寺島実郎の「世界を知る力」対談篇の相手は青森県の三村知事ーー青森の人物19人。西山美術館「ロダン・ユトリロ専門館」を訪問。

寺島実郎の「世界を知る力」対談篇。「地域のポテンシャルを考える」第一弾の相手は青森県の三村知事。三内丸山遺跡という舞台を使った充実した内容だった。歴史と地理、そこからみえる青森の未来を語る番組だった。

縄文時代は1万5000年前から2500年前の1万2500年間続いた。三内丸山遺跡(2021年に北海道・北東北で世界文化遺産登録)は縄文前期から中期の6500年前から4000年前の2500年間。列島10万人。9割が東日本。歴史人口学。日本の中心。この遺跡は500人?弥生時代以降は、紀元前1000年から、まだ3000年しかたっていない。

番組では山川健次郎太宰治寺山修司という青森出身者の名前があがっていた。今日は、少し深掘りして主に「名言との対話」で取りあげた青森県出身の人物を挙げてみたい。

津軽地域:気質「陽気・意地っ張り・派手好き。酒が強い」

  • 斎藤仁「剛毅朴訥」。1961年1月2日 - 2015年1月20日)。日本の柔道家青森市

南部地域。気質「寡黙・人見知り・温存・仲間意識が強い」

下北地域を中心とする旧斗南藩。気質「陽気・人見知り・仲間意識が強い・我慢強い」

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西山美術館(町田市)

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ロダンユトリロ専門館で、ロダンの彫刻52点。ユトリロの絵画76点が展示されていた。ナックという会社の創業者に西山由之(1942年生まれ)という人が建てた美術館。6千坪の広大な敷地である。

成功した経営者が、その富を用いて名画や名彫刻を収集し、特色のある個人美術館を残す。そしてその美術館を永きにわたって多くの人が訪れて一流の芸術を堪能する。こういう生き方は最高のモデルであると思う。 40万円のマイセンのカップで紅茶などを楽しめる。西山由之『今やれ すぐやれ 早くやれ』(「幻冬舎)を購入。

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「名言との対話」ジョン・アーンスト・スタインベック「少数のものに手に集中しすぎた富は奪われることになる。、、飢えと寒さに苦しむ多数者は、自分たちに必要なものを力ずくで奪うだろう、、、。抑圧は抑圧されるものの結束を強めるだけだ、、、」。

ジョン・アーンスト・スタインベック(John Ernst Steinbeck, 1902年2月27日 - 1968年12月20日)は、アメリカ小説家劇作家。享年66。

アメリカリフォルニア州生まれ。スタンフォード大学中退。1929年デビュー。1934年4月の短編作品『殺人』がO・ヘンリー賞。1935年『トーティーヤ大地』出版し、カリフォルニア・コモンウェルス・クラブから金メダルを受賞。

1939年『怒りの葡萄』を発表。大干ばつで土地を奪われた中西部の農民たちのカリフォルニアへの旅を描いた。ピューリッツア賞を受賞した。内容が刺激的で発禁にした州もあった。映画化され、ジェーンフォンダが主演した。2部門でアカデミー賞を受賞している。『怒りの葡萄』は今日まで1400万部以上売れている。

1952年『エデンの東』を刊行。一族の歴史と父と子の葛藤を描いた。聖書の物語と南北戦争から第一次大戦までの時代を背景にカリフォルニアの一家族の歴史を描いた大作。映画化され、ジェームス・ディーンが主演している。生涯で27冊を刊行した。小説16冊、ノンフィクション6冊、短編集2冊など。1962年にはノーベル賞を受賞している。アメリカ文学の巨人である。

怒りの葡萄』(上巻。新訳版。黒原敏行訳)を読んだ。

オクラハマからカリフォルニアまでの苦難に満ちた旅であった。大干ばつにあい、農場の財産はわずかな金額にしかならなかった。土地と食べものを求めての壮大な西への旅であった。

国道66号線(ルート66)の旅は、ミシシップ川から、赤い土地、灰入りの土地、山岳地帯、大分水嶺、砂漠。山、そしてようやくカリフォルニアへ続く、アメリカを横切る道路であり、当時はひしめく逃亡の道であった。カリフォルニアはオレンジや葡萄などの果物が育つ夢の土地であった。

第14章の初めにスタインベックの思想が書かれているところを発見した。

肉体と精神の成長し労働し創造したいという欲求。それが人間といものだ。労働の欲求。創造の欲求。自分の労働を超えて成長し、自分のつくりだした構想の階段をのぼり、自分のなしとげたことの先へ進んでいく。この性質こそ宇宙の中で人間が特別存在である理由である。人間はときにまちがいを犯しながら前に進もうと悪戦苦闘するものである。

「銀行は人間を超えたものなんだよ。怪物なんだ。人間がつくったものだが、もう人間を超えたものなんだよ」。「ビジネスとはもっともらしい手続きを踏んだ泥棒だと知っている」。「農業は企業活動となった。、、、奴隷を輸入したのだ。中国人、日本人、メキシコ人、フィリピン人という奴」。そして農業は大規模になって、農場主は農場で働かなくなった。利益と損失だけを考える。

下巻は、カリフォルニアが舞台。美しく豊かな果樹園や綿畑と、敵意にさらされながら低賃金のわずかな仕事を奪いあう過酷な日々。歴史の荒波のなかで資本主義に翻弄される人びとの苦境を浮き彫りにした。

スタインベックの主張の中心は「少数のものに手に集中しすぎた富は奪われることになる。、、飢えと寒さに苦しむ多数者は、自分たちに必要なものを力ずくで奪うだろう、、、。抑圧は抑圧されるものの結束を強めるだけだ、、、」だろう。主人公の家族の母親が「お金なんか稼いだってしょうがない。大事なのは家族がばらばらにならないことだ」という言葉も印象に残る。