「文藝春秋」でバイデン。「中央公論」で尖閣問題。

バイデン大統領について藤崎一郎(元駐米大使)が「文藝春秋」5月号で解説。 

  •   アイルランドカトリックの労働者階級の家庭。吃音。シラキュース大学ロースクール。弁護士。郡議会議員。29歳で上院議員に当選。1か月後に妻と娘が交通事故死、2人の息子が残るという悲劇。子育てもありワシントンの社交界とは無縁。再婚。2015年に長男が病没。
  • 上院で外交委員会と司法委員会のトップ。1988年、2008年の大統領選に出馬。2008年のオバマ大統領の副大統領。
  • 事実を集め、自分の頭で考え論理を追求する。表裏がない。中道派。人間関係を大事にする。共和党のマケインが自身の葬儀の追悼の辞を頼んだ人がら。目下の人に気を遣う。気配りの人。組織全体の関係に重きをおく。NATOや日本との同盟が財産と考えている。
  • スタートダッシュは成功。外交は自分がやる。1.9兆ドルの追加予算。WHO、パリ協定に復帰。中国はライバルとして是々非々で対応。

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今日の収穫。

安野光雅「君たち、刑務所の塀の高さと棒高跳びの世界記録はどっちが高いんだろうね」。川内優輝「レースは最高の練習」。松本隆「71歳になったいま、もう一度。場を作ることからやってみようかなと思っています」

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中央公論」5月号。  

寺島実郎尖閣問題の本質と外交的解決策の模索」での提言。

  • 米国の「あいまい作戦」が尖閣問題を複雑化し、中国、台湾に誤ったメッセージを与えていることを正すべきである。
  • 台湾、中国と意思疎通を深め、尖閣問題を安定化させる努力をすべきある。
  • 国際社会に対し、この問題の正当性をしなやかに訴える努力をすべきである。国連安保理事会、究極は国際司法裁判所への提訴である。

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図解塾課外授業「続ける技術」の6回目「ライフワーク」の準備。

2000人のライフワークデータベース。200の参考にすべき実例。40人の二刀流のライフワークの事例。この過程で独自のライフワーク論が誕生。

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「名言との対話」4月27日。曾和博朗「音を出すのは右手、鳴らすのは左」

曾和博朗(そわひろお 1925-)は 昭和-平成時代の能楽師小鼓方。

「名言との対話」4月27日。曾和博朗「音を出すのは右手、鳴らすのは左」

曾和博朗(そわひろお 1925-)は 昭和-平成時代の能楽師小鼓方。

京都生。小鼓方幸(こう)流の三代目。曽和脩吉の長男。祖父鼓堂、そして東京で幸祥光に2年半師事。6歳6月6日から稽古をはじめ、10歳で「小鍛冶(こかじ)」で初舞台を踏む。18歳で「道成寺」を披く。曲の趣をいかした的確な演奏で知られる。1998年、重要無形文化財保持者各個指定(人間国宝)に認定される。京都能楽養成会で後進の指導にもあたる。現在、現役最高齢の能楽師囃子方。本日で96歳。

公益社団法人能楽協会は各専門的役割を職能とする各流の能楽師で構成され、2020年現在で1100名が正会員になっている。シテ方五流、ワキ方三流、小鼓方四流(幸・幸清・大倉・観世)、太鼓方五流、太鼓方二流、狂言方二流で構成されている。

能楽には能と狂言があり、オペラとコントというとわかりやすい。能は世阿弥が集大成した幽玄の世界である。

能楽師には、シテ方ワキ方狂言方囃子方(笛方・小鼓方・大鼓方・太鼓方)という職掌があり、各方はそれぞれに流儀がある。

 

 大鼓は皮を乾燥させるため打つと「カーン」という音がする。小鼓は皮を湿らせているので「ポ」「プ」「チ」「タ」と奥行きのある音をだす。大鼓は「陽」を意味する奇数拍を主に受けもち、小鼓は「陰」とされる偶数拍を受け持つ。

小鼓方の人間国宝である曾和博朗は、インタビューに以下のように答えている。

 

  • 「道行」は字のごとく「道を行く」ことで、転じて「旅をする」という意味をもつ。舞台に登場した人物は、地名や風景などを並べた文を謡うことにより、旅の目的地に到着したという空間移動を舞台上で実現させる。綴られた詞章の美しさは、日本文学の紀行文(道行文)の伝統によるものといわれ、観客はその旅路を想像し、物語の世界へと誘われていく。
  • 一人だけ良くてもだめで、全部が揃わないといけない。もちろんシテ方地謡がしっかり謡ってくれないと、われわれは打てませんわ。
  • 申し合わせをしても、本番はそれとは違うことがあります。速さ、呼吸がある。どうくる?じゃあ一発こうやってやろうか、とかね。それがまた面白いところなんですよ。
  • 「音を出すのは右手、鳴らすのは左」。もちろん右手も強弱ありますが、左手の締め具合。鳴り物というには、鳴らないといけないです。胴の蒔絵も「実(み)」(実が成る)や「神鳴」みたいなのも多いですね。いつもいい音でないといかん。やっぱり、『羽衣(はごろも)』らしい調子とか、『高砂(たかさご)』らしい調子とか、そういうのが出てこないとだめですね。

能についてはギリー倶楽部などで何度か、観る機会があったが、演じるシテやワキに気を取られて、囃子方は目に入っていなかった。次の機会には、全体に目を配ることにしよう。