図解塾ーー世界と日本を論ずる濃密な2時間

図解塾の10回目。テーマは「新聞記事」を図解しながら日本と世界を論ずることでした。以下、出席者の感想から。
  • 本日もありがとうございました。本日は、5月16日にMXテレビで放映された寺島実郎さんの「世界を知る力第8回」の図解と、日経新聞の大機小機「日本はいつの間に後進国になったか」でした。これまでずっとそうでしたが、寺島さんの読み解く経済や国際社会、歴史は普段他では聞けない深堀した内容でした。前半の「日本経済の本質的な課題ー所得と消費のガバナンス」だけしかできませんでしたが、数字のファクトを基に問題点を抉り出しているのが、図解に取り組んでみると本当によく分かります。経常利益は上がっているのに人件費や設備投資は上がっていない、しかし内部保留は大幅に増え、配当金も増えている。「誰のための会社か」という言葉が印象的でした。そして、改めて認識した家計の貧しさ。雇用者の約3分の1が貧困の中にあり、組合も力が全くない。まさに「強いものはより強く、弱いものはより弱く」の構造ができあがっています(私は図解ではここを強調しました)。今こそ、資本主義のあるべき姿に立ち戻ろうと、マックス・ウェーバー渋沢栄一に学べと結んでいます。議論が進む中で、白井さゆり氏の講演の内容が関連して紹介されました。「投資の対象となる企業」という物差しで環境、ジェンダー、人権など世界の価値観の流れが大きく変わってきている。改めて認識をし直しました。さらに、「日本はいつの間に後進国になったか」について、ワクチン、デジタル、環境、人権、ジェンダー、財政という多くの面における後進性(日本の敗北)が浮き彫りになっていました。個人的には、図にするのは楽な構造の文章でしたが、言っている内容は非常に深刻です。このコラムの紙数の都合もあるのでしょうが、解決策について「民主主義の立て直し」「資本主義の鍛え直し」という抽象的な言葉で終わっていたのが残念でした。2つの図解を通して日本の現状の深刻な課題を今日は認識し直すとともに、このことがどれくらい国民に伝わっているか非常に心配になりました。今日はこのような意味で、非常に勉強になった2時間でした。
  • 本日もありがとうございました。寺島先生の「世界を知る力」、「いつの間に後進国になったか」、、内容が濃すぎて、私にとっては大変でした。ふだんのほほんと過ごしているなぁと、反省しきりです。でも、知らないことは良いこととして、単語一つ一つ調べながら、図解にするという作業を通して、少しずつですが今までさらっとすごしてきたことも、興味をもつようになれることを、気づきました。図解は組み合わせ。データや技術を入れ込んで自分のものとなる。アタマとココロ。鍛えたいですさて、来週もまた宿題ですね。興味を持って取り組みます。
  • 本日はありがとうございました。今回の図解塾で衝撃的だったことはこの25年間で、日本は外国人投資家に搾取されていたという事実。企業の経常利益、内部留保、配当金が飛躍的に伸びているに比べて、人件費は横ばい、設備投資も横ばい状態。具体的には、配当金は4兆円⇒24兆円(6倍)。人件費は202兆円⇒202兆円、設備投資は44兆円⇒44兆円。図解をみれば、全体が観えてくる。今回を例に挙げれば、図解により今日本が抱えている問題全体が分かり、新たな日本の未来の全体構想も練ることが可能であることに気が付きました。改めて図解表現の重要性を認識する日となりました。ありがとうございました!
  • 今回は2つの題材を通して学びました。1つ目はTOKYO MXで放送された「寺島実郎の世界を知る力 第8回」のうち「日本経済の本質的な課題」、2つ目は日本経済新聞の大機小機から「いつの間に後進国になったか」でした。発表された図解を拝見したり、久恒先生や参加者それぞれのご意見等をお聞きしたりした中で私が思ったことは、まず、私自身が本当のことをどれだけ知ってるんだろうかということでした。仕事で関わりのある分野については断片的に知っていることはあっても、図解で表現されているようなつながり(関係性)を考えたりしていなかったし、日本経済全体を俯瞰して考えたこともなかったように思います。今回、たまたま図解塾でテーマとして取り上げていただき、みなさんのお話を伺ったので、日本がいかに深刻な状態であるか、またその原因はどこにあるのかなどに気づくことができました。やはり、情報は広く取ることが大切だと改めて思いましたし、そのためには誰と繋がるか、どこから取るかが重要だと思いました。みなさん、今回も学ばせていただきありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
  • 久恒先生、皆様、本日もお疲れさまでした。題材である①寺島先生講演「日本経済の本質的な課題…」、②日経記事大機小機「いつの間にか後進国…」について、塾生夫々が持ち寄った図解とプレゼンを見ながら、スーパームーンの事などすっかり忘れ、今回も濃密な脳汗かくひと時を過ごす事が出来ました。今回の学びその1. ポイントとなる一言を添える:マックスウエーバは聖書(プロテスタント)、渋沢栄一論語儒教)…これで「人類の英知」に学べというメッセージに行きつく訳ですが、独力でそんな連想と紐づけができる様になるには…ひたすら勉強ですね。その2. 冷静に全体俯瞰を忘れずに 聞く/読む:「要は何なのか」「何が言いたいのか」を考えまとめる事を意識する:とかくメモする事だけに執着すると中身がついてこない…幸い「見逃し配信」なら繰り返し見られるので活用して、トレーニング、ですね。そして、本日イチのインパクトは、題材とディスカッションから、今の日本問題はGrand Desighn(企画力、構想力)の欠如であるという事を改めて気付かされてしまった事です。ワクチン/エネルギー/ジェンダー…どれもが世界から遅れた日本、「今が第3次大戦なら、我々は敗戦だよね」…まったくその通りですね。古来からその時の一等国(中国?欧州?米国?)から直輸入ばかり、でもアレンジはうまい。それだけの事だったか!。さて米中拮抗の今こそ、我々日本人は今こそプレゼンスを世界に発信しないと、いよいよアジアの一小国へと埋没してしまう、という危機感を持とう。その為には、それぞれの分野でGrand Design が描ける英知と度胸が求められいる。そういう崖っぷち感を味わいつつ、意気上がりました。さて、ホントの崖っぷちが眼前に迫る前に冷静にトレーニングを重ねたいと思います。次回も宜しくお願い致します。
     

