構造の発見、概念の創造、事例の捜索。

朝:南大沢。午後:新宿。夜:自宅でデメケンミーティング。

この合間に、水曜日の「幸福塾」の準備に集中ーー構造の発見、概念の創造、事例の捜索。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「名言との対話」3月14日。アインシュタイン「人間を戦争というくびきから解き放つことはできるのか?」

アルベルト・アインシュタイン: Albert Einstein1879年3月14日 - 1955年4月18日)は、ドイツ生まれの理論物理学者である。20世紀最高の物理学者。

1905年、26歳で特殊相対性理論を発表。。唯一不変なのは光速のみとする。

1915、16年。一般相対性理論を発表。星の重力で光は曲げられる。E-=mc2。

1912年、母校のチューリッヒ工科大学教授。1921年光量子仮説に基づく光電効果の理論的解明しノーベル物理学賞を受賞。1935年、アメリアへ移住。平和運動。1955年ラッセル=アインシュタイン宣言。

 

アインシュタインの言葉」(弓場隆訳。ディスカバー21)を読んだ。アインシュタインが舌を出している有名な写真は、大学の講義で英単語のスペルミスを学生に指摘されたときに撮影されたものだが、ユーモアの精神にあふれた、そして世界中の人から親しまれたアインシュタインの人柄をよく表している。この本の中から好きな言葉を抜き出してみたい。

  • 知的な馬鹿は、物事を複雑にする傾向があります。
  • 私はふたつのことに畏敬の念を抱いています。満天の空と自分の中にある宇宙です。
  • 大学における一般教養の価値は、多くの事実を学ぶことではなく、教科書から学べないものについて考えるよう頭を鍛えることにあります。
  • どんな政府もある程度は邪悪なものです。
  • 賞賛を浴びて腐敗するのを回避する唯一の方法は、粛々と仕事を続けることです。
  • 失うものがほとんどない年配者は、若い人たちのかわりに堂々と発言すべきだと思います。

 他にも、名言は多い。

  • 賞賛による堕落から逃れる方法はただひとつ。仕事を続けることである。人は立ち止まって賞賛に耳を傾けがちであるが、唯一なすっべきことは、小さんから目をそらし、仕事を続けること。それ以外の方法はない。
  • 天才とは努力する凡才のことである。 
  • 教える能力というものはおもしろく教えることである。
  • 長いくるしい努力なしに、ただの思いつきなどと言うものはないのです。(渡部昇一「一日一言」)

1922年の11月18日はアインシュタイン博士が来日した日である。日本に来る船上でノーベル賞の受賞が決まった。神戸着。アインシュタインは2週間ほど日本に滞在。日本各地で講演し、日本は空前の科学ブームになった。長岡半太郎、本多光太郎など高名な科学者が薫陶を受け、多くの少年たちが科学の道を志した。
慶応義塾での講演の通訳は石原純博士だった。2000名の聴衆を前に、5時間の熱演。講演旅行には漫画家・岡本一平が同行した。神田基督教青年会館。東京帝大での6回の連続講義。その後、仙台、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡を回った。門司港から帰国の途についた。

私は2010年に門司港の三井の建物にはアインシュタイン博士夫妻が泊まった部屋があり、記念室になっていて訪問したことがある。門司の門司レトロ地区の看板的建物が、三井物産門司支店の社交倶楽部だった「旧三井倶楽部」だ。重要文化財で移築には大きな苦労が伴った。平成3年3月にスタートし、平成6年12月に竣工している。大正ロマンを感じさせる木造の優雅な西洋建築である。ここにアインシュタインメモリアルホールと林芙美子記念資料室がある。日本は大正デモクラシーの高揚期で改造社からの招きで43日間の日本滞在だった。そのうちの一週間を三井倶楽部で夫妻で過ごしている。福岡での講演では3000人の聴衆で、その通訳も石原純だった。

アインシュタインの影響力は大きい。2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊博士はアインシュタインの本に感化されたと語っているのもその一つだ。

2009年の政権交代があったが、この時の鳩山由紀夫総理の所信表明演説にも登場する。ーー私が尊敬するアインシュタイン博士も、次のように述べています。「人は他人のために存在する。何よりもまず、その人の笑顔や喜びがそのまま自分の幸せである人たちのために。そして、共感という絆(きずな)で結ばれている無数にいる見知らぬ人たちのために」。

アインシュタインフロイト『人はなぜ戦争をするのか』(講談社学術文庫)を読んだ。 1932年の二人のユダヤ人の天才二人の書簡と解説である。物理学のアインシュタイン53才、心理学のフロイト76才。そして解説は養老孟司斉藤環だ。

アインシュタインから、フロイトへの質問は以下の通りで、フロイトがそれに答えている。「人間を戦争というくびきから解き放つことはできるのか?」がメインテーマだった。

・なぜ少数の人たちがおびただしい数の国民を動かし、彼らを自分たちの欲望の道具にすることができるのか?

・国民の多くが学校やマスコミの手で煽り立てられ、自分の身を犠牲にしていく。このようなことがどうして起こり得るのだろうか?

・人間の心を特定の方向に導き、憎悪と破壊という心の病に冒されないようにすることはできるのか?

最近、ロシアがウクライナに進攻し、戦争が勃発した。アインシュタインが発したこの質問の答えはまだ人類は発見していない。