午前は学部授業。夜は大学院授業。--テーマは文藝春秋『2018年の論点』

・学部授業は13回目。

・橘川先生:情報交換。

・岩澤さん:図解ウェブのブラッシュアップ。

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夕刻から、品川キャンパスで大学院の授業の7回目。

文藝春秋『2018年の論点』の論文を題材に図解演習と3分間の発表。

富山和彦「医療、自動社、、シリアスな産業がデジタル革命の主役に」。佐藤優「教育の大改革 新時代に必要なスペックとは?」。後藤謙次「チルドレンはいらない 政治家に競争原理を導入せよ」。所功「新元号はいかにして決定されるか」。飯田将史「戦前の日米関係と酷似 米中衝突はあるのか」。橘玲「国家を超える!? 電子貨幣ビットコインの可能性と弱点」。岩下直行「フィンテックは金融ビジネスを根底から変える」。井上久男「すべてのクルマがEVになる日はくるか」。牧野知弘「民泊ビジネスは地方でこそ推進せよ」。落合陽一「誰が生き残るか?AI時代の起業に必要な条件」。草笛一郎「年間150日休むドイツ人の働き方」。橋田壽賀子「92歳の私が安楽死を考える理由」。外岡潤「超高齢社会 認知症者が主役の制度に改めよ」。河崎貴一「世界も注目する知られざる日本の食材」。喜連川優「桁違いの巨大データベース競争 鍵を握るのは超高速データベース技術だ」。西田宗千佳「何が来るか?スマートフォンの次の時代」。森健「2012年 大学入試はここまで変わる」。北野新太「天才棋士藤井聡太四段 最年少タイトル獲得なるか>」

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以下、受講生の感想から。

・ 本日の私のテーマは、超高齢社会における<認知症者が主役>の制度に改めよ、の論説を読んで図解にまとめ3分で発表することでした。本日の新しい試みは、3分で発表できるように図解でまとめることでした。まず論説を読みながらキーワードと重要な短い節文にラインを引き、それを本題に対する問題点と対策にわけ、図解しました。まず中心に認知症者を置き、その周囲に3つの問題点とその対策、解決案をカラー分けして図解し、聴いていただく方たちに一目でわかるようにしました。今回は3分の制約のためできるだけ簡単にまとめることに主眼を置きました。

・ ・読みながら構造化し、図解へ。 ・言いたいことを選ぶ。 ・インプットとそこから作るストーリー。今回は読みながら図解のイメージができたので、書きながら気になる部分を考えることができました。結果、いろいろと気になる部分があり、これが自分の考えとの相違点や質問ポイントになるということが感じられました。

・今日はあるジャーナリストの政治家に対する提言をまとめました。前回より時間がかからずに図解にするとこはできたが、構想力がいまひとつ、流れで書いてしまっているので、もう少し大枠でどう捉えるか考えられるといいと感じました。
まずは、構想、そこから関係をつなぐ。全体像が浮かぶかどうか。全部を言わない、どれを選ぶか。本質が見える。これらを意識してすこしでも図解を自分のものにしたいと思います。

・キーワードを書き出す前に、大枠を捉え、全体の構成を考えたうえで、図解を書き始めることで、話の繋がりが分かりやすくなるなと感じました。また構成を考える中で、主張したいことに合致しない情報を除いていくことも、大事だと理解しました。

・文書を図解にする際に文章全体の構造をイメージすることが重要であることが経験できました。また、どのKey Wordを中心にして図解を作成するかで図の形を変えられることも経験出来ました。

・前回数字からインサイトを読み解いて更に図解で説明するというハードルの高い課題に取り組んだが、今回は文章からということで、全体の構造を掴みやすかった。テーマは2020年の教育改革で求められるスペックと言うタイトルだったが先生のコメントにもあったように求められるスペックである、文章を読み解いて理解して正しく伝えるという力は正に図解そのものであると同感した。図を使いながらストーリー性を持って伝える時にビジュアルは聞き手と共同化する為の最良のツールである。あと限られた時間内でポイントを伝える事も重要な要素であり、大きな流れと結論を先に話して聞き手の理解度を確認しながら詳細に入るというアプローチを取る事でプレゼンのコントロールが出来ると感じた。またメタファになっている部分などをイラストにする事で図が柔らかくなりイメージの共有が更に深まると考える。

・文章を読むと図が浮かび上がってくる」まさに理想的な状態だと感じました。私はまだそこまでは至りませんが仕事に関する資料や論文などを図解していくクセをつけたいと思います。「文章から何を選ぶか」これも本質的な言葉だと思いました。今までは矢印の使い方など、いかにキレイな図解を作れるかに主眼が向いていました。しかしそれは図解のスキルのほんの一部であり、その前段や周辺にもっと大切なスキルがあることを改めて感じました。

・期待して読みましたが、図示化により精読することになり、かなり粗が見えて残念な結果になりました。ちょうどこの分野での起業準備を半年以上かけて行っており、ベース知識があるので尚更でした。人に読んでもらうということは購入費用と時間を使ってもらうということなので、自分がその立場になった時はきちんと準備して見合った結果を生み出せるようにしようと思いました。

・今回、米中衝突はあるのか、というテーマで、防衛省職員の文章を扱いました。私は今回、筆者が言いたいことと、その論拠を抽出して、繋げてまとめました。理由は、枝葉でしかない話が結構あり、筆者の結論とは直接、結び付かないと思ったからです。分解して繋げてみると、筆者の主張として、今後少なくとも10年は米中摩擦は続く、としているのに、肝心の貿易摩擦には触れていませんでした。防衛省職員だから経済産業省所管の内容に触れていない訳ですが、誰がどの立場で主張しているのかを図解しながら特定して行くと、主張のベクトルの矢印も識別できて、発表時間の短縮にも繋がると思いました。

・文字を大きく書く事で端的になることを目指した。わかりやすさとは細かいことを言わないことでもあると考えました。何を選ぶか?尖らせるか?

