知研岡山の「私の推薦する本」(ZOOM)という読書発表会に飛び入り参加。NHKBS「ほんたうに俺でよかったのか」(永田和宏)「最後の講義」(村山斉)。


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岡山知研のセミナーに参加。テーマは「私の推薦する本」という一種の読書発表会。

12人が参加独り5分の発表と感想と質問などが数分という趣向。次の予定があったので1時間で引き揚げる。三宅さん、伊藤さん、金関さん、辻川さん、雨坪さんは懐かしいメンバーでした。まったく違う分野の本などの紹介などがあり、実に面白い企画でした。早速数冊を注文しました。

 

岸さん:ヘミングウェイ老人と海』。自然との共生。乾いた文章。

 

金関さん:中丸明『絵画で読む聖書』。会話は名古屋弁。第3位はヒンズー教

 

上田さん:東野圭吾『沈黙のパレード』。ミステリー。横山秀夫「64(ロクヨン)」

 

雨坪さん:藤原巧『ワクワクを探してLets お墓参り』。極楽浄土はクラウド、お寺はサーバー、僧侶はシステムエンジニア、お経は議定書・手順書、お墓はデスクトップ、位牌はスマホ、戒名はURL、、、。

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20時からはBS三昧となった。実に面白かった。

「ほんたうに俺でよかったのか」。

妻に先立たれて12年。京都に住む永田和宏74歳(歌人生物学者)は妻・河野裕子が残した結婚以前の日記を読み、青春時代に妻が2人の男を愛し苦悩していたことを知る。永田が向き合うことになった妻の真実。70歳を過ぎて日記に心を動かされ、自らの青春をたどり直し、残りの人生を新たな気持ちで生きていく永田の姿を京都の四季の中に追う。

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「最後の講義」シリーズの初回の再放送。物理学者・村山斉。他は福岡伸一みうらじゅん西原理恵子。それらもみることにしよう。

人生最後なら何を語り残す? 今回は世界的な物理学者、村山斉「万物は原子は大嘘!」「私たちはどうやってできた?」「宇宙の鍵は暗黒物質」必ずワクワク!刺激的な知の冒険。各界の第一人者が“人生最後”の覚悟で珠玉のメッセージを贈る人気シリーズ「最後の講義」、世界的な物理学者、村山斉さん。日米の大学を拠点に最先端の宇宙研究をリードする。若い頃は挫折だらけ。う余曲折。アメリカへ飛び出した研究生活。原動力は子供時代の「科学は楽しい」。宇宙はどう始まった?私たちはなぜ誕生?次々生まれる疑問「真理を知りたい」。フロントランナーの熱血講義は驚き満載。大興奮と感動の49分は必見!

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「名言との対話」2月25日。ジョン・フォスター・ダレス「成功の程度を測る尺度は、どんなむずかしい問題を解決したかではない。去年と同じ問題が今年もまた持ち上がっていないかどうかである」

ジョン・フォスター・ダレス(1888年2月25日-1959年5月24日)は、アメリカ合衆国の政治家。日米安保条約の生みの親とされる。1952年から1959年までアイゼンハワー大統領の下で国務長官をつとめた。

「他のアジアの国々に対して日本人が、しばしば持っていた優越感と、西側陣営の「エリート・アングロサクソン・クラブ」に入る、という憧れを満たすことで、日本人のアメリカやイギリスなど西側陣営に対する忠誠をつなぎ止めさせるべきだ。日本を再軍備させ、自分たち西側陣営に組み入れるということと、一方、日本人を信頼し切れないというジレンマを日米安全保障同盟、それは永続的に軍事的に日本をアメリカに従属させるというものを構築することで解決した」と述べていると、ジョン・ダワーはその著「容赦なき戦争 太平洋戦争における人種差別」で書いている。「永続敗戦論」の源がここにある。

 2017年にNHKラジオアーカイブ「声でつづる昭和人物史」を聴いた。昭和史を専門とする保阪正康の解説で、吉田茂浜口雄幸犬養毅の肉声を聴いた。吉田茂「大磯に吉田さんを訪ねて」「(サンフランシスコ)講和条約から10年」は、1962年頃の大磯の吉田邸での前田義徳専務(後の会長)インタビューだ。マッカーサーと共同で再軍備を主張するダレスに対抗したこと、自立自尊でなければ国は保たないこと。吉田は60年安保条約についてはノーコメントだった。

矢部宏治『戦争をしない国--明仁天皇メッセージ』、孫崎亨『戦後史の正体』では、それを証明するダレスの言葉が紹介されている。ダレス「米国が望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間だけ駐留させる権利を確保する。それが米国の目標である」。「あらゆる軍事力を放棄した憲法9条2項」(マッカーサー)と「日本から自由に出撃し戦争をする在日米軍」(ダレス)という巨大な矛盾。、、、、、ダレス国務長官は、「公正な関係を築けなければ全アジアからアメリカは放逐されるだろう」という危機感はもってはいたようだ。

日本の外務大臣以上の権限を持ち、大統領にことがあったときの副大統領、上下両院議長の次に位置する国務長官職のの兄と5歳年下でアイゼンハワーケネディ政権でCIA長官をつとめた弟という秀才兄弟は、表と裏で、第二次大戦後の世界を強権で制圧した。二人の根底には、「アメリカは特別な国さ」という信念と「永遠の真実」を信じる宣教師的信条があった。徹底した善悪二元論国益を追求するアメリカの行動原理の推進者であった。

歴史のなかで賛否両論の評価はあるが、ダレスは稀にみる仕事師であったことは間違いない。冒頭の言葉には、ダレスの仕事ぶりの真髄が垣間見える。難問の解決で喝采を浴びるのではなく、眼前にあらわれる問題に対応し解いて、1年後にまた同じ問題が登場しないように、踏み固めていくのが組織の進歩を意味するのだ。その場しのぎの緊急対応でしのぐのではなく、できるだけ長く持ちこたえる解決策、抜本策を考えて処理をすることが大事なことなのだ。この言葉には深く納得する。