『ポッドキャスト  偉人の名言366  一日一言』の紹介番組。

27回目の『久恒啓一の名言との対話』テーマは、『ポッドキャスト 偉人の名言366 一日一言』。

「2017年7月に上梓した「偉人の命日366名言集~人生が豊かになる一日一言」を2018年1月1日よりポッドキャストにて無料で毎日配信。時を超えて輝く「偉人の名言」は人生百年時代の人生観を磨き上げるソフトインフラです。」

www.youtube.com多摩大学創立25周年記念ファシリティ 『T-Studio』では、地域への情報発信拠点として「課題解決型情報番組」を制作し、インターネットを通じて発信しています。

久恒啓一副学長の番組『久恒啓一の名言との対話』 第27回を追加しました。

久恒啓一の名言との対話』は、10年に亘る偉人の記念館を訪ねる旅から生まれた番組です。全国で(一部海外)約800の人物記念館を訪問し、見えてきた日本の真の近代史、時代を超えて心に響く偉人の名言を、独自の視点で紹介します。」

 

 

 

「名言との対話」2月3日。三浦朱門「失敗談を語れ」

三浦 朱門(みうら しゅもん、1926年大正15年)1月12日 - 2017年平成29年)2月3日)は、日本作家日本大学芸術学部教授文化庁長官(第7代)、社団法人日本文藝家協会理事(第7代)、日本芸術院院長(第4代)などを歴任した。

「朱門」の名前はイタリア文学者だった父・三浦逸雄氏が十二使徒の一人、シモン・ペテロから付けた。1950年に同人誌「新思潮」に参加、曽野綾子出会い3年後に結婚した。夫婦共にカトリック信徒である。小島信夫阿川弘之遠藤周作らと共に「第三の新人」と呼ばれた。家族の崩壊を描いた「箱庭」や住んだ経験のある場所をテーマとした「武蔵野インディアン」など、戦後日本を描いた作品が代表作だ。

妻の曾野綾子の本から、朱門の日常垣間見ることができるが、よく考えるとこの人のことはよく知らない。「ラジオ版学問ノススメ」という2011年の番組で、『老年の品格』という本を書いたばかりの朱門がインタビューされていた。初めて肉声を聞いたのだが、なかなか味わいの深い言葉が多かった。「ユーモアのある老人に」「固定観念を捨てて自分で何でもやってみよう」「おかしいことはおかしいと言おう」「病気になって迷惑をかけず、家族や社会に役に立とう言う謙虚さ」「今の若い人は真面目すぎる。色々なルートがある」「民主主義、平和主義、自由などは現代の呪いであり、カッコ付きだ」「日本人は日本文明、日本文化の中で日本人になる」など、なかなか面白く聞いた。

また、17世紀の30年戦争の時代に、幾何と代数を数学として成立させたデカルトをはじめ、パスカル、カレリオ、ニュートンらがサイセンス(科学)を誕生させ、そして信仰と政治が分離し近代が生まれたことが繋がって自分なりに総合的に分かった、そしてこの時に大人になったと思ったと述懐している。

三浦朱門は過去の成功を語るな、威張るな、そして失敗談を語れと言う。自分を客観視してその滑稽さを笑う、そういう中から若い人が何か参考にしてもらえばいいという。そういえば、福沢諭吉は常に失敗したことしか語らなかった、偉い人だと感心したと後に山本権兵衛が言っていたエピソードを思い出した。なるほど、それなら山ほどある。失敗を語ろう。