朝は学部授業「ビジネス・コミュニケ-ション」で「図解広告」。夜は大学院授業「インサイト・コミュニケーション」で「図解文章法」。

夜の品川キャンパスでの大学院の3時間の授業「インサイトコミュニケーション」の5回目。テーマは「図解文章法」。講義。解説。演習1。演習2。グループ討議。

参考文献:久恒啓一『図で考えれば文章がうまくなる』(PHP研究所)と、久恒啓一『合意術』(日本経済新聞社)。

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 以下、受講生の感想。

・本日は図解を用いた文章作成を学びました。文章を先に書いてしまうと、ムダな表現や重複表現が生じたり、肝心な説明が抜けていたりすることが往々にしてありますが、先に図解で構成を考えることによって、文章のムダや重複が大分省けると思いました。本を書く際にもよく目次(構成)から作る、という作業があるかと思いますが、図解と目次の双方で考えおくと、より整理して文章化できると思いました。先日、ある説明会でプレゼン資料に基づいた説明を聞く機会がありましたが、口頭では説明しているのに、肝心のプレゼン資料には大事な項目の記載がありませんでした。文章も同じことで、文章を書く前に言いたいことを図表化して項目を予め整理することが必要だと思いました。また、数学の教科書も、章ごとの構成を図表化すれば、数式の理解が進みやすいと思いました。図表化して章ごとのつながりが分かれば、苦手意識が生まれにくくなりそうです。

 ・文章=内容×表現 (表現のノウハウ本は多いが、多くの人が知りたいのは内容の考え方) ・同じ図でも文章は人により異なる ・図解の使い手は翻訳家 ・論文は図解から
 ・部品をたくさん作る→関係性(矢印)で全体図に。今回はいつもと逆で図から文章を作る演習でした。シンプルに表現された図から多くの文章が書けることを実感しました。また、図があると内容はぶれないので、文章の繋げ方や表現に注力して作成することができました。

・先生の図解のおかげで短い時間の中で、論文に関する5冊の本の要点をおさえることができ、大変勉強になりました。図解の凄さを実感しました。授業では、図解から文章を作成しましたが、関連する内容を接続詞で繋いでいくことで、スラスラと文章を書くことができたので驚きました。1枚の図解に落とすことで、全体を俯瞰してながら、項目の整理やつながり、関連性について考えることが如何に重要かを理解できました。
修論にも活用できるよう、これからも図解の練習に励みます。来週も宜しくお願い致します。

・今日の授業はこれまでと違い図解から文章を作成しました。こんなに簡単に文章が書けるとは驚きでした。矢印は接続詞、この使い方やつながり、関係性を考えることにかなり気を遣いました。設計図があり、接続詞を学ぶとラクに修論が書ける図解がメッセージになるように、そのためにはメッセージとは何か、を明確にすること。短文かつ「が」の使い方に、まずは気を付けて図解のクセをつけていきたいと思います。

・今回はこれまでの講義とは逆の図解から文書を作成しましたが、図解の偉大さが実感できました。図解があれば文書を作成していても論理的に構成でき、文書を書くことが苦手であることを忘れる事ができました。また、接続詞(関係詞)の重要性が体感出来ました。修論を作成していく上でも貴重な手法を知ることが出来、後は練習あるのみです。次週も楽しみにしております。

文章読本の流れ、文章の書き方。今回の授業は、図解を見ながら文章を書く授業でした。この授業で気がついたことは、すべての図解を取り入れることは難しい。そのために自分がキーであると思う図解を強調する。文章の中に出てくる書物についての出典を明確にしておく。各章にストーリーを与え読みやすくする。長文は書かずに短文を繋げる。序論に主題を明確に記載し、結びで数行にまとめる。以上今回の文章作成で学びました。授業の回を重ねるごとに自分が成長していることを実感する講座です。

以下、留学生。

・今日の授業は図解から文章を作成しました。文章書き方はどんどん理解できるようになりました。論文書きはテーマが決めて、、論文の構造を考えることになります。又、論文で重要なのはメッセージだとわかりました。そうすれば論文がうまく書けるようになっていく理解できました。先生の授業では留学生の私にとって、知識ではなく、日本語も大変勉強になります。先生、ありがとうございました。

 ・今日の授業は先生から論文の作成方法の図解ついての授業をしていだだきました。本当にsurpuriseした。これは論文の作成に直接に役立つと思います。ますます先生の授業が好きなりました。私達のグループの韓国代表は私達の東亚联盟の感想を非常に上手く現していました。私の図解は初めより上手くなったと言われましたが、😩😭新しい図解をしましたので時間がかかりました。やはり日本語がまだ不得手の私が論文を書く時には、先生の本の役に立つと思います。明日、接続語など教えていただいた本『図で考えれば文章がうまくなる』を注文します。

