センター試験二日目。

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二日とも私の役目は、冒頭のあいさつ。

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「名言との対話」1月20日柴田トヨ「人にやさしくする。そして、やさしくしてもらったら忘れない。これが百年の人生で学んだことです」

柴田 トヨ(しばた トヨ、1911年明治44年6月26日 - 2013年(平成25年)1月20日)は、日本の詩人 

裕福な米穀商の一人娘だったが、10代の頃に家が傾き、料理屋などに奉公に出る。33歳で結婚し、翌年男児が誕生。90歳を過ぎてから詩作を始め、新聞に投稿を続ける。2010年に詩集『くじけないで』を上梓しベストセラーになる。韓国、台湾、オランダ、イタリアスペインでも翻訳出版されている。

70歳を過ぎてから踊りを習う。何かを始めたら、人に教えられるくらいまでやる。「何かをつかんだら、一生懸命やる。それが私なんだ」。

人生の浮き沈みが激しいが、トヨの載った船はひっくり返らない。無事に過ごしてこれたのは「何でも一生懸命にやる質(たち)だったからかも知れません」と誠実に生きることが大事だと述懐している。

百歳で出した第二詩集『百歳』は、「詩とファンタジー」「産経新聞」「ESSE」「いきいき」「サライ」などに掲載された詩をまとめたもので、今回じっくりと読み込んでみた。トヨの詩は「しまいのところ」でひとくくりつけるようになっている。しなやかな心から吹く風はあたたかい。

「やさしさ」という詩では「真実のやさしさ 手料理を いただかせてください」、「流行」では「思いやりの症状が まんえんすればいい」、「頁(ページ)」では「あと一頁と少しで百頁 鮮やかな色が 待ってるかしら」、「競馬」では「始めはビリでも やれば一番になれる 貴方だって きっと出来るわ」、「思い出Ⅲ」では「あれから六十年 今は一人の生活 でも私には 思い出がある」、「倅にⅣ」では「さあ 笑顔を見せて」、「がまぐち」では「お金は貯まらなかったけれど やさしさは 今でもたくさん入っている」、「百歳」では「百歳のゴールを 胸を張って駆け抜けよう」、「自分にⅡ」では「さぁ 顔をあげて 空を見ましょう」。

埼玉県警に「振り込め詐欺防止ポスター」への言葉を頼まれている。「振り込め詐欺犯さんに」では「弱い人たちを 苦しめないで その知恵を 良い事に使ってください」、「貴方にー振り込め詐欺事件、被害者の方に」では「貴方には 貴方を心配してくれる 家族が居るじゃ ありませんか ねえきっと いい風が吹きてきますよ」。

産経新聞と読売新聞には3・11の被災者に向けて詩を書いている。最後は「朝はかならずやってきます くじけないで!」と「不幸の津波には 負けないで」だ。

2013年11月に柴田トヨの半生を描いた映画『くじけないで』が公開された。トヨ役は、八千草薫檀れい(若い頃)、芦田愛菜(幼少時)が演じている。

 90歳を過ぎてから詩作を始め、98歳で処女歌集が150万部を超える大ベストセラーとなり、引っ張りだこになり、2011年に100歳で第二詩集『百歳』を刊行し、同年101歳で亡くなる。この人ほど遅咲きの人はいない。その人のやさしい言葉が困難を抱え苦しむ人たちの心に届いたのだ。

「あふれるような気持ちを詩にして、人生の終わりに花を咲かせることができました」。人生の最後に大きな花を咲かせた柴田トヨは、百年の人生で培ったやさしい心を、やさしい言葉で語り多くの人を励ました人だ。

 

百歳

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