朝、「事業構想論」で講義。昼、多摩大総研。午後、リレー講座は寺島学長「世界の構造変化と日本の今」。夕刻、スポーツクラブ。

松本先生の「事業構想論」のゲスト講師として登壇。

「事業構想とは何か」、をテーマに40分ほどの講義。大教室だったが、静かに聴いてもらった。

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昼休み:多摩大総研の所長、副所長ミーティング。松本、長嶋の両先生と情報交換。

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・知研の高橋さん来訪。

・学長と懇談:考えている企画を説明。「これはいい。コンテンツ。スポンサー。観光。、、、。」と賛同してもらった。

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 2019年度春学期リレー講座。寺島実郎「世界の構造変化と日本の今」

(12年目。264回。14万860人・一般628名。学生250名、計878名で最高。一般のうち230名は九段・品川・湘南でライブヴューイング)

  • 時代認識(今を知ること。現象から構造へ)。知の再武装(100歳人生・ジェロントロジー。40代が大変。資産形成なし、成功体験なし)。全体知(インテグリティ)。全体観、世界観。
  • IMFの世界経済の見通し:17年、18年の世界同時好況から、2019年の予測3.3%と減速基調。「変調」。米国「株価は2017年は24%上昇、2018年は乱高下。長期金利3%を超えると新興国不安。2014年以来政策金利を段階的に上げてきた」。日本「ジャパンリスク。出口が見えない。リーマンショック以降は0.7%成長だった。景気後退時に手が打てない。日本は低迷」
  • 平成30年の総括:世界GDP比「1988年には日本16%(日本以外のアジア6%)。2018年には日本6、アジア23%」。時価総額「1989年世界上位50社に日本企業は32社。2019年はトヨタ一社のみ。埋没した30年だった。
  • 冷戦後の70年:IT革命と金融革命。IT革命「コンピュタとインターネットの進化。軍事技術の民生転換。進化は分散・開放系に向かった。日本「日本のインターネットは1995年ー1996年に登場。工業生産力モデルの優等生から劣後。IT革命の進行に遅れた。脳力・地頭も劣化。金融革命「フリードマン新自由主義レーガンサッチャー時代で変化。ジャンクボンドの帝王・マイケル・ミルケン(ベンチャーに資金供給)。ヘッジファンドの帝王・ジョージ・ソロス金融工学の発展)。サブプライムローンの破綻、ハイイールド債がやばい。悪知恵の資本主義」。日本「改革幻想。政治改革は選挙制度改革に終わり政治家は減らなかった。行政改革は省庁再編に終わった。郵政民営化は郵便局の役割が無くなり地方低迷の一因。現状は目線が低く内向きの改革疲れにある。
  • 米国GAFA4兆ドル(440兆円)・中国テンセント・アリババ0.9兆ドル(100兆円)の時価総額トヨタ22兆・ソフトバンク11兆。アップル・グーグルは一社でトヨタの4-5倍、ソフトバンクの10倍。渋谷の東急プラザはグーグル。二子玉川楽天。2019年の株価時価総額トヨタ21.9兆・ソフトバンク11.3・NTTドコモ9.8。ユニクロ5.5、東京ディズニーランド4.4、日立3.2、新日鉄1.9、東レ1.3という現状」。日本株は高くない、しかも株価は公的資金によって支えられている。日本はプラットフォーマーズを創り出すことはできなかった。

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自宅に戻ってスポーツクラブで2時間ほどトレーニング。ストレッチ、ウオーキング筋肉トレーニングウオーキング、ストレッチ、スイミング、ジャグジー、お風呂、というフルコース。そのまま家内と外で食事。

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「名言との対話」4月18日。高橋荒太郎「会社を訪問したらトイレを見る。トイレが汚かったら、取引はしない」

高橋荒太郎(1903年10月19日ーー2003年年4月18日)は、昭和期の実業家 。

香川県小豆島出身。小学校卒業後、商店で丁稚として働きながら神戸商業補習学校を卒業。朝日乾電池に入社。同社常務を務めたのち、提携先の松下電器に移る。専務、副社長、会長などを務めた。松下幸之助の片腕として活躍し、「松下電器の大番頭」と呼ばれた。

1979年刊行の高橋荒太郎『松下幸之助に学んだものーー人をつくる事業経営』を読んだ。以下、高橋荒太郎の仕事哲学を紹介する。

・ 事業というものは、困難の瀬戸際に立った時、その拠りどころをしっかりとつかんでないと、どうしても迷いを生じ、腰がくだけてしまう。

・仕事というものは、部下を信じて独創力と責任感に任せない限り、大仕事はできない。

・野望は持たずに、些細なことでも、与えられた仕事に全力を尽くしやりとげることに専念するのがポリシーだった。

この本にはオビで松下幸之助本人の言葉が写真付きで記されている。見出しは「高橋顧問に改めて敬服」となっており、「私の意を素直に汲み取り、私以上の真剣さで経営に取り組む姿に、逆に教えられることが多かったのである」と書いてある。

 高橋荒太郎は経営方針や基本方針を常に語ることの重要性も説いている。一度聞いただけでは深く理解できないからだ。何回も、何十回も聞いているうちに、理解が少しづつ進んでくることは私自身も経験している。環境や状況は常に変化し、聞く方の問題意識も変わる。その都度、腑に落ちる部分が違う。思い当たる深さが違う。だから、経営者は理念や方針を熱をもって語り続けることが大事なのだ。その前提として、理念や方針は考え抜かれたものでなくてはならないことは当然だ。組織はそれを拠りどころとして荒波を乗り越えていくのである。

高橋荒太郎を尊敬している、小豆島ヘルシーランド株式会社の創業者、柳生好彦さんから、数年前に小豆島を訪問した折にこの「トイレ」の話は直接聞いている。この企業もトイレをきれいにしてあったことで、高橋の知遇を得たのである。 

松下幸之助に学んだもの―人をつくる事業経営 (1979年)

松下幸之助に学んだもの―人をつくる事業経営 (1979年)