「改善と改良」。「進歩と進化」。

「副学長日誌・志塾の風」180313

・研究室:事務局との定例ミーティング:杉田学部長。宮地局長、川手課長、水嶋課長。「来年のFD/SD合宿の来年に向けて」「卒業式のライブビューイング」「アクティブラーニングの進め方」、、、、。「改善と改良」。

・ラウンジ:学長室の山本さん:来年度のT-Studioでの録画について意見交換。「進歩と進化」。

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「名言との対話」。3月13日。川村勝巳「会社の経営は、ある意味で不況の方がやりやすいこともある」

川村勝巳(かわむら かつみ。1905-1999年)は、東京商大卒業後、三井物産に入社。その後退社し化成品の会社をつくる。大日本インキ(現DIC)社長。

1908年(明治41年)に父が創業した川村インキ製造所は、関東大震災東京大空襲などで壊滅的な打撃を受け、あるいは石油ショックなどで苦境に立ったが、その都度立ち直った。

長男の勝巳は、三井物産につとめたが、32歳、「トコトン自分を追いつめて自分の運命を試してみたい」と自営の路を歩み出す。52歳、父の死で大日本インキの社長に就任。「化学で彩りと快適を提案する」DICは印刷インキ、有機顔料、PPSコンパウンドで世界トップシェアの化学メーカーとなっている。現在では資本金966億円。従業員数は連結 20,628名 単体 3,503名。売上げ高7894億円の大企業に育った。1978年に20年間つとめた社長を退任するときには年商は2570億円となっていた。「なんとかオヤジとの約束は果たしかな」と思った。

千葉県佐倉市の総合研究所敷地内にDIC川村記念術館が1990年5月に開館した。川村が1970年代初頭からピカソ、ブラック、カンディンスキー、マレーヴィッチ、コーネルなど20世紀美術を中心に収集したコレクションが中心の美術館だ。よく手入れされた庭園や緑豊かな自然の中を散策でき、寛げるレストランも併設されている。佐倉に住んでいた40代の前半に私も何度か訪問したことがある。

 不況はチャンスであると川村は言う。好況時は実力以上に業績があがり、組織は膨張し、社員は興奮し勝手な行動をとるようになる。不況は広がり弛んだ組織を引き締めるよい機会になる。減量し付加価値を高め、来たるべき時期に備えることができるのである。個人においても同様で、不遇の時は実力を蓄える時期と考えるべきなのだ。

 (参考)『私の履歴書 経済人20』(日本経済新聞社