「幸福塾」の2回目ーー第1部「倖せの構造」「天職」。第2部「塾生の幸福発見の披露と交流」。

「幸福塾」の2回目。岡山から新人も。

第一部:講義1時間

第二部:塾生の幸福の発見の披露と交流。1時間。

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塾生の学び。

  • 今日も非常に濃い2時間でした。人間の「公」「私」「個」のトライアングルのうち、「公」の部分すなわち仕事について、「天職」というキーワードで多くの人々の生き方が紹介されました。今日はこの部分が一番印象に残りました。12人のうち、創業者が多かったですがそれぞれ「人の信」「うぬぼれをもつこと」「わが輩は豚である」「神から与えられた聖業」など、「芯」をもっていたことを改めて思いました。創業者以外にも住井すゑの「人間の天職は人間」、小松方正の「どんな仕事も断らない」、バーテンダー山埼達郎の「真摯な姿勢で目の前の仕事に向かう」など、教えられることが多くありました。また、山埼達郎さんや、垣内さんが紹介してくれた東京新聞に載った看護師さんが90代後半でも現役で、これしかないと仕事に打ち込んでいるのにも心打たれました。前半は講義、後半は各自の発表という構成はとてもいいですね。
  • 久恒先生、皆様、本日もお疲れ様でした。「幸福塾」の2回目である本日、報道メディアでは石原慎太郎氏逝去のニュースでもちきりでした。「死ぬまで言いたい事言って、やりたい事やって、ヒトから憎まれながら死にたい」という政界引退の際記者会見での発言が耳に残りました。お茶目でシャイな大物が、人生の最終コーナーに差し掛かった時に「生涯現役で社会と繋がっていたい」と吐露したような気がしてとても切ない気持ちになりました。本日も久恒先生からとめどなく降り注がれた「言葉のシャワー」でも、共通のキーワードが出るわ出るわ。興奮しながらメモを取り続け、「倖せの2時間」はあっという間に過ぎて行きました。当方の感じ入った言葉は「真摯に取り組む」「人とのつながり」「働き甲斐、生き甲斐」、そして「天職」。最後の言葉は、きっと眼前のテーマに愚直に、深く広く、永く、取組み続けてこれた人だけが味わえる「至福な弛緩する一瞬」ではないだろうかと想像。自分もこれを目指したいとしみじみ思った次第です。併せて本日披露しました宿題である「97歳、輝く現役看護師」の新聞切り抜き(東京新聞1月20日掲載)を参考に、ある「倖せの形」を図解致しましたので添付致します。時間の都合で下書き版での披露となってしまい難読ですが、先述したキーワード達がちりばめられており、鳥肌モノの一品となりました。本日もありがとうございました。次回も宜しくお願い致します。
  • 久恒先生、みなさま、ありがとうございました。本日はまた一段と深みを増した内容で充実の2時間でした。まずは「倖せの構造」というテーマで、「人生は豊かさ(自由の拡大)への旅である」という図を紹介頂き印象に残りました。自由には経済的、肉体的、時間的、精神的という4つの自由があって、これをバランスよく拡大させていくところに豊かさを感じる源泉があるというもの。とらえどころのない「倖せ」を掘り下げていくうえでの具体的な視点になると思いました。次に「天職」。自分の天職とは何かを知るのは本当に難しいと感じます。バーテンダー山崎達郎の「真摯な姿勢で目の前の仕事に向かっていれば、いつか必ず、天職に出会うと思いますよ」という言葉は、天職を探そうと思っていてもみつからない、まずは目の前の仕事にひたすら向き合いなさい、との意に感じました。また、住井すゑの「定年制は資本主義の落とし子」「人間の天職は人間であること」「人間ひとすじに生きている場合は・・・生涯現役」という言葉には、懸命に自分の天職探しをしそうな気になりそうなところを諭されているのと同時に、人間を正しく生きるべし、と背筋がぴんと伸びる感じも受けました。最後の「塾生の発見」コーナーでは、最近出会った「長続きする幸せ」と「長続きしない幸せ」 という話を紹介させて頂きました。これは2017年11月14日ウイングアークフォーラム2017 東京での前野隆司氏講演録 「『働き方改革』と『幸せの経営学』」からの抜粋です。「金・物・地位を得ることは、幸せにつながります。(中略)。ですが、金・物・地位を得たことによる幸せは、長続きしないんです。これはイギリスのネトル先生(Daniel Nettle)が言っていることです。」「金や地位による幸せは長続きしない一方で、安全や利他性、つまり、みんなを幸せにしたいと思うことは長続きする幸せにつながるんです。なぜこっちは長続きするのか。」「これは進化論的には、前者は個体維持の本能であり、後者は集団維持、遺伝子の維持という本能に基づいているからではないかと言われています。」Daniel Nettleは英国ニューカッスル大学の生物心理学の先生だそうですが、幸福や幸せについて、様々な視点からのアプローチがあって面白いと思った次第です。
