野田一夫先生と広尾のレストランで昼食ーーー「仕事。家族。友達。健康」

広尾の有栖川公園の広尾タワーズで野田先生と面会し、近くのレストランで昼食を摂る。秘書役の藤村さんも同席。「久恒啓一図解コミュニケーション全集」第一巻を贈呈し、第2巻の推薦文執筆を依頼した。

先生と私はビールを飲んでいるので、少し赤い。「仕事。家族。友達。健康」。93歳だが、すべて自前の歯で、悪い所はないとのこと。

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13時半:新橋の日本文化の学校「令和アカデミー倶楽部」で、渡辺幸弘さんにクラウドファンディングの対価の「全集」第一巻を贈呈。総合プロデューサーを引き受けている渡辺さんにビル内を案内してもらう。その後、倶楽部の神永さん、スターツ出版の舩坂さん、歌舞伎の中村橋吾さんに紹介される。「文明と文化」「文化の図解化」、、、。

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「名言との対話」キュリー・マリス「PCRを感染症の診断に使ってはならない」

キャリー・バンクス・マリス(Kary Banks Mullis, 1944年12月28日 - 2019年8月7日)は、アメリカ合衆国生化学者

ノース・カロライナ州生まれ。幼い頃に化学の楽しさに目覚め、さまざまな実験を繰り返した。シータス社の研究者時代に、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法を開発し、この功績で、日本国際賞も同時受賞している。そして1993年のノーベル化学賞を受賞した。

いい機会なので、 PCRの勉強を少ししてみよう。ポリメラーゼ連鎖反応polymerase chain reaction)とはDNAサンプルの特定領域を数百万〜数十億倍に増幅させる反応または技術のことである。英語表記の頭文字を取ってPCR、あるいは単純にPCRと呼ばれている。

PCR検査とは、 DNAポリメラーゼと呼ばれる酵素の働きを利用して、一連の温度変化のサイクルを経て任意の遺伝子領域やゲノム領域のコピーを指数関数的に増幅することで、少量のDNAサンプルから十分な量にまで増幅し検査する方法だ。医療分子生物学法医学などの分野で広く使用されている有用な技術で。細菌やウイルスによって引き起こされる感染症に対し、高感度で迅速な診断に役立っている。

今まさに、 新型コロナで連日「PCR」という言葉が流されているが、その開発者がこの人である。陽性反応者とはウイルスが体内に侵入したが感染には至っていない者、感染者とはウイルスが細胞内に侵入し増殖を始めた者、患者とは「感染」した者のうち各種の「症状」を発した者という定義となる。

病原体というのは常在性があり、人と共生している。病気の症状を引き起こすとは限らない。医療は本来、症状を観察して診断するものであり、確かめるために検査がある。先に検査から始まるのは問題がある。武漢でも病原体として特定されたわけではない。この検査を意図的に使われると、特定の人を合法的に隔離できるなど、危険で恐怖社会が到来する恐れもある。以上のような説を唱える人もある。だから、この開発者は「PCRを感染症の診断に使ってはならない」と遺言したのだ。皮肉なことだが、2019年8月に亡くなった直後に新型コロナ騒ぎが始まった。少し注意してニュースをみなければならないと感じた。火薬の発明者ノーベル、原爆の開発者たち、そしてPCRのマリスなど、人類の大発明者たちは、自分の業績がもたらす影響に懐疑的であったことは考えさせられる。

 さて、『マリス先生の奇想天外人生』という自伝がある。世紀の発見は、ガールフレンドとのドライブ・デート中のひらめきから生まれたものだ。また、幼少期から繰り返した危険な実験の数々、LSDのトリップ体験。毒グモとの死闘、宇宙人との遭遇、結婚を4回繰り返した無類の女性好き、サーフィン狂、、、、。ノーベル賞受賞時にサーフィンをしていて「サーファーが受賞」と書かれたり、受章直前にいたづらで逮捕されそうになる、スウェーデン皇后とのやりとり、美智子妃殿下とのフランクな会話など、エピソードが満載だそうだ。この自伝はぜひ読みたい。