『あなたの人生が上手くいく7つの成功法則』(ディスカバーe-book選書)を刊行。ーー師匠。友とライバル。志。怒涛の仕事量。自分を鍛える。構想力。日本回帰。

『あなたの人生が上手くいく7つの成功法則』(ディスカバーe-book選書)を刊行。

三笠書房より2009年刊行の単行本を電子書籍としたものです。

2005年から始めた「人物記念館の旅」が300館になった頃に書いた本です。「傑出した仕事師」たちの共通項を7つにまとめ、彼らの生き様とそこから得られる教訓を記しています。今年はこの旅も1000館を超えることになるでしょうが、事例が3倍になっただけで、7つの共通項は、そのままでいいと考えています。

 

 

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(アマゾンの書評。八木)

著者は若い時から「知的生産の技術」研究会が主催した数百人の講演を聞き、また最近数年間で全国にある著名人の人物記念館300館以上を訪ねて、人間の才能はどのようにして発揮されたのかについて思索した最終的な結論をこの本で出している。
この本に収録された著名人は歴史的な偉人から現代のすぐれた個人まで、時代、分野も問わず、才能を発揮して成功した人のいろいろなエピソードをまじえてやさしく書いてある。そびえたつような昔の偉人ばかりでなく、誰でも知っている松井やイチロー村上春樹なども出てくるから、親しみやすい。
何も艱難辛苦、切磋琢磨の物語ではない。この人たちは好きだからそれをやったのだということがわかる。この本1冊の中に、人生如何に生きるべきかが、すべて語られていると言ってよいであろう。
幸い、コンパクトで読みやすいので、全国の小中高、大学はこの本を必読書として各人に読ませ、あるいは道徳の時間に教科書として採用したらよいと思う。内容的には、前半で、才能とは誰ももともと素質としてもっているものであるが、眠っているそれを意識して引き出す方法、育てる方法について説明し、後半では偉人や著名人がいかにしてそれを発揮したかを実例をあげて説明している。
この本をよんでいると、「あれッ、これならおれもやれるんじゃないかな」と知らず知らずに思ってしまうから不思議である。

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「今日の収穫」東京新聞社説2022年1月16日。

「CAN(何ができるか)。MUST(何が求められてるか)。WILL(何をしたいか)」

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今日のヒント

寺島実郎「作品への満足度がすべてだ」

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「名言との対話」1月16日。葛西善蔵「人間の破産、そこから僕の芸術生活が始まると思って居る」

葛西 善蔵(かさい ぜんぞう、1887年(明治20年)1月16日 - 1928年(昭和3年)7月23日)は、日本の小説家。享年41。

青森県弘前市出身。北海道、青森県の各地を転々としたのち上京。1912年に広津和郎らと同人雑誌『奇蹟』を創刊。26歳で書いた処女作『哀しき父』 には貧窮、一家離散、孤独、病気、耽酒などのどん底で、芸術的信念を貫こうとする個性のあり方を、とぼけたおかしみをもって追求する。出世作は1918年の『子をつれて』。自然主義の伝統を継いだ私小説に徹し、破滅型と呼ばれる苛烈な自虐的作品を相次いで発表した。

主著は、『湖畔手記』 、『贋物 (にせもの) さげて』 、『おせい』 以下の「おせいもの」、『蠢 (うごめ) く者』 など。

鎌田 慧『椎の若葉に光あれ―葛西善蔵の生涯』 (岩波現代文庫)を読んだ。

鎌田は高校生のとき、いつか同郷・津軽葛西善蔵について書きたいとねがっている。同じく同郷の石坂洋次郎よりも、葛西や太宰治に惹かれた。二人とも郷土津軽では鼻つまみものだった。この本は優れた評伝文学である。

葛西善三とはいかなる人物か。その描写をピックアップしてみよう。几帳面な筆跡。気弱さと、それを隠す傲岸さ。ユーモアと詩情。愚痴、クダ、嫌味。うそやごまかしや悪意を少しも持たない素朴な自然人。身を捨てた飄逸さ。衒いや欲気のない生き方。愛嬌。愛らしさ。魅力。、、、。人柄が目に見えるようだ。

貧困、病気、酒、女、などで苦しむ自分自身を接写レンズで描く。破滅型の人生を自分で実験してつくりだす。そこから芸術生活が始まるという考えだった。

・「書きながら纏めたり突込んだりして行くほかないやうな気がする」

・「事実」「実際体験」の記録にこそ真実がある。

・「仕事さへできればいい」「いい作さへ書ければ、何もいらない」

生涯で60数篇を書いた寡作の人だ。一日に一枚か二枚しか書かなかった。『葛西善三全集』第一巻の製本見本を見届けた四日後に死去している。自分の体験を書いているから、全ての小説を総合すると、自伝になる。葛西は「私小説の神様」と呼ばれている。

「人間の破産、そこから僕の芸術生活が始まると思って居る」ということになると、自身の生活を追い込むことにならざるを得ない。「自分にも厳しく、他人にも厳しく」がモットーだったから、周りの家族は悲惨な目にあうことになる。

こういった事実と体験を見つめ、それを細大もらさず、そしてユーモアをもって書きつけるから、今なおファンはいる。この本を書いた鎌田もその一人だ。文壇においては、このような無頼型、破滅型という文士の流れは、細くはなっているが、まだ続いているように思う。

1994年に発表した鎌田のこの本について「解説」を書いた荒川洋治は「人を物語るときの散文の理想」だと書いている。トヨタ季節工体験を描いた『自動車絶望工場』などのルポ・ライターとしての名が高い。私の所属しているNPO法人知的生産の技術研究会でも呼んで話を聞いたことがある。知的生産を志していたわたしは、ルポという分野に興味を持った。鎌田はルポだけではなく、1990年には『反骨 鈴木東民の生涯』で新田次郎文学賞受賞。1991年いは『六ヶ所村の記録』で毎日出版文化賞受賞している。評伝分野でもいい仕事をしていたことを初めて知った。

 出典「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)」

 

 

 

 

 

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