぬ」

岸田 國士(きしだ くにお、1890年明治23年)11月2日 - 1954年昭和29年)3月5日)は、日本劇作家小説家評論家翻訳家演出家

陸軍士官学校に入るが、反発して退役し、東京帝大仏文科に学ぶ。」演劇研究のために渡仏。在来の新劇運動を批判しフランスで学んだ演劇観を日本の土壌に移植することを志す。1932年、築地座を指導。1937年、久保田万太郎らと文学座を創設。第二次大戦中は大政翼賛会文化部長。公職追放を経て、戦後には芸術家集団「雲の会」を結成し幅広い運動を展開する。1954年、文学座の上演『どん底』(原作マクシム・ゴーリキー)の演出に携わっていたが、舞台稽古中に脳卒中に襲われ病院に運ばれたが翌日死去。63歳没。文字通り「演劇」に殉じた人生だった。芸術派運動の理論的指導者としての功績は大きく、新潮社は「岸田演劇賞」を創設し、新人劇作家の登竜門となっている。

長女は詩人岸田衿子、次女は女優の岸田今日子で、この劇作家の血を引いて活躍している。

岸田国士はペンを武器に演劇の世界を変えようとした。冒頭に掲げた言葉の「始める誰か」は岸田自身だった。なにごとも自分から始めたい。そこに人生の栄光がある。