夜:品川の大学院で2回目の授業。朝:自宅で「女性セブン」からのリモート取材。

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品川:人出は少ない。マスクは必需品。

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 大学院「インサイトコミュニケーション」の2回目の授業。以下、受講生の「学び」。

  • 前回は、人による「情報の受け取り方」の違い。今回はそれぞれの「発信の仕方」に違いがあることがよく解りました。面白い!他の方の図を見せてもらうことも勉強になります。描いた図に意見をもらって修正をしていくと、たしかに良くなりました。意見をもらうことも大事です。暫くは、意識して図にするようにします。次回が楽しみです。ありがとうございました。
  • 久恒先生、皆様。本日はありがとうございました。下記講義所感を記載させて頂きます。図=鳥の目、文章=虫の目といったポイントが非常に印象的で、文図の往復をすることでより相手に伝わる表現になることを学びました。相手に100%の想いを伝える為に今後の講義を通じて鍛えていきたいです。演習では文章から入る情報を自身で咀嚼し、どれが最も重要なのか、どういった繋がりがあるのかを深く追求する重要性を学びました。今後の演習ではビジネスシーン(具体的には得意先の商談、経営層へのプレゼン)を想定し、いい意味での緊張感を持って取り組んでいきたいと思います。皆様の気付き、先生とのやり取りで一人で考える時より、何十倍もの気付きがあり、本当にあっという間の3時間でした。GW期間中は外出できませんので、本や新聞から「要点」、「本質」を掴む自主練に励みたいと思います!次回講義も宜しくお願い致します。
  • 久恒 啓一先生 4/30学び&感想。図解が単なる図にならないように、講義の中で先生が仰った「正しくなくてもいい。自分の理解を図にする。」「図解は思考法」ということを忘れないようしたいと思います。【学び】・図も箇条書きも文章も表現法。それぞれに得意とするところがある。図は全体像に適していて、文章は詳細を表現するのに効果的。・文章で書かれていることを行間も含めて自分で理解したことを図解する→文章を超える・わかりやすい図解を書くポイント(テクニック面)-同じレベルは同じ図形を使う-矢印には関係性を添える-太さや色、線の種類などを変えて、大小・関係・重なりを表現する-色々な図からアイデアを盗む→自分の型を破る。以上
  • 1.授業での学び:図解するとき、文章の要点は必要であり、後は図解を日常的に使うのも大事だと言うことが分かりました。 矢印、絵、数を使うとよりインパクトの強い図解を描けると言うことが分かりました。2.授業感想: 図解で本書かれたところびっくりしました。図解がある日本史教科書は学生さんにとっては覚えやすいと思います。これから歴史課程に嫌な学生は少なくなるかもしれません。2.クラスメート達の描いた図解はきれいだし、内容も豊富し、大変勉強になりました。 日常的の図解を見て、難しいとは思わなかったんですが、実際に描いて見て、手はなかなか動けないほどだった。要点と要点の繋がりを探しにはロジック能力は必要かなぁと思いました。 皆様は本当に親切です。激励してくださったところありがとうございます。3.疑問:今回の授業、新聞についての図解なんですが、新聞の準備どうすれば宜しいでしょうか。お願い:日本語はまだまだなので、もし文法や言葉の間違いがあったら、教えていただけませんか。よろしくお願いいたします。
  • 久恒先生。先ほどは授業に参加させて頂きありがとうございました。初回の授業は、図解にすることは文章を読むより内容を理解することでき、わかりやすくなるということを学びましたが、今回の授業では理解することだけに留まらず、より深く考える手段になり得るということを学ばせていただきました。また、先ほど感想でも述べさせていただきましたが、皆さんの図解を見ることで、自分の考える力が乏しく、図解の表現が単調になってしまうことも痛感させれました。日頃から図解を使って深く考えることを習慣にし、より多彩な表現ができるように日々頑張りたいと思います。次回の講義も宜しくお願い致します。
  • 久恒 啓一先生。本日の授業の感想をお送りいたします。文章を文字通り読み図解にするだけでは、文章を深く理解するとは言えないのではないでしょうか。文字にはなっていない行間を読む力が必要なのではないでしょうか。文章のみならず、日常のコミュニケーションにおいても本音と建て前があり、言葉の真意を理解するには行間を読む力が必要です。図解コミュニケーションでは文章を図解にする訓練をしていますが、この訓練の先には相手の言葉を頭の中で図解にし、日常のコミュニケーション力の向上につながるのではないかと思いました。また、解釈においては「間違うこと」「人と理解している内容や物の見方の視点が違うこと」に不安を感じておりました。しかし、本日の講義のなかで「解釈は違って当たり前」という話があり日本人特有の「正解はひとつ」「同調行動」という民族性が日本人の想像力を弱体化させているのではないかと不安に思いました。次回の授業まで、図を描くことを意識的に行っていきたいです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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同じ時間に講義をしている橋本大也さん(デジタルハリウッド大学)に「全集」1・2巻を差し上げた。FBに書いていただきました。「多摩大学大学院の授業『先端ITイノベーション』を講義するため品川キャンパスへ。学生はいないオンライン授業。入ると机の上に分厚い本2冊とホワイトボードにメッセージが。同時間帯で授業の久恒先生にご著書の最新刊を献本していただいたのでした。『図解コミュニケーション原論』と最新の『図解コミュニケーションの技術』。先生の教室へマスクをして入り、距離を取って少しだけ雑談。これだけ厚い本を出したばかりなのにまだまだ出す予定とのこと。久恒先生はブログ含めて毎日の執筆量が尋常ではないので簡単に本になってしまって羨ましい。私もあるテーマで今、本を書きはじめてますと報告。久々にリアルで人と話せるのは嬉しい。帰りの電車、久恒先生の図解コミュニケーションの本が面白い。アイデアを図にする、それを伝達する上で、効果的な方法が網羅されている。熟読してレビューします。オンライン時代に図解は求められている技術だと感じています。」

