図解塾第3期トレーニング編「瞬発思考力を鍛えるシリーズ」の2回目ーーー「単純なものは複雑に。複雑なものは単純に」

図解塾3期の2回目。「瞬発思考力を鍛える」シリーズにすることにしました。本日の学ぶべきテーマは「単純なものは複雑に。複雑なものは単純に」です。

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以下、終了後にもらった感想集。

  • 本日の課題である「単純なものを複雑に考える」というテーマは、着手前はどういう意味なのかいまひとつピンときませんでした。課題である単純な文章を読んで図にするという過程の中で、「単純」だけに潜む「不足」「あやふや」あるいは「その裏に潜む事柄」についても目を向け、補い作り込んでいく。その結果として複雑な関係性をよりクリヤに相手へ一発で伝える、そういう情報を創造する行為なのだ、という事を学ぶことが出来ました。またこれを実行する為には①初めにどれだけ良い構図をひらめく事(着目)と、②全体を俯瞰しつつ「足りないところ」へ筆を入れる事(構成)という2つの行為を短時間で仕留めることが必要で、まさに「全身で考える」というちょっと体温が上がる体験を皆様と共有できた事は本日の収穫でありました。また、皆様のアウトプットが一度に比較・共有出来、これらを「良いとこ取り」に合体する事で無敵の成果物がたちまち作れてしまう、というすごいポテンシャルがあると実感、まさに「大部屋チーム」「デザインレビュー」といった行為の醍醐味が味わえ非常に有意義に感じた次第です。有難うございました、次回も宜しくお願い致します。
  • 「単純を複雑に。複雑を単純に。」という図解の活用例をワークを通して体感できた回でした。単純な図を複雑にしていく過程は、図の裏側に何があると理解したのか影響し、出来上がりは皆さん様々になり、以前聞いた「自分が理解したものしか図にできない」という先生の話を思い出しました。図解を始めるときは、全体像が見えるように、まずは引いて(俯瞰して)考えることにも気を付けたいと思います。本日もありがとうございました。
  • 今回は2つの課題があり、短時間で図解を作成するために頭はフル回転。課題は「家事を手伝わない理由」とか「ネットショッピング」という身近な題材でしたが、1つ目は図に落とし込むことができませんでした。でも、他の塾生のみなさんの図解を見ることで、「誰の視点で書き込むか」、「何を伝えたいのか」を明確に決めることがポイントだと気づき、2つ目を考えました。また、久恒先生からは「単純なものは複雑に、複雑なものは単純に」図にするようアドバイスがありましたので、課題の文章からイメージを膨らませて言葉を追加していくと、何とかまとめることができました。箇条書きスタイルではありますが、「瞬発的」に図解を作ることができ、うれしかったです。これからも楽しみながら図解を作成できるよう、イメージ力や集中力をアップさせたいと思います。本日もありがとうございました。
  • 本日もありがとうございました。数行の文章なのに、みなさんの図はそれぞれ違っていて、それぞれに気づきがあって、また解説していただいて納得し、面白かったです。短時間の図解作業は、頭の運動にもなりますね。考える力を鍛えられるよう、励みたいと思います。次回もどうぞよろしくお願いいたします。
  • 久恒先生、みなさま、本日も楽しい時間をありがとうございました。久しぶりの早描きで、ライブコメントしたとおり「頭が動く」感覚を味わいました。また、図解の視点の広さ深さはその人のこれまでの知識や経験によって様々に変化していくことを実感しました。次回は都合により出席できませんが、またその次を楽しみにしています。
  • 今日の課題、ネットショップについてです。「瞬発的にキーワードを捉えること」「全体像を思い浮かべること」が結構うまくいって、なおかつ「安くできる理由」や「デメリットは何だろう」などについても与えられた文の中にはなかったけど考えて付け加えることができました。

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「名言との対話」9月15日。奥谷喬司「願えばお魚はやってくる」

奥谷喬司(おくたに たかし、1931年9月15日 - )は、日本の動物学者、東京水産大学名誉教授。 

福岡県北九州市門司区生まれ。1954年東京水産大学増殖学科卒業。1954~79年水産庁東海区水産研究所資源部主任研究官。1961-1962年米国スクリプス研究所に学ぶ。1966年「相模湾およびその周辺海域の深海性貝類の分類、分布生態ならびに古生態学的関連についての研究」で理学博士(東大)。1979年国立科学博物館動物研究部動物研究室長、1984東京水産大学教授、1996年定年退官。1995年から日本大学生物資源科学部教授。1989‐20101年海洋科学技術センター顧問、アドバイザー。日本貝類学会会長。国際頭足類諮問委員会(CIAC)名誉委員専門は軟体動物の分類・生態・資源。 東京水産大学名誉教授。

