「図解塾」4期の2回目ーー「一太郎」の浮川初子さんらもゲスト参戦

図解塾4期②

本日はあの「一太郎」「花子」で時代を席巻したジャストシステム創業者の浮川初子(MetaMoji専務)さんと、そのチームも参加されて、普段とは違う雰囲気の中で進行しました。浮川和宣社長からも挨拶をしていただきました。

2005年に発売となった『図解マスター』のプロジェクトで表参道のジャストシステム本社でお二人と議論をしたことを思い出します。

久恒啓一図解Web :: 図解マスター

以下、受講生の「本日の学び」から。

  • 本日もありがとうございました。遅れてしまい申し訳ありませんでした。浮川さんご夫妻にお会いできるとは思ってませんでした。MetamojiNoteはいいですね。紙に書いたものを画面で見ていただくのもいいですが、位置がずれたり自分の書いた図解が見えなかったりしてちょっと不便を感じていました。 図解塾の千本ノックや問題解決で学ぶうちに、だんだんと全体をつかむ力、肝はどれかを見抜く力、文章に表れていない重要なことがらを見いだす力などが身に付いてきたという実感を得ています。今日の問題解決の課題でいえば、文章に書かれていることは図の中の半分だけで、あとは自分の想像力で根本的な課題や解決策を示すことができました。先日、ある本の紹介を目次を列挙するという方法でタイムラインに書きました。これを図解で表すべきだなあ、と思いつつ時間がかかりそうで手を付けないままになっています。図解にするまでのハードルを意識してしまうのが自分にとっての課題です。
  • 久恒先生、みなさん、今回もどうもありがとうございました。ゲストを迎えての図解塾。しかもあの日本語ワープロソフト「一太郎」を作った方。「一太郎」は私が就職して始めに習ったソフトウェアで、大変お世話になりましたから、それを作った方にお会いできるなんて夢にも思いませんでした。だから、驚くと同時にうれしかったです。さて、本日の図解ですが、いつものように2つの課題に取り組みました。どちらも短時間で書き上げねばなりませんから、今日一日の中で最も没頭する時間となりました。誰の立場から、どこに視点を向けてまとめるのか、頭の中はぐるぐる回転し続け、でも手は空回りしてる感じで、図のイメージがなかなか出てきませんした。しかし、みなさんの図解を拝見し、説明を聞くことで、それぞれが葛藤した経過を知ることができ、久恒先生からのアドバイスで図解のポイントや捉え方がさらに深まるので、とても楽しかったです。
    これからも、「没頭と学び」を両方体験できる図解塾で、頭の体操を続け、柔軟な考え方を身につけたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  • 本日もありがとうございました。文書をみて、上の人が同じことを理解しているというのは錯覚。図解してみせれば、合意できる。図で合意をとっていく。今回の問題解決の問いの、皆さんの図からの解決策をみても、それぞれで、まとめると最強だなぁと思いました。また、皆さんの経験からの図が見られて、大変さが伝わってきました。そして、2時間があっという間でした。考えること、いろいろ湧き上がってきて、どうまとめるか、関係をどうやったら示せるか、そうしていると図の形が見えてくる、、、と、疲れますがなんだか楽しいです。あと、一太郎、懐かしいです。MetaMoji Note でしたか。使ってみたいと思いました。また次回どうぞよろしくお願いいたします。
  • 久恒先生、皆様、本日もお疲れさまでした。今回も図解ノックの2課題に挑みました。一つ目は会社説明会に臨む人事担当者の自社(通信教育教材制作)説明を作図するというもの。お題の文章は取り扱う商品の説明に終始したのですが、説明会参加者の関心は会社そのものであって商品ではない、というのが隠されたポイントでした。幼児向→小学生向→中学生向と、成長に合わせた商品群に一貫した「楽しく使ってもらえる」という点のみならず、①「お子様」「親御様」それぞれに楽しんでもらえる、②楽しいから学習が続けられる、③しかも月謝より格段に安上がりなので塾いらず。といったお客様と商品との関係性(メリット)へ視野を広げる事で、「会社が目指している事柄」が効果的に訴えられるという点は重要でした。更には中学生向迄の商品群に対し、それらを使った子供達の「その後の潜在的なメリット」迄も謳うことも「有り」といった先生の欲張ったご指摘には、リアルな「商品戦略会議」を彷彿してしまいワクワク致しました。二つ目はこれも恒例となりました「社内のお悩み」系課題を図解で解決するというもの。一生懸命で不器用な中堅社員である、抱え込み系「A君」のお悩みに対しては、もん切り調の「方策ありきの」説明ではバツ!そんなもの受け入れてくれません。目指すは合意形成で、説得ではなく納得してもらわなきゃならない。ここでも視野を大きく広げ、「私」を中心に部署間とのつながりのみならずお客様迄書いて見せ、「あなたの仕事は当社がお客様からの信頼を獲得する重要な使命の一翼を担っているのです」という励ましと、文句言う他部署の人も仲間でお客様なのだという視点に気付いてもらう事、また「A君のお悩み」は具体的には何なのか、それは何故起こったのかについて、寄り添い、愚直に、図中で分解してみせる。この流れから、本来真面目で仕事きっちり系の彼の気持ちはポジティブに替わり、そこからどうやったら「お客様に喜んでくれるのか」という、その後の建設的な課題やアクションプランを自らホワイトボードに書き始めるのではないか!という「中堅くん」と「メンター」との熱い思いを込めた「ぐちゃぐちゃBusy」な図が出来た次第です。社業の現場では、会議のホワイトボードは「巌流島」、取り合うボードペンは主導「剣」。リモートワークに切り替わり早や2年、会議の段取りやサイバーなテクニックが益々重要な昨今ですが、早期解決を目指す「熱い気持ち」と「クールな進行」は変わらず最重要な要素。ここに図解は欠かせないという思いで、益々鼻息だけは荒いです。今後とも宜しくお願い致します。有難うございました。
  • 久恒先生、本日もありがとうございました。また、ゲスト参加といういつものメンバーと異なる視点が入ると、雰囲気もまた違ったものになり、楽しかったです。今日の図解の一つ目は、自社製品を図解するという教材会社の例。製品の作り手が考えていなかった自社製品の共通点や拡張性を全体像として考えて意味づけ(表現)をすることも重要というコメントがとても印象的でした。二つ目の図解では上司にも部下にも不満のある主任さんの悩みを図解しながら、面談で問題の本質に気付かせる問題解決テーマでしたが、自分事として自分主体で解決への一歩を踏み出せるサポートができれば、本人の成長も見られるのかなと考えてみましたが、現実の面談では、モチベーションが下がっているところを上向きに変えるのはまだまだ難しく、次回の問題解決の図解でも皆さんの様々なアプローチを拝見したいと思います。
  • 久恒先生、みなさま、図解塾2回目ありがとうございました。本日もあっという間の2時間でした。今回のテーマは、「図解千本ノック」が「自社の商品を説明する」、「課題解決」が「総務部主任の仕事の悩みを解決する」というものでしたが、図にしていくことで、文章を読んでいるだけでは気付かない、新たな「視点」が見えてくる、というところは、今回もかなり実感できました。さらに、参加者のみなさんの図解を拝見することで、より一層視点が広がってくるところが面白く、図解の醍醐味も感じました。また、限られた時間に集中して図を描きながら考える、というトレーニングは、難しいと感じる一方で、ちょっと爽快感に似た感覚もあります。たぶん、凝り固まってしまった頭のどこかがほぐされて、ストレッチのような効果があるのではないかと想像します。ジョギングと同じように、習慣にできると良いと思いました。次回も楽しみにしています。よろしくお願い致します。