・今回の授業は比較的図を作成しやすかった方だと思います。そこで感じたのはストーリーがしっかりしている文章は図に表現しやすいということです。バラバラのパーツを組み立ていかにストーリーとして展開して行くか。そこに図で伝える真の能力が隠れていると感じました。授業中にも述べましたが、話の本質はなんなのか、全体的に何が言いたいのかを意識して身の回りの文章や話について意識するようになりました。

 

以下、留学生。

・今回私は「すべてのクルマがEVになる日はくるか」というルール戦略の国際情勢の図解を担当しました。キーワードを丸して、その中で一番重要主语から柱を捉え、主要なキーワーだが梁を左右を作用的に考えて枠を立て、矢を主张が現れて、図解が出来だ、図解をかけて、当今世界の企業潮流と ルール戦略変化の根を勉強になりましたどころが、文を理解するが一番の大切ですけど、日本語が勉強不足の私がだいぶ時間が文の中カタカナを調べる事にかかります、わかりにくい図解を出しました。先生とcopy担当先輩に迷惑をかけましたから、申仕訳ございません。短く時間割りで文のよく理解出来るようにbusiness school 留学生として、日本語を上達する、経済、newsを敏感的に関心を持つが一番大切な事と実感しました。

 ・私のテーマは天才棋士藤井聡太です。棋士について結構難しいから、理解できるように、何回も読みました。文章の内容が理解できて、レジュメが書けるようになります。又、勉強になります。ありがとうございます

 ・セミナーの収穫が大きかった日です。わたしのテーマはビットコインでした。実は、ITに関することはちょっと苦手です。理論などは分からないところがいっぱい。今後も関連する本を見た方がいいと思いました。 また、今日の3分の発表はギリギリでした。

・図解を何回して、今日、新しい感想ができました。前回より、ポイントを指摘する能力でも、ポイントを組み合わせる能力でも、全部高まってきました。さらに、質問を考える時でも、理路がもっと整然になりました。

・今回は、ドイツと日本の働き方の比較図です。GDPが近いが、実際こんなに差があることが初めて知りました。毎回練習して、最初より良い図表を作れるようになったと気がします。矢印とキーワードの接続や、全体図の表示方などいろんな図表の描き方を勉強しました。

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「名言との対話(平成命日編)」 劉暁波「私には敵はいない」

 劉 暁波(りゅう ぎょうは、リウ・シャオポー、1955年12月28日 - 2017年7月13日)は、中華人民共和国著作家。元北京師範大学文学部講師。民主化運動を始め広範な人権活動に参加し、度々投獄された。2010年、ノーベル平和賞を受賞。

吉林省長春に生まれる。吉林大学卒業後、北京師範大学で修士号、北京師範大で教鞭。博士号を取得。ノルウェーオスロ大学、アメリカ・ハワイ大学コロンビア大学で講義や研究。帰国し1989年の胡耀邦元総書記の死をきっかけとしたデモ隊を中国人民解放軍が鎮圧し多数の死傷者を出した「天安門事件」に関係し、反革命罪で投獄される。以後、文筆活動を行うが、再投獄される。

冒頭の「私は敵はいない」は、2009年、国家政権転覆扇動罪で懲役11年の判決の前の最後の陳述のタイトルである。これは獄中にあり出席できなかった2010年のノーベル平和賞授賞式で代読され、人々に感銘を与えた。

「20年前にハンスト宣言で表明した『私に敵はいない、憎しみもない』という信念に変わりはない。私を監視し、逮捕し、尋問してきた警察、起訴した検察官、判決を下した裁判官はすべて私の敵ではない。監視や逮捕、起訴、判決は受け入れられないが、当局を代表して私を起訴した検察官の張栄革と潘雪晴も含め、あなた達の職業と人格を私は尊重する」。

「私は個人的な境遇を超越し、国家の発展と社会の変化を見据えて、最大の善意をもって政権からの敵意に向き合い、愛で憎しみを溶かしたい」

「私は望んでいる。私が中国で綿々と続いてきた「文字の獄」の最後の犠牲者となることを。そして今後、言論を理由に罪に問われる人が二度と現れないことを」

ノーベル平和賞を受賞が決まった時、獄中の劉は妻の劉霞に、 ノーベル平和賞は「天安門事件で犠牲になった人々の魂に贈られたものだ」と述べ、涙を流した。詩人画家写真家であるその劉霞は自宅軟禁状態にあったが、2018年7月10日、ドイツにむけて出国し、新たな展開があるだろう。

世界を震撼させた1989年の天安門事件からはもうすぐ30年になる。中国は1990年にはGDP世界10位であり、また日本の貿易相手国シェアはわずか3.5%っであった。現在ではGDPは日本の3倍近くで世界2位、日本の貿易相手国シェアは21.7%とトップになり、大国となった。

敵意はない、憎しみもない、愛で憎しみを溶かしたい、「文字の獄」の最後の犠牲者になりたい。この神のような心境を持つ劉暁波は、民主化運動の象徴として、今後も長く影響を与え続けるだろう。この人は死んだが、死んではいない。