私は著書を読んでいないので、いくつかの著書のタイトルと、そのの紹介を覗いてみることにした。実に面白そうだ。

  • 『日本のタコ学』。タコとイカは親戚か、いちばん大きなタコは何か、タコは何を食べているのか、などの疑問に答える。
  • 『貝のミラクルー軟体動物の最新学』。「時差出勤をする貝、黙って進化するカキ、左巻きと右巻きの貝など、貝の不思議にせまる18話。第一線の研究者が、貝の生態、驚異の生活史などを説き明かす」。
  • 『新鮮イカ学』。「世界最小のヒメイカや最大のダイオウイカの生態、イカの知能の解明などに迫るいかしたはなし16話」。
  • ホタルイカの素顔』。「ホタルイカの日々の生活や一生、その発光する生体の中で起きているさまざまな現象の詳細について、形態学、生活史、資源からの眼ばかりでなく、発光生化学、視覚生理学、分類学等の立場から最新情報を紹介」。
  • 『日本近海産貝類図鑑』世界最大の最新貝類カラー図鑑。「約5000種を和英文で解説。最新の分類体系により配列し、個々の種の学名も最新の研究成果に基づき掲載。ウミウシイカ、タコ類なども網羅」。
  • イカはしゃべるし、空も飛ぶ』。「古くから日本の食卓で愛されてきたイカの消費量は、サケやマグロに匹敵する。そもそも「イカ」の語源をたどれば、「食べ物そのもの」を意味しているという。トビウオのように海面上を飛ぶイカもいれば、体色の七変化が熱烈に求愛するイカもいる。さまざまなイカの魅力的な生態を余すところなく伝える“イカ学入門書”」。

著書:『学研の図鑑 [52]貝』『日本の貝 (自然観察シリーズ 生態編』『貝がらのずかん (やさしい科学)』『Epicurean貝 美食主義者の貝エピキュリアン 貝は海の恵み 母なるものの味わい』『イカはしゃべるし、空も飛ぶ 面白いイカ学入門』『泳ぐ貝、タコの愛 軟体動物のふしぎな生態』『原色世界イカ類図鑑』『軟体動物二十面相』『日本の貝 1(巻貝) (フィールドベスト図鑑)』『日本の貝 2(二枚貝・陸貝・イカ・タコほか) (フィールドベスト図鑑 v.1)』『新編世界イカ類図鑑』。

共編著・監修:『魚と貝の図鑑』『日本の貝 原色・自然の手帖』『磯の生物 原色・自然の手帖』『もっともくわしい魚貝生態図鑑』『貝類』『♂♀のはなし さかな』『貝・水の動物 新訂版』『タコは、なぜ元気なのか タコの生態と民俗』『新水産学全集 6 水産無脊椎動物 2 有用・有害種各論』『海辺の生きもの』『サンゴ礁の生きもの』『イカの春秋 サイエンスエッセイ』『貝のミラクル 軟体動物の最新学』『日本動物大百科 第7巻 無脊椎動物』『貝の和名』『水棲無脊椎動物の最新学』『軟体動物学概説』『日本近海産貝類図鑑』『ホタルイカの素顔』『エビの栄養・イカの味・貝の生態 水産無脊椎動物の生物学・栄養・機能成分』『黒装束の侵入者 外来付着性二枚貝の最新学』『虫の名、貝の名、魚の名 和名にまつわる話題』『イカ その生物から消費まで 3訂版』『潜水調査船が観た深海生物 深海生物研究の現在 海洋研究開発機構』『貝のふしぎ図鑑 身近な生きものにしたしもう おどろきいっぱい!』『新鮮イカ学』『日本のタコ学』『美しい貝殻 海辺で見つかる「小さな宝もの」ガイド』『ニッポン貝人列伝 時代をつくった貝コレクション』『深海の生きもの』『水の中の生きもの』。

最新の『講談社の動く図鑑 水の中の生きもの』では、イソギンチャクとヒトデの闘いの動画をみた。奥谷は「この本を見て、水の中の無せきつい動物の生態の面白さ・ふしぎさを発見し、興味を持ち、研究や保全に取り組み、地球上にすむすべての生きものにやさしい環境を守っていこうという思いが芽生えれば、監修者、編集者ともども未来が楽しみである」と述べている

TBS「どうぶつ奇想天外!2016」で一緒になった「さかなクン」は、「軟体動物(貝類。イカ類。タコ類)学の世界的権威) 自分にとって神様のような奥谷大先生と東京海洋大学で再会出来ました‼︎ 」と嬉しがっている。そして「願えばお魚はやってくる」という奥谷先生の、この言葉を小学生のころに聞いていたら、とさかなクンは感動し涙が出たそうだ。

動物行動学の日高敏隆は、戒名にも「蝶道院釋真隆と蝶々の文字を入れている学者であるが、この人の話は面白かったと聞いている。奥谷喬司の場合も、本のタイトルや解説をみると、動物の生態の面白さが伝わってくる。水中動物については何を聞いても答えられると思われるほどの学者となった奥谷先生の「願えばお魚やってくる」は、学者の究極の到達点だろう。