多摩未来創造フォーラム---小池百合子東京都知事の基調講演と、市長・学長・社長のシンポジウム

多摩未来創造フォーラムが玉川大学にて行われ参加した。

元々は公益社団法人「学術・文化・産業ネットワーク多摩」が主催する多摩の大学の理事長・学長会議だった会合がフォーラムに進化した。

名刺交換の時間に懇談:ネットワーク多摩の細野専務。八王子市の木内容子副市長。キャリアマムの堤代表。いなげやの成瀬社長。立飛ホールディングスの村山社長。法政大学の増田副学長。学生情報センターの清藤常務。

小池百合子都知事を迎えての昼食会:気候変動と飢饉、革命。23区の定員厳格化。首都大の100年人生講座。東京オリンピックのオランティア。、、、。小池知事とも名刺交換。

小池知事の基調講演。「新しい東京の実現に向けた多摩地域の可能性--2020年のその先を見すえて」。

・現在の東京をつくった偉人たち:後藤新平(幹線道路)。安田善次郎日比谷公会堂)。渋沢栄一井の頭公園)。

・セーフシティ。ダイバーシティ。スマートシティ。

・多摩は人口の3分の1。面積の2分の1。昨年、多摩振興プランを作成。多摩は2020年の人口422万人が2040年に398万人。都の予算は7兆円。予算の総合交付金490億円から550億円に。製造業5兆円は東京都の6割。2015年の観光インバウンド1000万、2017年1379万人。多種多様な農産品・加工品。みどり率は67%(都は50%)。鳥の目・虫の目・魚の目。

・セーフシティ:人に着目:子育て。受動喫煙児童虐待。医療。多摩ニュータウンの再生。防災。。無電柱化推進条例。

ダイバーシティ:幹線道路6割。南北・東西7割。公共交通ネットワーク。モノレールの延伸調査費。・産業:イノベーション。VR。都市農業。ブランド化。8つの自然公園の総合ビジジョン。

・スマートシティ:ゼロエミ。EV充電設備。燃料電池車。二輪車

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細野専務司会のシンポジウム。

細野:大学を核として次の時代を準備する。集積のメリットを出せているか?交通の問題が大きい。

立川市清水市長「南北の渋滞」。町田市の石坂市長「モノレール延伸を期待」。いなげやの成瀬社長「人出不足」キャリアマムの堤社長「職住近接。サテライトオフィス」。京西テクノスの臼井社長「人材が課題。4%しか就職しない」。創価大学の馬場学長「留学生8%。留学生対応が課題」。帝京大学の沖永学長「留学生3.5%。留学生対応が課題」。桜美林大学の畑山学長「留学生7%。国際化とキャンパス拠点化」

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 創価大の馬場学長「生涯教育の拠点に」。帝京大学の沖永学長「日本人だけではやっていけない。留学生。新産業と自治体の有機的連携」。桜美林の畑山学長「国際線パイロット育成事業」。うなげやの成瀬社長「社員は多摩から取りたい」。キャリアマムの堤社長「サテライト。ジョブカード」。京西テクノスの臼井社長「日本にいながらグローバルマーケットを相手に。IOT。メンテ。インターンシップ採用」。立川市清水市長「モノレール90キロ計画。今16キロ。隣接の8つの市で首長勉強会、そろそろ」。町田市の石坂市長「町田と立川をつな雲のレール」、、、。

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 玉川学園創立者・小原國芳の言葉が、全学共通の実践目標となった。

「人生の最も苦しい、いやな 辛い 損な場面を 真っ先に微笑を以って担当せよ」

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 「名言との対話(平成命日編)」6月9日。塚本邦雄「突風に生卵割れ、かつてかく擊ちぬかれたる兵士の眼 」

塚本 邦雄(つかもと くにお、1920年8月7日 - 2005年6月9日)は、日本歌人詩人評論家小説家

学校卒業後、商社に勤務。転勤した松江で鳥取在住の杉原一司と「日本歌人」を通じて知り合い、1949年に同人誌『メトード』を創刊。1951年、杉原一司への追悼として書かれた第一歌集『水葬物語』は中井英夫三島由紀夫に絶賛された。

1960年代の前衛短歌運動の先頭にたって、 寺山修司岡井隆とともに「前衛短歌の三雄」と称された。また近畿大学教授としても後進の育成に励んだ。

歌集は80冊を残した。また俳句小説評論なども多く発表している。死後には蔵書・直筆原稿・愛用品や書簡など様々な遺品が日本現代詩歌文学館へ寄贈されている。

絢爛たる語彙と強烈なイメージを駆使した短歌を残し、後進に影響を与えた。塚本の歌は難解であるが、以下比較的わかりやすいものをいくつかピックアップしてみよう。

革命歌作詞家に凭りかかられてすこしずつ液化してゆくピアノ

馬を洗はば馬のたましひ冱ゆるまで人戀はば人あやむるこころ

百年後のわれはそよかぜ地球儀の南極に風邪の息吹きかけて

 五月祭の汗の青年、病むわれは火の如き孤獨もちてへだたる

青年の群に少女らまじりゆき烈風のなかの撓める硝子

少年発熱して去りしかば初夏の地に昏れてゆく砂絵の麒麟

日本脱出したし、皇帝ペンギン皇帝ペンギン飼育係りも

人生いかに生くべからざるかを憶ひ朱欒(ザボン)を眺めゐたる二時間

あぢさゐに腐臭ただよひ、日本はかならず日本人がほろばす

急速に日本かたぶく予感あり石榴をひだり手に持ちなほす

ほととぎす啼け わたくしは詩歌てふ死に至らざる病を生きむ

乳房その他に溺れてわれら存る夜をすなはち立ちてねむれり馬は

父となり革(あらたま)る莫(な)しぬかるみに石油の虹のみだるるを喩(こ)ゆ

台風は冴え冴えと野を過ぎたれば再(ま)た綴るわが片々のこころ

逝きしもの逝きたる逝ける逝かむもの疾風(はやて)ののちの暗き葉ざくら

二十世紀と言ひしはきのふゆく秋の卓上に梨が腐りつつある

人に告げるざることもおほかた虚構にて鱗(いろこ)きらきら生鰯雲

日清日露日支日独日日に久米の子らはじかみをくひあきつ

秋の河ひとすぢの緋の奔れるを見たりき死後こそはわが余生

 塚本邦雄の名前と業績については、恥ずかしながら全く知らなかった。今回作品に接してみて、跳躍する驚くべき発想、絢爛たる豊かな語彙、冷え冷えとした眼差しなどに深く感銘を受けた。「人間の愚かさ。『人間の』は、よけいだ。愚かなのは、人間以外にない」と塚本邦雄は言う、冒頭の歌「突風に生卵割れ、かつてかく擊ちぬかれたる兵士の眼 」は、戦争の悲惨さと人間の愚かさをわずか31文字であますところなく伝える衝撃の作品だ。