・図から文章に転換することをやりました。凄く面白いです。勿論、難しいところもあります。図を読みながら、文章を書く時、最初で、どこから書いた方がいいですか、また、最後に、どうやってまとめますか。

・全体像の重要性について以前より感じました。中国でも、文章を書く前に、先に内容全体のアートラインを列ぶから文章を書くと言うテクニックがあります。今回、先生の授業を受けて全体像から文章に書く方法も勉強して、良い練習になりました。自分の論文にも実際に試してみます。しかし、文章から図表も、図表から文章も、どちらも簡単ではありませんと、再び分かりました。練習して、上手い図を書けるように頑張ります。

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午前と午後は多摩キャンパス。

・10時:橘川先生:児玉・高崎。桃原・西村。北田。、、、。いつものことながら仕掛けがすごいや。

・10時40分:ビジネスコミュニケーションの9回目の授業。「図解広告」を作成。

・山本さん:Tスタでのその子先生との録画日程。

 ・客員の河合先生と懇談:ドラマの歴史監修者の仕事などのひろがり。

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 「名言との対話」6月15日。酒井田柿右衛門「職人は不器用な人がいい」

14代目 酒井田 柿右衛門(14だいめ さかいだ かきえもん、1934年8月26日 - 2013年6月15日)は、有田焼を代表する陶芸家で、“酒井田柿右衛門”の14代襲名者。

 多摩美大で日本画を学ぶ。卒業後、父の13代柿右衛門に弟子入り。1982年、父の死を受け14代目を襲名。このとき48歳か49歳。 父と祖父が甦らせた「濁手」(にごして)の技法を学なんだ。この白は柿右衛門の特徴である「赤絵」がいちばん引き立つ生地であり柔らかい白みだ。14代は海外での展覧会は高い評価を得た。2001年に重要無形文化財「色絵磁器」の保持者(人間国宝)に認定された。

JR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」の洗面所に使用されている洗面鉢が遺作となった。これは鉄道デザイナーの美戸岡悦史と一緒に実現したもので「14代酒井田柿右衛門JR九州の豪華列車」というテレビ番組で紹介され見たので親しみがある。柿右衛門については、根津美術館肥前磁器の華 伊万里 柿右衛門 鍋島」展で、そして渋谷の 財団法人戸栗美術館でも私も堪能した。

「綺麗ではありますが美しくはない」「ヨーロッパの方々というのは美しいと綺麗の区分が分からん」「美を生み出す技術というのは手にある」「やきものは底と口縁部がいちばん大事。器の品格は口縁の反りと高台の厚みにでる」

 柿右衛門様式の世界は膨大な深さと広さがある。それを継承させ、それが継承者の個性につながるのがいちばんいいと14代は言う。様式のなかで個性を出すということだ。色をながく保ち続けることには大変な苦労があるのだ。

 よく一緒に遊び回っていた親友の中島宏人間国宝)は、14代を襲名したら人が変わったように真面目になったと回想している。最初にやきものの原点である食器展を開催。窯の中を改革。きれいに整理して立て直し、仕事をしやすいように立派な工房にした。海外で数多くの展覧会を開催。「14代は柿右衛門を現代に甦らせ、柿右衛門様式をインターナショナルにした中興の祖」である。17世紀初めに、秀吉の朝鮮出兵で陶工を佐賀有田に連れ帰ったのが始まりで、1600年代前半から400年余もバトンを繋ぎ続けてきた柿右衛門というアイデンティティを取り戻した。後輩をたくさん育てた。そしてやきものの啓蒙運動を続けた人だ。

小さな湯呑み茶碗でも数十人の職人が要る。技術の連鎖、職人の連鎖が連なって小さな湯呑み茶碗を完成させる。一人前の職人になるには20歳からはじめて50歳になるくらいまで努力が必要であり、ロクロが一人前にひけるには少なくとも20-30年はかかるのだ。作家は自分自身の世界を築くことが目的であり、職人の修行とは違う。職人は不器用な人がいい。「作家先生になるのか、窯のオヤジになるのか」、は名窯に生まれた者への宿命の問いだ。器用な人はなかなか根気が続かない。不器用な人は修行という態度で一心で時間と労力を注ぐ。落語など伝統芸能の世界でも同じ言葉を聞く。不器用は一種の才能だ。

遺言:愛しき有田へ

遺言:愛しき有田へ