NPO法人知的生産の技術研究会:「知研東北」の設立総会・記念講演。

 NPO法人知的生産の技術研究会。「知研東北」の設立総会・記念講演。f:id:k-hisatune:20180514062123j:image

 

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「名言との対話(平成命日編)」5月13日。瀬戸雄三「リーダーは不満や行動ができない理由などを引き出して負担を取り除かねばならない」

瀬戸 雄三 (せと ゆうぞう、1930年2月25日 - 2013年5月13日) は日本の実業家

絶頂期に入社し30年続く転落で「夕日ビール」と揶揄されたアサヒビールの社長としてスーパードライを無敵の商品に育て上げた人である。1992年に社長になって「キレとコク」のスーパードライに「鮮度」を加える。社内の軋轢を乗り越えて製造後20日以内の出荷を10日を宣言し、その後も手を緩めることなく5日にするという目標を達成している。製造から物流にまで徹底的に改革したのだ。97年にはスーパードライはついにナンバーワンになった。私もこのうまいスーパードライのファンになった。現在では3日以内となっているそうだ

日経新聞私の履歴書」が元となった自伝『月給取りになったらアカン』(日経)を読んで、たたき上げの営業マンのファイトあふれる、足が地に着いたリーダー論に共感した。

・よい人材をいかにやる気にさせるかがリーダーの役目である。

・リーダーは演出家である。

・社長業は駅伝と同じだ。必死で走り、順位を上げて、バトンを渡す。

・リーダーは、目標を達成するために組織の先頭に立って一番つらい仕事をする。

・リーダーは情報の坩堝(るつぼ)でないといけない。

・経営者は、明快な方針をわかりやすい言葉で組織に示し、組織をダイナミックに動かしていくことが重要だ。

波瀾万丈での企業人生を送り、「変化と挑戦」を続けた瀬戸雄三のリーダー論の中で、私は不満や理由を取り除き現場の負担を解消するという考えに共鳴する。公式な報告だけでなく、現場の本音の「生」の情報に接して、情報の坩堝となって問題のありかをとらえるべきだ。スーパードライと同様に問題の「鮮度」に敏感に反応し、明快な解決策を講じ、すぐさま実行していく。そのサイクルをまわす役目が目指すべきリーダー像であろう。

月給取りになったらアカン―私の履歴書