  • 2月2日の幸福塾のご開講ありがとうございます。先生がお示しの「幸福の形の図解」は、個人レベルでの幸福感だけではなく、利他の思想を考える上でも示唆に富むものと受け止めました。最近フレデリック・ワイズマン監督の『ボストン市庁舎』という上映時間4時間半のドキュメンタリー映画を観ましたが、マーチン・ウォルシュ市長の「行政は民主主義の実行」という姿勢が市民の幸福を願う施策に反映されていて心打たれました(今バイデン政権の労働長官だそうですが)。久恒先生の図解は、為政者、政治家、経営者などの理念形成にも大いに資するものと思います。
  • 今回もいろんな気づきをいただき、ありがとうございました。「しあわせとは?」を考えるうえで、条件、状況、時間軸等、いろんな視点から捉えることが大切だと改めて思うとともに、それゆえに「しあわせ」が幅広く奥深いもので、誰もが共感するような説明をすることは非常に難しいと感じました。これからの幸福塾で、自分なりの「しあわせの説明方法」を見つけていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。(課題の提出)「しあわせを探す」という課題をいただいて見渡したところ、身近にあったのは歌でした。私はさだまさしさんのファンで、彼の歌にはよく「しあわせ」の言葉が入っているのを思い出したので、サクッと数えてみたら50曲以上浮かびました。それで選択に迷いましたが、「幸福になる100通りの方法」という歌を紹介させていただきます。歌の冒頭の部分で、「しあわせ」を理屈で具体的に説明している訳ではありませんが、私はすごく共感していて大好きな部分です。「そして愛と感謝とが/同じものだと気づいた/そしたらとてもしあわせになった/しあわせはすぐ近くにいた」
  • 本日の幸福塾、ありがとうございました。幸福論とは、先生が前から掲げていらっしゃる豊かさの条件の「カネ・ヒマ・カラダ・ココロ」の図なのではないかというお話。人は「公」・「私」・「個」のバランスが大事。いろいろな幸福に関する名言は、この図のどこかに属していることになるのではないか。また、本日は、天職に関しての名言の数々。天職というものに出会えるのは、続けること、自分ではなく皆が幸せになること、元気にいつまでも働くこと、それが幸せとなるのかなぁと思いました。皆さんが見つけてきた言葉もためになりました。天職見つけられるよう歳をとっていきたいと思いました。私は相田みつをさん
    「しあわせはいつも自分のこころがきめる」(出典:こころの暦『にんげんだもの』(相田みつを美術館))日めくりカレンダーの言葉です。相田みつをさんの字もまあるくて、やさしい、しあわせがにじみ出てきそうで、この言葉にぴったりです。しあわせとは、毎日の暮らしにある当たり前ことを感謝してそれをしあわせと感じようと思いました。また、おなじことでも、しあわせか、そうでないかを決めるのは、自分の思い方しだい。何事もしあわせだと感じられるようになりたい。本日もありがとうございました。
  • 本日はありがとうございました。〜〜〜【感想】幸福塾で学びを得られること自体が幸せです。どんな仕事も断らないことが、自分の範囲を広げる可能性になることが印象に残りました。「まずはやってみる」につながることに気がつきました。今ここに没頭して取り組んでいる仕事が天職であるということ、研修を実施しているときの自分だと思いました。今ここに集中して楽しい状態なんです。今は、それがメインではなくなってしまったのですが、山崎達郎さんの「真摯な姿勢で目の前の仕事に向かっていれば、いつかは必ず天職に出会える」ことを信じて愚直に進めます。お金や地位を求めることは、長続きしない幸せを求めることでもあることに気がつきました。長続きする幸せを求めることで、結果としてお金や地位がやってくるのだと思います。【幸せの言葉】前回終了時から今回までの2週間の自分の生活を振り返り、幸せに通じるフレーズを書き留めました。・感じたことを自分の言葉で伝える/自ら開く、自己開示(ありのままの自分を表現できる幸せ)・自分を楽しくする/できることをまずはやってみる(ワクワク感をもたらす幸せ)・お腹を温める(身体が温まることの幸せ)・眠くなったら寝る(寝れることの幸せ)・お腹が空いたら食べる(お腹が空いた時に食物が身体に入ってくる幸せ)一言でまとめると、「自分を大切にする」が、結果として幸せをもたらす基盤になるのではないかと思います。その上での利他やギフトなのかもしれないと、思いを馳せました。
     
