午前は松江で講演「地方都市の活性化を考える」。午後は安来の足立美術館(庭園日本一)で庭と絵を堪能。

10時から、知研宮島イン松江で講演。中村茶舗のりっぱな蔵。 

テーマは、「地方都市の活性化を考える」。

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終了後、レンタカーを借りて足立美術館へ向かう。40分で到着。

16年連続で日本一の庭園ランキングで桂離宮などを抑えて連続16年日本一に認定されている。

銅像は「庭園もまた一幅の絵画である」との信念のもと、庭づくりと絵画収集に

挑んだ足立全康。

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 大観美術館の異名のある美術館。

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美人画」が印象に残った。

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5万坪の日本庭園。f:id:k-hisatune:20190804211854j:image

日本画横山大観コレクションがいい。陶芸は、地元安来の河井寛次郎北大路魯山人のコーナー。開館50周年の2020年4月には魯山人館が開館する。

魯山人

・益友を持つこと、座右の書物、道具、調度もまた益友の一人である。座右にいいものを置くように心がける。

・人間なんで修業するのも同じことだろうが、自分の好きな道で修業できるくらいありがたいことはない。

・仰いでは宇宙に字を書け。伏しては砂上に字を習え。毛筆を持って紙上に習うのみが、習書の法ではない。

・三百年前の茶碗が作りたければ、千年前の美術が解らな畔はかなわぬものである。

寛次郎

・手考足思

・私は木の中にいる。石に中にいる。鉄や真鍮の中にもいる。人の中にもいる。一度も見たことのない私が沢山いる。始終こんな私はだしてくれとせがむ。私はそれを掘り起したい。出してやりたい。

 

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足立美術館の庭園』と『庭園日本一 足立美術館をつくった男』を購入。自伝は岡山までの電車の中で読了した。美に散り疲れた」男の笑いと涙の痛快一代記だ。

庭園日本一 足立美術館をつくった男

庭園日本一 足立美術館をつくった男

 

 松江から特急やくもで2時間半かかって岡山に到着。「いきなりステーキ」で肉を食べる。

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「名言との対話」8月4日。飯田経夫「ほとんど『飽食』にも等しい『豊かさ』に満足感・幸福感を満喫しつつも、前途に対して抱く漠然たる不安感は、ひところよりもずいぶん大きいのでではないだろうか」

飯田 経夫(いいだ つねお、1932年9月27日 - 2003年8月4日)は、日本の経済学者。

名古屋大学経済学部卒業。名大経済学部教授を経て、1989年国際日本文化研究センター教授などを歴任。この間、1987年から1988年にかけては名大経済学部長を務め、インドネシア国家開発企画庁のアドバイザーとして、第2次経済開発5カ年計画作成に協力。大平内閣の政策ブレーンとして各種審議会の委員なども務めた。1980年「高い自己調整力をもつ日本経済」で、第1回石橋湛山賞を受賞。1998年には紫綬褒章を受けた。「地に足のついたエコノミスト」と評され、「ヒラの人たちの頑張り」に代表される日本社会に、安易にアメリカ流経済を持ち込むことに批判的で、身近な経済問題をとおして、日本経済を論じた著作はビジネスマンにも多くの読者を生んだ。ビジネスマン時代の若き私もファンの一人だった。私とも若干の縁があった労働経済学の名大の小池和男教授の「日本型熟練」の評価などにも通じる日本人に勇気を与える異色のスター学者だった。

主な著書に、『「豊かさ」とは何か』『「豊かさ」のあとに』(以上、講談社現代新書)『成熟社会の行方』(筑摩書房)『経済学誕生』(ちくま学芸文庫)『アメリカの言いなりは、もうやめよ』(講談社)『日本の反省』『経済学の終わり』(以上、PHP新書)などがある。以下、当時の私も夢中になって読んだ本をあげる。

『「豊かさ」とは何か』(講談社現代新書)の紹介文をみよう。 「日本は遅れている」というマゾヒズムはもうやめにしたい。先進諸国では「失業と飢えの恐怖」がなくなるや、人々は働かず文句ばかりいうようになった。こうした産業社会の病理=先進国病を、日本は免れうるか。「豊かさ」を支える日本人の活力を自助努力の精神と真面目さにさぐり、内外の情勢の中に日本の進路を位置づけた。日本人の常識をくつがえす異色の経済社会論。
『人間にとって経済とは何か』 (PHP新書)の紹介文は、「本書は、経済学の存在理由を根本から考え直し、日本の構造改革をはじめ、アメリカ型「グローバルスタンダード」が果たして正しいものなのか、冷静に問い直す」である。

「知的生産の技術」研究会で講師として登場願ったとき、「飯田経夫の飯田経済学診断」というタイトルはどうかと提案したら「それは勘弁してください」と言われ、無難のものになったことがある。やはり当日の講演はすばらしかった。

飯田経夫は、当時の人々が感じている幸福感と前途への漠然たる不安感が同時に存在する状況を語っているのだが、この延長線上に現在の日本があるのではないか。違いは漠然たる不安が未来への形のある不安に深化していることだ。