「人生は何事をもなさぬにはあまりに長いが、何事かをなすにはあまりにも短い」

今日の収穫。

・人生は何事をもなさぬにはあまりに長いが、何事かをなすにはあまりにも短い。(中島敦

・歩みだけが重要である。歩みこそ、持続するものであって、目的地ではないからである。(サン・テグジュベリ)

・年齢とともに良くなるとか、悪くなるとかいうことではない。だんだんと自分らしくなっていくということなのだ。(ロバート・アンソニー

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・入試「質向上」ミーティング:杉田学部長・金入試委員長・宮地事務局長・久恒副学長。次は8月20日歴史認識と現状認識。

・T-Studioでの「名言との対話」の録画。ゲストは梅澤先生。座右の銘は「しなやかに」。

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「名言との対話」7月26日。板坂元「 頭は筋肉のようなもので、使わなければ退化する」

板坂 元(いたさか げん、1922年11月21日 - 2004年7月26日)は、日本の評論家日本文学者。近世文学専攻。

1957年、ケンブリッジ大学、そして1960年からはハーバード大学で日本語・日本文学を教えた。1985年に帰国。創価大学客員教授創価女子短期大学教授、同大副学長を務めた。

近世文学が専門であるが、50代からはアメリカ事情、日本文化論のほか、知的生活指南、セックス談義、文章入門など雑多な一般書を数多く著した。代表作の一つが、1973年の『考える技術・書く技術』だ。この本は話題になり、知的生産に関心のある人には必読書となった。私も熱心に読んだクチだ。

「何パーセントとか何分の一とか数字に直して考え、かつ表現することは、誤解を防ぐ上にも大事なことだ」

「ある社会なり時代が、なぜこういう本を要求するのか、という問題を考えるには、ベストセラーというものは、すばらしい資料となる」

1970年代から2000年近くまで、板坂は本を出し続ける。専門分野以外でも、アメリカをテーマとした多くの著書、『そして何を書くか、どう書くか』『知的仕事の技術 遊びの技術』『実年のための知的生活入門』『文房具が好きな人の本 選び、使い、楽しむコツ 私のこだわり方』『「人生」という時間の過ごし方』『男だけの愉しみ』などが記憶にある。「苦しくても腹立たしくても、顔色ひとつ変えないで別れるのがダンディーの道だ」などの言葉が踊る男女の機微に触れたものもあり、多くのファンがついていた。板坂が言うように、ベストセラーは時代の鏡である。時代の中心をめがけて著者や編集者は、本を編み、矢を放つのだ。

頭の筋肉を鍛え、思考の筋肉を強化する。このテーマは、板坂のベストセラーから半世紀ほど経ってAI時代が到来しつつある今日においても、人間にとって永遠の課題だ。板坂は「考える・書く」、それを技術であると定義した。誰もが一定の訓練であるレベルに達するのが技術だ。そして毎日繰り返し、頭に負荷をかけ続けよ、というメッセージだ。今の私がこのテーマで本を書くなら、「よむ技術・考える技術・かく技術」となるだろうか。 

考える技術・書く技術 (講談社現代新書)

考える技術・書く技術 (講談社現代新書)