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  • 宮城大CSゼミのプロジェクトの活用。「県民満足度」「高清水」「玄関口」「ロイパ」「山大」。キーワードの発明・発見。
  • 新井満「色即是空」「空即是色」。変化。滅びと誕生。自由訳「般若心経」「イマジン」。「千の風」「この街で」。75歳。
  • 1万歩。

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「名言との対話」2月2日。東畑精一「(アメリカでは)万人が一生懸命に働いている」

東畑 精一(とうばた せいいち、1899年(明治32年)2月2日 - 1983年(昭和58年)5月6日)は、日本の農業経済学者。農学博士。 

三重県出身。東京大学農学部、大学院を経て、東大助教授、教授となる。アメリカ,ドイツ 留学し,ボン大学で J.A.シュンペーターに師事し、師の著作の多くを翻訳した。シュンペーターの革新論や企業者論を中軸にして、『日本農業の展開過程』を刊行するなど日本の資本主義や農業問題の解明を行った。

農林省農業総合研究所所長、アジア経済研究所所長、税制調査会会長など多くの調査研究機関、政策関係委員会の要職を歴任した。戦後の日本社会に多方面で大きな影響を与えた。 日本学士院会員、1970年文化功労者、1980年文化勲章受章。 

東畑精一東大教授は、農業経済分野の重鎮として名高いが、その著作は読んだことはない。今回、『アメリカ資本主義見聞記』(岩波新書)を読んだ。

1955年の日本生産性本部トップ・マネジメント視察団で参加したときのアメリカ見聞記である。東芝の石坂泰三団長、中山伊知郎(一ツ橋大学教授)副団長、他は三井銀行神戸製鋼、興銀、第一生命、安川電機の現役社長、それに東畑ら学者、通産省局長らが参加した豪華メンバーの50日に及ぶツアーである。

持参したポケットノートの覚書をもとにした見聞記で、別に公式の報告書もある。現在の日本にも示唆に富むエッセイだった。

1955年前後はアメリカ経済は史上最大の繫栄を謳歌している時期であり、そのダイナミックな姿に感銘を受けている。アメリカ側は鄭重、丁寧、親切な態度で接してくれた。自信、確信、信念を持った態度に感銘。また年金制度にも感心している。

ウェスチングハウス電機会社では、核分裂融合産業の技術者が不足している。USスチール。25万人の労働者のジョブタイプは142もある。マックグロウ=ヒル出版会社は工業技術書の発刊と財界調査を担当している。総じて規投資は社内留保をして資金でまかなっており、独立性が高い。企業は自己更新、自己拡大の運動体であるとみている。

官庁ではセンサス局について、低廉な費用で、正確性のが強いデータを提供していることに感銘を受けている。

ハーバード大学商科(ビジネス学部)では実践の学問性を、マサチューセッツ工科大学(MIT)では学問の実践性について深い印象を持った。アメリカでは実際社会と大学の差が少ない。日本はアメリカが実践と経験で得た結論を当てはめて「実証」としていると自己批判。ルールに当てはめるのではなく、創ろうとしている。産業人の再教育、再訓練。教授陣の3分の1はビジネス界からで、日本との違いに驚いている。

ライバルのソビエトとの対抗上技術者の育成が課題だ。技術者は販売係でもあるというという位置づけを知った。MITでは「軍事科学」(Miritary Sciens)が講義の必修科目にあったことも記している。

日米比較は随所にあるが、平均寿命についての記述があった。日本は1954年に男子64歳、女子68歳。7年間に14歳延びている。日本の延びは急激だ。アメリカは1952年で68歳。50年間に16歳延びている。

東畑のこの見聞記には産業界発展の基盤である「技術」についての観察が多い。その結果、法経科の卒業生で技術の理解を欠くものは有能な実業家にはなれないと見抜いている。総じて、企業は社会の公器であるという新資本主義などと日本では概念的に論じているが、東畑精一の印象は、アメリカでは「万人が一生懸命に働いている」ということだった。言葉やスローガンではなく、こういった事実を日本も見ならいたいとしている。

資本主義経済においては、誰もが「一生懸命働く」ということが経済発展の鉄則だということを確認した思いがする。現在の日本はどうだろうか。