「同姓同名」の混乱で新視点。

今日の「名言との対話」は、高木俊介を取り上げました。高木俊介(たかき しゅんすけ)という人が1月6日生まれだったので、高木俊介『こころの医療宅配便』(文芸春秋)を取り寄せ、読み終わったところ、人違いであることがわかってショックを受けました。同姓同名のアンデルセンの創業者のことを取り上げるべきだったのです。

高木俊介(たかぎ しゅんすけ)は、1957年広島県生まれの精神科医師。精神分裂病から統合失調症への改名を発案した人。2004年に、たかぎクリニックを開設。ACT-Kを立ち上げ、チームによる精神障害者の在宅ケアに日々奔走している人です。

こころの医療 宅配便

気を取り直してなんとか、本日分の「名言との対話」を書き上げました。さて、そういうわけで、「同姓同名」にアンテナがたったのです。少し調べてみました。漢字は同じでも、読み方が違うことも多い。

久恒啓一の同姓同名はいるか。この苗字は九州の大分県中津には多い。小学校からの同級生に久恒良一という人がいました。仙台に住みついていた時には、珍しい苗字なので奥州久恒氏の開祖になろうかと考えたこともありました。仙台では総務省の東北局長から「久恒先生、こんにちは。私も久恒です」とのメールが来て飲んだことがあります。また石川県庁での講演の時に、加賀友禅作家の久恒さんから連絡があり、それ以降飲み友達になっています。その会に金沢工大の久恒という女性の先生も交えて食事会をしたことも思い出します。皆、中津に関係のある人たちでした。まだ同姓同名にはおめにかかっていません。

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「名言との対話」(大正から昭和へ。誕生日編)1月6日。高木俊介「全ての仕事は素人より始まる」

高木俊介(たかきしゅんすけ。1919年1月6日〜2001年8月10日)は、経営者。

7年間の戦地勤務を終えて帰還。戦後間もない1948年に、生きられるということの素晴らしさを感じ、本物のパンを焼き焼こうと決意し、夫妻と従業員2人で広島市で開業する。1951年株式会社タカキのパンとして法人化し、パンホールを開店した。

内村鑑三著「デンマルク国の話」という本で「戦争に負けても不幸ではない。内側を豊かにすれば大国に負けない」という言葉に刺激を受けて、1959年にデンマークを訪問する。この本の主人公ダルガスはドイツ・オーストリアとの戦争に敗れ、肥沃な土地を失ったとき、デンマーク復興のビジョンを示した人だ。残った不毛の地を沃野に変えていこうというビジョンを指し示し、農業と畜産と植林によってデンマークを一大農業国に実際に変えていった。希望の持てる明確なビジョンを示すことの重要性を改めて感じる逸話である。以降、高木と会社はデンマークとの縁を深めていく。

1962年タカキベーカリーに改名する。1967年被爆建物三井銀行広島支店を買い取り広島アンデルセンを開店した。1972年より、フランチャイズ店舗のリトルマーメイドの展開を開始する。1981年、デンマーク王国マルグレーテⅡ世女王陛下・ヘンリック王配殿下が広島アンデルセン来臨している。1983年、創業35年を記念して「アンデルセンのメルヘン大賞」を創設。

創業者の高木俊介の死去以降も、2002年4月にグループ名をアンデルセングループに改名。2003年に子会社の新・株式会社タカキベーカリーを設立して、持株会社アンデルセン・パン生活文化研究所と商号変更している。毎年、従業員をデンマークに派遣し、「いまのデンマーク」を知ることに努め、創業60周年には1000人以上の従業員がデンマークへ旅行している。資本金 8,000万円(持株会社売上高はグループ連結 644億円(2018年度)、社員数はグループ連結 1,983名(2020年4月1日現在)にまで成長している。

 「全ての仕事は素人より始まる」との創業の原点どおり、日本初のセルフサービス方式の導入、広大な自社農場「100年農場」の創設等々、先例にとらわれない独創的なアイディアで事業を展開しながらパン食生活文化普及に尽力してきた。

ヤマト運輸の創業者・小倉昌男は、晩年にはヤマト福祉財団を創設し、障害者雇用に力をいれる。食事に関する事業をやることになり、俊介の息子の高木誠一社長に、「障害者が働けるパン屋を作りたい」という事業構想を持ちかけ、月給10万円以上を目指すという「スワンプロジェクト」が始まり、銀座で第一号店がオープンしている。小倉昌男は「論理的な思考とは、物事をシンプルに考えることにほかならない。シンプルな論理思考を心がけることだ。物事をできるだけ単純に考えることが、真の目的に到達する近道なのである」と言っている。この人の宅配便事業ドアツードアで運べたら喜ばれるだろうという素人発想で成功した。高木俊介の「全ての仕事は素人から始まる」は、やはり名言だ。

 

 

 

 

 

 

2017年12月26日
2017年12月26日