8月の大学院教授会(品川)

12時から品川で大学院教授会。

・審議事項:秋修了者最終試験評価。成績優秀論文。専任教員採用告知。カリキュラム。入試追加募集。授業料減免。

・報告事項:教務。研究活性化。入試広報。院生。教員FD勉強会。教職員SD研修。秋季学位授与式・入学式。

終了後、徳岡研究科長と瀧川課長:人事。インターンシップ

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水道橋の東京ドームシティのギャラリーアーモで開催中の「未来のミライ展--時を越える細田守の世界」をみてきた。

体感型展示・体感型テクノロジー、原画・背景美術などを通じて楽しめる企画展。「時をかける少女」「サマーウオーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」などについての展示で、細田守の世界が再現されている。

以下を購入。『細田守 ミライをひらく 創作のひみつ』(松嶋雅人)。『細田守の世界』(氷川竜介)。

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帰宅後:テレビに細田守本人がでていた。

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「名言との対話」8月11日。両角良彦「有能と有徳ははっきりと別物である」

両角 良彦(もろずみ よしひこ、1919年10月4日 - 2017年8月11日)は、日本官僚通商産業事務次官ナポレオン研究家。

1941年、商工省に入省。1971年、第3次佐藤内閣時代に通産事務次官に就任。1975年、電源開発総裁、 1983年5月までつとめた。「(経済)統制は必ず自己増殖を遂げ、手に負えなくなる怪物である」とする両角は、城山三郎の小説「官僚たちの夏」に「西洋カミソリ」のあだ名で登場している。

「行動人として思索し、思索人として行動せよ」が座右の銘であった。 理性と行動のフィードバックの利くところにこそ本来の人間の面目があるはずという考えである。

この人の仕事師としての有能さには疑いはないが、一方で個人としては英雄ナポレオンの研究者であったことが特筆される。激務をこなしながら、コツコツとライフワークにも没頭した点に私は尊敬と共感をおぼえる。

1981年の日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した『1812年の雪 モスクワからの敗走』(筑摩書房 1980 のち講談社文庫、朝日選書)以降、『東方の夢 ボナパルトエジプトへ征く』(講談社 1982 のち文庫、朝日選書)、『セント・ヘレナ抄 ナポレオン遠島始末』(講談社 1985 のち朝日選書)、『反ナポレオン考』(朝日選書 1991)のナポレオン4部作を上梓している。

今回私は『反ナポレオン考』を手にした。アレクサンダー大王カエサルと並ぶ人類史上突出した天才・ナポレオンは、複雑な知識人でもあった。その人間像を立体的に描いた労作である。「有能と有徳ははっきりと別物である」と断定する両角は、ナポレオンを「エゴセントリズム(自己中心)、「異常心理(無感動)」、「病的症候群」(数々の持病)と分析し、心身の変調が、自己肥大、巨大願望になり、狂気を帯びるまでになったとしている。

第一執政ナポレオンが1800年にモロウ将軍に宛てた書簡の中で「偉大さが輝きを放つのは、回想においてか、想像においてのみである」との見解は、ナポレオン自身にもあてはまる。確かに才人を立派な人間であると思いこむ志向は危険なことだ。両角良彦は、ライフワークであるナポレオン研究から得たこの教訓を念頭に置いて、他人を見、そして自分を確かめながら、日本経済の舵取りにあたったに違いない。 

反ナポレオン考 (朝日選書)

反ナポレオン考 (朝日選書)