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「名言との対話」5月26日。政木和三「ナンデヤロ」

政木 和三(まさき かずみ、1916年5月26日 - 2002年8月6日)は、日本の発明家、科学者、医師である。

兵庫県生まれ。大阪大学工学部で学ぶ。航空工学、通信工学、造船工学、精密工学、建築工学、土木工学なども学んだ。 その後、医学部に入学し、神経エレクトロニクスの研究を行う。医学部卒業後は、力学の分野に進む。政木はのちに、通信工学科研究室に入り工学部工作センター長となった。

政木は発明の能力に優れ、発明品の数は1000件以上にのぼる。発明品は以下。エレキギター、ウソ発見器、電気炊飯器、瞬間湯沸かし器、自動ドアー、CTスキャン、歯科治療ドリル、魚群探知機、誘導魚雷、低価格テレビ、低周波治療器、コンクリート厚み計、聴覚測定器、バイオライト、パラメモリー、バイオイーザー、超音波金属歪形探知機、熱線風速計ウイスキー醸造器、超音波美顔器、無人ステージ照明、バイオリズム計、、、、。発明の総数は3000件という数字もある。驚くべき発明家だ。

政木和三は特許権を無償で公開している人である。技術の公開は企業の新製品開発につながり、社会の進歩・発展に大きく寄与するからだ。
「事業でも商売でも、状況が悪い時は感謝すること、そして修行させて頂いてありがとうございます、と念ずれば、自然に道は開けてゆくのである」「人間の修行とは、他人に幸福を与えることである」。

物理学を応用したゴルフでは、自然落下打法を開発し、ホールインワンも何回も達成している。この60歳の無名の新人は1976年の関西シニア選手権でいきなり優勝している。ジャンボ尾崎岡本綾子を指導したという。政木によれば、ゴルフの極意とはインパクトの瞬間に力を抜くことであった。『「臍」中心のシンプルゴルフ』『飛ばしの秘密・政木打法』という著書もある。その後、政木はエイジシュートを2度達成している。

 

小学校時代のあだ名は「ナンデヤロ」だった。発明家の道を歩んだ政木和三は、『この世に不可能はない』という本も出している。「ナンデヤロ」精神とは、好奇心をもつことだ。ものごとを「そうなっている」と受け入れるのではなく、幼い子どものようにいつも「なぜだろう」という疑問を持ち続けたい。それが創造、そして発明への道である。