26日(土)の日本経済新聞の「全集」の広告第2弾。
アマゾンに3つの書評が掲載された。
そこで登場したのが図解である。図解にすることであらゆる問題を解決できる。その方法論を惜しげもなく開示した本がこの「図解コミュニケーション全集」である。図解を利用することで遺憾なく発想力、企画力、実務力、問題解決力が発揮できる。例えば人生を時間軸で図解する。事務工程を図解する。文化の違いと特徴を比較図解する。組合交渉の議事録を図解する。等々によって一気に文章で表現するより図解で一発で全体図で鳥観できる。図をより理解するために文章を付け加える。これで一気にコミュニケーションギャップに埋まる。この本の数々のノウハウを活用して図解の威力を体感してほしい。
表紙の曼荼羅は仏教的世界観を表したもので、図解で1つの世界観を表現できるという著者のメッセージとなっております。図解は全体の構造と部分の関係とを一目で理解出来る優れた表現方法であると言うことが読み進めるとともに、理解出来ます。1990年に発刊された「コミュニケーションのための図解の技術」で「図解によるコミュニケーション」という概念を初めて、世に送り出しております。2002年に発刊され、図解ブームを巻き起こした「図で考える人は仕事ができる」、2005年に発刊の「合意術―――深掘型問題解決のすすめ」との三冊を纏めて第一巻、図解コミュニケーション原論編として、発刊されております。最近の自民党総裁選で、石破候補が「説得」から「納得」への政治をキャッチフレーズとして使用しておりますが、著者が著作「合意術」で既に記述しており、先見力が理解できます。発刊後、30から25年が経過しておりますが、内容は時代を先取りした普遍的なもので、今、読み返してのその斬新さに驚かされます。SNSで感情的、短絡的表現が目立つ時代の中で、論理的、客観的、多角的に他人を理解させ、納得させるために、多くの分野の人にとって必読の著作です。
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京都帝国大学哲学科へ入学して西田幾多郎に師事する。後に1963年に法政大学総長に選出され、1965年まで務めた。宮沢賢治の研究家でもあり、掘り起こして世に出した一人だ。柳宗悦とも交流があり、終生民藝運動を支えた。象徴天皇制を擁護した論客。『世界』の創立メンバーの一人。1987年、文化功労者。 1989年、94歳で亡くなる直前まで、仕事をしていたという。 谷川俊太郎が糸井重里との対談の中で、「ウチの父親って、哲学をいちおうやったんだけど、ほんとに普通の言葉で書ける人だったの」と語っている。
『谷川徹三対談集 九十にして惑う』を読んだ。90歳前後の生活が垣間見える。伊沢修二の指導でどもりの矯正で腹式呼吸を身に着けた。ベートーベン「弦楽四重奏曲」。読書と執筆。体操1時間、室内自転車最低300回。青竹踏み300回。首まわし、手の指の開閉運動300回。ラジオでいろんな人が人生を語るのを聞くのが楽しみ。、、、
終生の座右の書は『論語』『ファウスト』、『正法眼蔵』である。この哲学者は 人物の目利きという感じがする。俳句は芭蕉。文学はゲーテ、音楽はベートーベン。茶碗に限れば唐九郎と半泥子。、、、、。以下、この本で語られている偉人の名言を並べる。
ゲーテ「私は人間である。人間にかかわる、いかなることも私に無縁ではない」「努力する者は過ちを犯す、しかし努力するものは救われる」
孔子「倦むことなかれ」
道元「修証一如」。修行と悟りは一つのこと。悟りを開いても、なお修行を重ねる。
トインビー「生きがいのある生き方。愛すること、知恵を磨くこと。創造的な仕事をすること」
シュヴァイツアー「本能的に円熟の人になるまいと心掛けてきた」
谷川は、幸福とは自己充実感、自己充実が感じられる生き方、それが幸福だと語っている。宗教的心情の中にあるとき、一番自己充実を覚える。宗教的心情とは宇宙的なものの意味である。
「根本史料をやった本はおもしろい」という谷川徹三の学識、読書量、そしてそれぞれの人物から得た教訓を対談の流れに沿って自由自在に披露する。そして自身の警句も多い、たとえば、「心がけ次第だが、運不運ということもある。だから、人間を軽視しちゃいけないし、世の中を見くびっちゃあいけない」。「なにか壁に突き当たった人間というものが結局ものを考える」。「茶会は適材適所」。、、その中でも私は、91歳で書いたこの本の「あとがき」の最初にある「私は生涯一書生をもって自らを律して来た者だ」という自己規定が好きだ。
息子の俊太郎が確か「親父は自分自身にに夢中だったのではないかな」という意味のことを語っていたが、この本を読む中で自己充実に倦むことのない人物像が浮かんでくる。座右に置いたゲーテも、孔子も、道元も、倦むことなく一書生を貫いたとみていたのだろう。「90歳にして惑う」という生き方に大いなる共感を覚える。