リレー講座「知の再武装」。

松本先生:大いなる多摩学会。人事。

学長:人事案件の進捗。近刊著書の報告。知研の新プロジェクト。

杉田先生:人事。

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 リレー講座:寺島学長

・知の再武装。『ジェロントロジー宣言』(NHK出版新書)。3つの知能。1・流動性知能(博識。記憶力・IQ、、。年齢とともに衰える)。2・結晶性知能(判断力。体験・文献・出会いなどによって知と知のつながりがみえてくる。努力次第で高まってくる。ヨコ)。3・唯識性知能(本質を感じ取る感受性。心に中の深さ。タテ)。五識五感(センサー)、九識(六識。七:末那識。八:阿頼耶識。九:阿摩羅識)。AIは「認識」、目的手段合理性、recognize)。人間は「意識」、感動・宇宙・世界・美意識・宗教、consciousness)。仏教は無神論。思想。釈迦は自分の悟り。世親が唯識論を唱えた。それに超越的な神秘性を附加(加上)し変化したのが衆生救済の「大乗仏教」。三島由紀夫豊饒の海」の第4巻「天人五衰」。松尾芭蕉「よくみればなずな花咲く垣根かな」。観音は聞こえないような小さな音を観る。聞は見えない光を感じ取る。

・人類史における宗教。6万年前:アフリカからホモ・サピエンスのグレートジャーニー・3.8万年前:日本列島に到着。1万年前:定住。コミュニティ・協調・配慮・利他愛)。2500年前:ユダヤブッダ孔子

・人間とは何か。生命科学の発展とAIの進化によって問い直されている。動物行動学・進化認知学。2003年にヒトゲノム解読終了。チンパンジーとは脳のDNAは1.2%の違い。個体差を含めると1.06%。それは言語と意思疎通、コミュニケーションの分野。意識の深さ、思想、宗教。サルは現実・人間は空想。「サピエンス全史」では虚構を生み出す力が人間。

・「1968年再考」。50年前。フランス5月革命。アメリカはベトナム反戦、黒人の人人種差別撤廃運動。アメリカが色あせ。ソ連の軋み、プラハの春。中国は毛沢東文革中南米ゲバラカストロ、日本は大学紛争、日大・東大闘争。トランプはウオートンビジネススクールの2年生でカネと女。1989年「7月4日に生まれて」はベトナム戦争で傷病兵で帰還した主人公が蔑視で傷つく物語。対照的。クリントン(徴兵拒否、ドラッグ、フリーセックス、、)と同年。

・今の時代をどう思うか。

1・「なぜか。国会で参院の定数6人増」。自堕落さ極まれり。互助会。怒り。問題意識。消費税増税だから議員定数削減という約束の反古。議員は人口比でアメリカの2倍。2億円X6人X6年=72億円。人口3割減少していく中3割はヒアスのが当然。

・2・「なぜ北海道に米軍基地がないのか、なぜ沖縄に米軍基地が70.6%も集中しているのか」。沖縄:人口増加中。基地依存は5%。観光立国で自立。出生数増加と高齢者の移住。日米安保は対ソ連。米軍は北海道から一番遠い沖縄に陣取った。首都圏には横田基地厚木基地日本帝国主義復活を抑えるのが日米安保という「ビンの蓋」論。本当に必要な施設は何か。三沢から沖縄までを一つ一つテーブルに載せる。進駐軍のステイタス、思いやり予算。独立国に外交群が常駐という異常さ。ドイツは冷戦後に基地の段階的縮小と地位協定の改定を行い主権を回復。気づきと問題識から、調べ、自分の考えをつくっていく。

3・「金ジョンウンはなぜ中国の飛行機で米朝首脳会談シンガポールに行ったのか?」。中国の恫喝、恐怖心。アメリカ主導の半島統一の直前に北朝鮮に中国が軍事介入・駐留し、グリップするという戦略。南との融和に走り、中国には3回行った。カリュウ「中国は北に首輪をつけた」。周金平二次政権の実績として香港・台湾・北朝鮮が必要。

・「ジェロントロジー宣言」。都市郊外型高齢化が問題。高齢者を生かしきる、支える側にしていく。食と農、観光立国に対応する高度観光人材。一緒に時代を切り拓いていきましょう

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「名言との対話(平成命日編)」7月12日。大橋巨泉「戦争は爺さんが決めて、おっさんが命令して、若者が死ぬ」

大橋 巨泉(おおはし きょせん、1934年昭和9年〉3月22- 2016年平成28年〉7月12日)は、日本タレントテレビ番組司会者ラジオパーソナリティ)。

放送作家エッセイスト評論家競馬評論家音楽評論家、時事評論家)、馬主政治家参議院議員)、実業家・芸能プロモーター、オーケーギフトショップグループ取締役社長)と、巨泉の肩書きの多さは天下一品だ。巨泉は1950年から使っている俳号である。

麻雀、ゴルフ、競馬などw厚かった「11PM」で司会者として活躍。1969年のパイロット万年筆のヒットCM「ハッパふみふみ」はユニークだった。「みじかびの きゃぷりてぃとれば すぎちょびれ すぎかきすらの はっぱふみふみ」。よくはわからないが、なんとなくわかるような気がするCMだった。俳句の575とジャズのリズムが結びついた傑作だった。その後、クイズダービー」「世界まるごとHOWマッチ」などで高い視聴率でテレビ界を席巻していく。

消耗品にならないため自分でマネジメントするために、大橋巨泉事務所をつくる。原則は「映画とドラマはやらない」「一業種一種目を守る」「ナイター裏の番組は引き受けない」「週3本以上の番組はもたない」「番組の内容・構成には自ら関与する」、そして「自分の番組意外には出演しない」とうい大原則をつくる。これは20年間守られた。

「50歳でリタイヤ」のつもりだっが、ビートたけしという新しい才能と出会い、延ばす。報道と娯楽を結びつけた「巨泉の造語「インフォテイメント」番組の「巨泉のこんなモノいらない?!」は自身が言う代表作となった。

56歳で念願のセミ・リタイア生活に入る。冬はオーストラリアのゴールドコーストニュージーランドオークランド、春は日本、夏はカナダのバンクーバー、秋は日本。太陽を求めて温暖な気候の土地を渡り歩く「ひまわり生活」を堪能する。そのために、身軽に動けるようにパイプカットの避妊手術を行い子どもはつくらなかった。行く先の国の歴史や現状を勉強し、片言でもいいからその国の言葉をしゃべり、食事のメニューは自分で注文することにしていた。

巨泉には「僕は辞めると言ってはいないんです。辞めたのです」 (議員辞職の時)。「野球は巨人、司会は巨泉」、、など名言が多い。やはり俳句の影響だろう。

座右の銘岸信介総理にならって「転ぶな、風邪ひくな、義理を欠け」であり、義理を欠くことにしていた。大橋巨泉という人物は、以上にみるように公私ともに、何事にも原則を持ち、明快な方針で臨んでいることに感銘を受ける。そして「それは違う、おかしい、というマトモな批判さえ許さない戦前みたいな“空気”を今の日本に感じる」と警告を発していた。「戦争は爺さんが決めて、おっさんが命令して、若者が死ぬ」と言っている。慧眼の巨泉はわれわれが、こころすべき言葉を残してくれた。

巨泉―人生の選択 (黄金の濡れ落葉講座)

巨泉―人生の選択 (黄金の濡れ落葉講座)