ポッドキャスト『ビジネスに活かす 偉人の名言』の4月分を収録。城山三郎、村野四郎、内村鑑三、リー・クアンユー。

 

午前:学部運営員会。

午後

・できあがった「多摩大時代の総決算」を教員全員に配布。

・「こえラボ」の岡田さんと「ビジネスに活かす 偉人の名言」4月分収録。2時間半。

城山三郎「静かに行くものは健やかに行く。健やかに行くものは遠くまで行く」。村野四郎「私は、はじめから、文学というものは実業による経済的な防波堤の内側で」なすべきものと決めていた」。内村鑑三「何人にも遺すことのできる本当の最大遺物は何であるか、それは勇ましい高尚なる生涯である」。リー・クアンユー「資源が何もないことが、ここまできた秘密なんです」。

夜:会議のため荻窪

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今日の収穫:100年時代を生きるヒント。

・還暦60.古稀70.喜寿77.傘寿。米寿80.卒寿90.国寿92.櫛寿94.白寿99.百寿100.茶寿108.王寿111.天寿120.(フェイスブックへの投稿から)。

・『百歳を生きる処方箋』(石川恭三・河出書房新社)。83歳の現役内科医が著者。高齢者の認知症予防と体力維持のため、5つの習慣を提唱している。「一読、十笑、百吸、千字、万歩」。一日1回はまとまった文章を読む、10回は声を出して笑う、100回は深呼吸(1度10回)、1000文字を書く、1万歩歩く」。(日刊ゲンダイ190320)。

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「名言との対話」3月20日。草森伸一「「本にはね、人間の霊魂が、ぎっしりつまっているんだよ」

草森 紳一(くさもり しんいち、1938年2月23日 - 2008年3月20日)は、日本の評論家

慶應義塾大学中国文学科卒業。3年間の「婦人画報」の編集者を経て、恩師の紹介で慶應の斯道文庫に勤める。そして文筆家となる。写真、マンガ、広告、デザイン、建築、美術、そして幕末、李賀(詩人)など多岐にわたるジャンルで博覧強記の書き手として知られた人物である。

1973年、『江戸のデザイン』で毎日出版文化賞。『ナンセンスの練習』『円の冒険』『絶対の宣伝 ナチスプロパガンダ』『歳三の写真』『荷風永代橋』など多数の著書がある。

2008年に大量の蔵書を残して死去。亡くなってから10日後に3万2千冊の書物の山塊のかなたから遺体が発見された。未完の原稿も多くあり、没後の著作の刊行が続き、2018年11月発刊の『本が崩れる』で19冊目となる。

この本は、本があふれて崩れ、風呂場に閉じ込められた時の脱出記から始まる。「本はなぜ増えるのか。買うからである」という項では、趣味の読書ならこうは増えない、「物書き」という仕事だから増えると語る。伝記に手を出すと破産しますよ、との忠告を副島種臣の孫から脅かされてもいる。

この人は20代は布団の中で書いた。30代、40代は喫茶店、50代は、資料もの中心となったので自宅の座卓のマージャンテーブルで仕事をするようになる。古本屋巡りよりも確実な通信販売書目で本を買うようになる。

谷崎潤一郎と同じく、本棚を人に見らえるのはいやな気分だと書いているが、家賃収入14万2千円の永代橋の2LDKのマンションの部屋は狭いので、しかたなく居直っている。訪ねてくる人は「また本が増えましたね」と必ずいう。また北海道の実家の庭には高さ9mの白い書庫が建っている。1階が書斎、最上階近くに寝室という造りである。

「本にはね、人間の霊魂が、ぎっしりつまっているんだよ」という精霊説は、誰もが納得するという。無数の人間の精気が吸いとられた書庫や図書館はエネルギーの巣である。積ん読の効用は、安らぎの獲得である。最近私も自宅の書斎に自分の気に入った、自分を創ってきたと思われる本を見えるように並べてみたが、その本たちが語りかけているような気持になり、ふと心が安らぐ感じがある。本は読まなくていいのだ。「積ん読」でいい。本に囲まれているだけで安らぎを感じるだけでいい。草森の蔵書は帯広大谷短大に寄贈されて、故郷で優雅に老後を送っているそうだ。 

随筆-本が崩れる (中公文庫)

随筆-本が崩れる (中公文庫)