https://www.facebook.com/daiya.hashimoto

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朝10時:「女性セブン」からのリモートインタビュー。「遅咲き」「テーマの育て方」など1時間。5月6日発売号。こういうテーマでの女性誌からのインタビューは初めて。森光子、片岡球子、坂東真理子に加え、宮脇俊三、村野四郎、永田耕衣を説明しました。

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昼食は、永山で橘川さんと意見交換。学会、雑誌、HPソフト、通販、、、。

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「名言との対話」4月30日。河野多恵子「狭義の才能と広義の才能」

河野 多惠子(こうの たえこ、1926年大正15年)4月30日 - 2015年平成27年)1月29日)は、日本小説家

大阪の乾物問屋に生まれ、大阪府女子専門学校を卒業。1950年丹羽文雄主宰の同人誌『文学者』に参加。1961年に『幼児狩り』で新潮社同人雑誌賞、1963年に『蟹』で芥川賞を受賞。谷崎潤一郎の衣鉢を継ぎ、精緻な描写に基づくリアリズムの文体で、嗜虐・被虐妄想、異常性愛などの倒錯した欲望や意識の暗部を浮き彫りにして高い評価を得た。

1967年『最後の時』で女流文学賞、1969年『不意の声』で読売文学賞、1980年『一年の牧歌』で谷崎潤一郎賞、1991年『みいら採り猟奇譚』で野間文芸賞、2000年『後日の話』で毎日芸術賞などを受賞。

1987年に大庭みな子とともに女性で初の芥川賞選考委員となり。読売文学賞谷崎潤一郎賞の選考委員を務めた。1989年に日本芸術院会員。2014年に文化勲章を受章した。

この人の小説は読んだことはないが、『小説の秘密をめぐる十二章』(文芸春秋)を読んでみた。芥川賞読売文学賞谷崎潤一郎賞野間文芸賞伊藤整文学賞などを総なめにしている小説の名手が、「創作」について語った本だ。文章の呼吸、作品の育て方、才能について、登場人物の名前、標題、導入と終わり方、筋、小説の構造、文章力、などについて自説を展開しているので、興味深く読み進めた。以下、いくつかあげてみる。

日本語の横書きの創作に創造性を発揮することは不可能。大震災文学は平林たい子の三作のみで生まれていない。創作を志す人は、まず三人称、単元描写の書き方で始めよ。主要人物の名前は、珍しすぎず、ありふれていない名前がよい。動詞の使い方に関心を持て。終わり方が大事だ、芥川の作品にも失敗はある。一言で言い表せる作家が長持ちする。谷崎は「女の死のこればっかりの小説家」、円地文子「女の業を書く作家」、津島佑子「シングルマザーもの作家」、、。

誰も思いもしなかったであろうこと、考えもしなかったであろうこと、想像もしなかったであろうことを書きたいのである。自分ひとりのみの精神に生まれたことを書きたいのである。小説家は独創的であるべきで、詩人のように独断的であってはならない。詩、俳句、短歌は自分自身のためのものだが、小説は読者に共感されるように書かれるべきだ。

以上、「小説の秘密」を詳しく語ってくれているのだが、私が特に共感したのは、才能についてだ。それは「いわゆる才能」を重要視することではなかった。河野多恵子は「才能」について、二つの才能をあげている。「狭義の才能」とは、想像力、感覚、瞬発力、持続力という、持って生まれた文学的才能である。「広義の才能」とは狭義の才能を生かす能力で、吸収力、度胸、洞察力、観察力、決断力、好奇心等を発達させることを持続させる能力としている。いわば自分で自分を育てる能力だろう。どの分野でもいえることだろうが、狭義の才能よりも、自分を育てていく広義の才能の方が重要である。この本でそれは小説でも同じだという発見をしたことを嬉しく思った。 

小説の秘密をめぐる十二章

小説の秘密をめぐる十二章