新潮新書のアンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(久山葉子訳)を読了

結論は「人間の脳はデジタル社会に適応していない」です。スエーデン人でメンタルヘルスのインフルエンサーの精神科医の著者は、そこにいたる様々のデータ、経験などを盛り込みながら読者に決定的な影響を与えています。

そしてデジタル時代を生き抜くためのアドバイスを最後に記しています。その中で私がすぐに取り入れた項目を列挙してみました。

  • すぐに実行した点:自分のスマホ利用時間を知る。腕時計を使う。毎日2時間はスマホをオフ。人と会っている時はしまって相手に集中する。スマホを寝室に持ち込まない。
  • 実行したい点:プッシュ通知はすべてオフ。スマホの表示は白黒。メールチェックの時間を決めておく、寝る直前にはメールを見ない。運動は脳にいい。交流したい人だけをフォローしコメントを書く。スマホからSNSをアンインストールしパソコンだけで使う。

スマホ脳(新潮新書) 

以下、根拠など。

ここ数十年でライフスタイルは一気に変化。ライフライン化。ここ10年で若者の「うつ」が増加。スマホはドーパミンを増やす。新しい情報を得ると脳は報酬をもらえる。スマホ企業は脳科学の専門家を雇っている。スマホの依存性はヘロインに匹敵。ジョブスは子供にスマホ使用の時間制限をかけた。ゲイツは子供に14歳まではスマホを持たせなかった。手描きが脳を鍛える。集中と熟考が知識を生む。ブルーライトは体内時計を巻き戻し眠れなくなる。人間は150人と関係する。うつは長期ストレスと社会的地位を失うことで起こる。デジタル嫉妬。ナルシズムという伝染病。9%のSNS上で積極的な人以外のただ見てる人は精神状態が悪くなる。完璧な人生、容姿をみて」女子は自信をなくす。ドーパミンを原動力にした永遠に続くフィードバックループ。情報の津波には脳は不得手。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

永山で橘川さんと昼食。ライフワーク論。図解塾の次の展開、、、。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

夜はHirakikata6期の同期勉強会。染谷さんの「クラウド」講座。クラウド上でコンピュタをつくることができるというにには全員が驚きました。AWS(アマゾンウェブサービス)、GCP(グーグル)、Azuro(MS)。クラウド上でソフトを動かせるので、起業時に時間と費用が劇的に減る。ハードとしてのコンピュータは必要なくなる時代になった。

f:id:k-hisatune:20210423220653j:image

次回は7月29日(木)。竹内さん。

ーーーーーーーーーー

「名言との対話」4月23日。円谷一「このホン、面白い?」

円谷 一(つぶらや はじめ、1931年4月23日 - 1973年2月9日)は、円谷プロダクション第2代社長。

白石雅彦『円谷一 ウルトラQとテレビ映画の時代』という伝記では、「秋田県生まれ。いくつかの職業を経て劇場映画の制作現場へ。特殊技術スタッフとして「ゴジラVSビオランテ」以降の“平成ゴジラシリーズ”や「ヤマトタケル」などに参加。その後演出、脚本、著述も手がける。監督作に「愛欲の宇宙戦争」、ほか各種イベント映像など多数」と紹介されている。

特撮監督の円谷英二のこの息子は、TBSに入り、『煙の王様』で、芸術祭文部大臣賞を受賞。新設の映画部で売れっ子ディレクターとして『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブンなどの特撮番組の監督を務めた。

円谷プロは制作費の高騰と怪獣ブームの終焉とともに経営が悪化していく。その苦労で1970年に英二は死を迎えている。一はTBSを退社し円谷プロの社長に就任し再建に取り組んでいく。『ウルトラファイト』の制作を開始し、本格的な特撮番組を求める声が高まると、1971年に『帰ってきたウルトラマン』と『ミラーマン』(フジテレビ)をプロデューサーとして制作し、第二次怪獣ブームの火付け役となる。父の死後3年で一も亡くなった。

円谷英二については『特撮の神様と呼ばれた男』(鈴木和幸)があり、息子の円谷一については白石雅彦『円谷一 ウルトラQとテレビ映画の時代』という書物がある。その本を私は読んでいないが、BOOKデータベースでは「テレビドラマは生放送が当たり前だった昭和三十年代、円谷一は全編フィルムの画期的なドラマ「煙の王様」を完成させた。その作品は、日本初の本格的特撮シリーズ「ウルトラQ」の成立背景と大きな関わりがあった。名ディレクターとして、また偉大な経営者として41年の人生を駆け抜けた男の、知られざる生涯」と記録されている。

円谷一『円谷英二 日本映画界に残した遺産』は、父・英二を描いた1973年の作品で、2001年に再販された。「飛行機乗りに憧れていた秘蔵の幼少年期の写真、通信簿、デッサンから第2次世界大戦前後の貴重な写真、そしてゴジラ、ウルトラQ、最後の手記まで」が収録されている。

円谷一は脚本に厳しかったそうだ。弟のように信頼しかわいがっていた金城哲夫に対しても「このホン、面白い?」と突き返している。父・英二が生きた68歳までの27年の時間があったなら、どのような世界をみせてくれただろうか。41歳はあまりに早い死だったと惜しまれる。