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「今日のヒント」森信三。寺田一清『森信三 一日一語』(致知出版社

幸福とは、縁ある人々との人間関係を噛みしめて、それを深く味わうところに生ずる感謝の念に他なるまい。

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「名言との対話1月26日。甘粕正彦「大ばくち もとも子もなく すってんてん」

甘粕 正彦(あまかす まさひこ、1891年明治24年〉1月26日 - 1945年昭和20年〉8月20日)は、日本軍人(陸軍)

仙台市出身。1923年東京麹町憲兵分隊長で憲兵大尉のとき、関東大震災の混乱に乗じて無政府主義者大杉栄伊藤野枝らを絞殺した甘粕事件)で知られる。軍法会議で懲役10年の判決を受けるが、恩赦により短期で出所し、フランスに渡る。1年5カ月の生活だった。

1929年帰国し、中国東北部へ渡り、関東軍に協力して満州事変などを画策し、「満州国」の建国に関与した。満州国協和会中央本部総務部長、満州映画協会(満映)理事長などを歴任した。敗戦後に服毒自決した。

「甘粕大尉」の名は、李香蘭こと山口淑子や、アナキスト伊藤野枝のことを調べる中で、わずかに知ってはいたが、今回角田房子『甘粕大尉 増補改訂』(ちくま文庫)を読んで、その鮮烈な生涯の全貌を知った。この本のオビには「日本陸軍の暗部を生きた男」との文言がある。膨大な資料と克明な証言で甘粕正彦の実像に迫った労作である。

残忍な人殺し、思いやりの深い人情家、右翼の大立者、帝国主義者、豪放磊落、神経質なふさぎ屋、快活なユーモリスト、わがままで癇癪持ちのワンマン、典型的な能吏、有能俊敏の事業家、細心な事務屋、国際的な謀略家、ハッタリ屋、スタンド・プレイの名優、芸術愛好家、キザなスタイリスト、、。この矛盾に満ちた謎の人物の実像はいかなるものなのかに迫りたい。

甘粕正彦の言葉。

「生き甲斐は、民族の長たり、政治の首長たる皇室、皇室の有たる日本国に、凡てを空しゅうして仕ふること、、」「人間には運命がある。それから逃げることはできない。運命に従って、まじめにやることが一番大切だ」「人間は死ぬ時期と場所とが大切だ」「大ばくち もとも子もなく すってんてん」

外から見た甘粕。

「法廷で部下をかばうため、すべての罪を一身に引き受けた」(甘粕三郎)。「彼の言行力の旺盛なる、かつ勇敢なるは感服に値す」(橋本欣五郎)。「金の使いぶりのきれいだったのは、甘粕と河本大作の二人だった」(澄田?四郎)。「全く、私心というもののない人だった」「筋の通った立派な男だった。それに、ものわかりがよく、人情豊かで、部下のめんどうも実によくみてくれた」(三原朝雄)。「甘粕は右か左かにこだわらず、その人間を見た」(古海忠之)。「あれだけの人物はなかなかいない」「人が手を出さない、いやなことを敢然とやった」(川喜多長政)。「本当はよく気のつく、やさしい人だった」(山口淑子)。「私利私欲を思わず、そのうえ生命に対する執着もなかった」(武藤富男)。「一つの国を立派に育て上げようという大きな夢に酔った人だった」(森繁久彌)。

甘粕の言葉では、「大ばくち もとも子もなく すってんてん」を採った。敗戦から3日後に満映の理事長室の黒板に自筆で書いていた言葉を飯島満治が見ている。満州国の建国自体が日本の大きなバクチであり、そこに身を投じた自分の人生もバクチであったという感慨であろう。

今年の「名言との対話」は、「明治人」を対象としているから、今後も甘粕正彦という謎の人物をめぐる証言を目にするだろう。じわじわとその実像を深めていきたい。