音声講座「ビジネスに活かす偉人の名言」50本が完成

 「こえラボ」の岡田社長に励まされて、2019年の1年でポッドキャストでの毎週1本の音声講座50本(30分)の放送が終わり、12月をもって完結した。インタビュー形式なので、語る内容が広く、深くなった感がある。大事な財産になった。さて、これをどう使おうか? 紹介の音声を聞けます。https://meigen.koelab.net/

以下、音声講座説明。

「生活に深く影響を与える人、幅広い人に影響を与える人、世代を超え長く影響を与える人、このように影響力を与える人を「偉人」と考えています。そして、このような偉人は良い言葉を残しています。偉人からは職業観、仕事観、人生観、死生観について深く影響を受けているものです。音声講座「ビジネスに活かす偉人の名言」は多摩大学久恒啓一これまで多くの偉人に接してきた中で培った経験を生かして、偉人の名言をビジネスに活かすためのポイントをお伝えいたします。ビジネスには、事業や仕事という意味があります。事業をおこしたい、仕事を充実させたい、人生を意味あるものにしたい。そんな前向きな考えを持ったビジネスパーソンのための講座を開始いたしました。この変化の激しい時代だからこそ、偉人の名言から学ぶことが多いと感じています。過去を学ぶことにより、現代でも活かせるポイントをわかりやすく伝えていきます。約30分の音声講座で、主に下記の内容をお伝えしています。偉人の人物紹介。偉人の名言の解説。ビジネスに活かすヒント・偉人にまつわる書籍や偉人館のご紹介」

取り上げた人物のリスト。

1月:塚本幸一(ワコール創業者)。浪越徳次郎(指圧療法創始者)。鬼塚喜八郎(アシックス創業者)。笹崎龍雄(サイボクハム創業者)。

2月:秋山真之(海軍軍人)。山本周五郎(小説家)。安藤百福日清食品創業者)。

3月:手塚治虫(漫画家)。斎藤茂吉歌人)。勝海舟(政治家)。本多静六(林学博士)。

4月:小林一三(阪急東宝グループ創業者)。村野四郎(詩人)。内村鑑三キリスト教思想家)。城山三郎(小説家)。リー・クアンユー(政治家)。

5月:後藤新平(政治家)。朝倉文夫(彫刻家)。扇谷正造(ジャーナリスト)。竹内均(地球物理学者)。

6月:寺山修司(劇作家)。与謝野晶子歌人)。ダ・ヴィンチ(芸術家)。池波正太郎(小説家)。

7月:亀倉雄策(グラフィックデザイナー)。宇野千代(小説家)。佐藤栄作(政治家)。小倉昌男(ヤマト創業者)。北里柴三郎(医学者)。

8月:梅棹忠夫(人類学者)。鈴木大拙(禅学者)。中野孝次(作家)。江藤淳(文芸評論家)。ヘミングウェイ(作家)。

9月:阿久悠(作詞家)。坂本九(歌手)。山口瞳(作家)。浜口雄幸(政治家)。

10月:湯川秀樹(物理学者)。徳富蘆花(小説家)。西郷隆盛(政治家)。遠藤周作(小説家)。

11月:三浦綾子(小説家)。渡辺崋山蘭学者)。石坂洋次郎(小説家)。新渡戸稲造(思想家)。

12月:渋沢栄一(実業家)、白洲次郎(政治家)。坂本龍馬(政治家)。トルストイ(小説家)。

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クリスマス・イブは、首都大学東京のレストランでコンサート。

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金子みすゞブラームスシューマンショパンドビュッシーラヴェル

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 「名言との対話」12月24日。サミュエル・フィリップス・ハンティントン「人間が共通してもっているのは、「共通の文化への傾倒よりも、むしろ共通の敵(もしくは悪)の自覚」である」

サミュエル・フィリップス・ハンティントン(Samuel Phillips Huntington、1927年4月18日 - 2008年12月24日)は、アメリカ合衆国国際政治学者

 コロンビア大学戦争と平和」研究所副所長を経てハーバード大学教授。1986年から1987年まで、アメリカ政治学会会長を務めた。23歳から2007年までの58年間、ハーバード大学で教鞭をとった。1976年から始まったカーター政権下で1977-78年、国家安全保障会議NSC)の安保政策調整官を務めた。

1996年刊行の名著『文明の衝突』の原題は「文明化の衝突と世界秩序の再創造」である。米ソ冷戦が終了した世界においては、イデオロギーによる対立ではなく、異なる文明化が進行中の地域同士の断層線で紛争が激化すると予測した。ハンチントンによれば、世界の主要文明は、西欧文明以外に、中華文明(中国。儒教)、ヒンドゥ文明(インド。ヒンドゥ教)、イアスラム文明(イスラム教)、日本文明(神道)、東方正教文明(ロシア。正教)、ラテンアメリカ文明(カトリック)の7つの主要文明と、その候補のアフリカ文明があるとした。日本文明については、「日本は家族を持たない文明である」と言い、2世紀から5世紀において中華文明から独立した日本一国のみで成立した孤立文明としている。

深刻な脅威は主要文明間の宗教や文化を含む、民族が中心の文明の衝突であり、不干渉と共同調停のルールを構築することが平和の条件として、話題を呼んだ衝撃の書だ。この本は世界39の言語に翻訳されて世界中に影響を及ぼしている。ハンチントンがこの本を書いてから、20年以上が経った。予言通り、自由主義陣営が社会主義陣営に勝利した後も、世界中で絶え間なく起こっている大小さまざまの紛争をわれわれは目撃している。

ハンチントン理論によれば、「イデオロギーでは分裂していても文化が共通する国々は統合される」から、一つの文明圏や国ではイデオロギーの対立よりも、文化や宗教を基盤とする文明意識が優先することになる。

文明の衝突とはグローバルな広がりをもった種族間の紛争」であり、人間が共通してもっているのは、「共通の文化への傾倒よりも、むしろ共通の敵(もしくは悪)の自覚」であるとハンチントンは洞察する。

われわれの文明は、敵や悪の存在で、自らを愛する感情が刺激される。国と国の戦争もオリンピックのようなスポーツも同じだ。敵をつくることによって劇薬である民族感情が刺激される。敵や悪は接触の多い文明の断層で目覚めるから、近隣諸国との関係は悪いのが普通だ。その自覚に立っても、ハンチントンのいう「異なる文明の内部への相互不干渉と、紛争調停のための文明共同のルール構築」は、現在の世界を眺めてみても難題であると感じる。しかし、それを追い求める以外に平和を維持する策はないのではないか。 

文明の衝突

文明の衝突