知研セミナー:小酒井正和「仮想世界だけじゃないメタバース」ーー講義と体験会


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メタバース」はホットなテーマなので、学生も含め23人が参加。

以下、私の理解可能な範囲でキーワードをピックアップ。

デジタルツイン=現実世界+仮想世界。フィジカル空間とサイバー空間。リアルとメタ。現実空間と超空間。二つの世界を自由に出入り。

世界はいくつもある。コミュニティは選べる。ユーザーがつくりあげる。ミラーワールド。子どものマインクライフト。自動運転などシミュレーションして社会化、マース、近未来モビリティ。ソサエティ5.0。SPATIAL(仮想空間の職場)。AR(拡張現実)はポケモンなど。Figment(窓から)。

マイクロソフトはMR(複合現実)。Hololens。Lidarセンサー付きグラス型デバイスAVATAR異世界の自分。容姿からの解放と自由。アバター参加。自分を見せなくてよい。ミチコンPlus(スマホアプリ)。NFTはコピーされない、ブロックチェーン

教育。マイクロシフトはマインクラフト。SAP(メタバースの拡張)は業務フロ。アップルは教育プラットフォーム、iPad。子どものゲームから。グーグルも教育ソリューション。ブロックチェーン。暗号資産。

体験:cluster。ワールドクラフト。内面から始まるコミュニケーション。出会いの場の拡大。「バーチャル渋谷」。ドラえもんの世界。麻雀。不登校もZOOMで出席。フェアな教育。性善と性悪。コントロールが必要。本性の心理学。

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ゲスト講師の小酒井先生から
  • 本日の知研セミナーにご参加いただきましてありがとうございます。弟子たちも参加させていただきまして光栄です。まだまだゲーム以上の価値を提案しきれておらず、予断を許さない話題ではあります。本当に、ブロックチェーン技術を主体としたネット社会の民主化が成し遂げられるかはまだ分かりません。他方で、AppleGoogleはハードウェアでユーザーをロックインしようとしてるフシもあり、イノベーションを阻害する立場にも見えます。今後、本学でももうちょいおもしろいコトを開発する方向でもありますので、継続してお知らせできることができましたら、お知らせしたいと存じます。

参加者の学びから。

  • 6月の知研セミナー、メタバースについてのレクチュアと体験会終了いたしました。この日のために多大なご準備をしてくださった小酒井先生、誠にありがとうございます。メタバースへの取り組み方や考え方、デジタルツインについてもよく理解できました。日本はどちらかというと、新たな世界に支配的に関わりたい、という冒頭のお話を聞いて、なるほど、と感じました。最後の出席者による簡単な感想と質疑応答では、今後の教育についてこの新たな(とは言え、既に考え方自体はかなり前からあったそうですが)プラットフォームをどう考え、どう活用していくかについて示唆に富んだ質疑があったように思います。是非またこういったテーマで更に深くメタの世界への検知を深めたいと思います。
  • 小酒井先生、本日は知研セミナーメタバースの講義ありがとうございました。実際にアバターメタバースの空間を体験させていただく貴重な機会でした。自分のアバターが仮想空間の中を歩いたり走ったりする、というのは事前にイメージしていましたが、実際に体験してみると想像していた以上に面白く、アバターが飛び跳ねるところはユーモラスで思わず笑ってしまいましたし、うまくポーズはとれませんでしたが、階段を上がって集合写真をとったりと、いろいろなことが、仮想空間の中で一味違った楽しさになっているという感覚でした。そういう意味では、リアルな世界からは感じられない新しい楽しさ(新しい価値も)が生まれる可能性が大いにありそうだ、と思いました。本日は貴重な体験、ありがとうございました。
  • 今日の知研フォーラムは、玉川大学の小酒井先生のメタバースのお話と体験でした。クラスターは今年の初め頃、名前は覚えていませんでしたが一度経験したことがあります。微生物学が専門の友達が主催した、いわば微生物の水族館ともいうような空間でした。アバターで動いたり展示の前でその専門家に質問したりしました。FacebookからMetaに社名が変わったのに当座はぴんときませんでしたが、クラスターなどの経験をするうちに経営者がそういう方向を目指しているのかと少しずつ分かってきました。岡山の中学校の先生のお話は、たいへんよく分かり、共感します。また、バーチャルでの恋愛の話題もとても面白かったです。オンラインで知り合い、リアルで会えるようになるのが楽しみ、というのもよかった。たしかに、そういうこともあり、だと思いました。楽しかったです。ありがとうございました。
  • 小井井先生:本日のセミナー、大変有り難う御座いました。最近のIT技術の状況に疎い私にとっては、驚かされる事が非常に多く、又、考えさせられるセミナーでした。仮想空間など訳のわからない話だと思っていましたが、ここまで進んでいるのですね。昔、インターネット、SNSという概念を最初に聞いた時の事を想起致しました。最初は、馴染めない話でしたが、今では、私さえ、その世界の中にいます。本日の小酒井先生のお話も、近未来の話だと思います。私はアバターによる仮想空間の恋愛は、現実に会えば、想像していた容姿と異なり、お互いに幻滅するのかと思っていましたが、若い人の経験談では、逆に容姿に捕らわれず、人間の中味で判断出来るので、良い面があるとの話でした。メータバースは単なる手段ですが、逆に人間関係や社会も変えうる可能性があると感じました。お陰様で非常に勉強になりました。有り難う御座いました。
  • 小酒井先生、本日は、大変興味深い貴重なお話をありがとうございました。遊びの美学を持って実学をと言うことを小酒井先生が大切にしておられるとの事で、私も、普段あまり、そのように考えないので、ぜひ遊びの美学を大切にしてみようと思いました。今日の講義も、その精神が、メタバースのお話しに含まれているように思いました。メタバースの普及経路の図表がとてもわかりやすく、現在のメタバースの位置がよくわかりました。①ゲームの地ならし②仕事と学校での利用拡大③経済圏の成立と流れがありますが、数年以内には、③に行くのではと、メタバースの可能性を期待しています。今まで言葉の意味やつながりが、よくわからなかったのですが、③になった時、メタバース、NFT、希少価値、仮想通貨など融合する意味や重要性が、今回の講義で、わかるようになり、感謝しています。VR活用方法ですが、奈良時代鎌倉時代、江戸時代などさまざまな時代に行って、その時代の人の暮らしについてや当時の人の気持ちの理解が深まり、学習や教育の場や趣味活動で役立つのではと思いました。また、地域のさまざまな社会課題解決にも役立つのではと思いました。クラスターの体験演習もでき、とても楽しく学ぶ事ができました。おかげさまで、メタバースについて、今後も、理解を深めたり、取り組んだり、関っていきたい思いが、強くなり、今回の小酒井先生の講義を受ける事ができましたことを感謝しています。ありがとうございました。
     

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16時:多摩大OBの岡君とZOOMで打合せ

19時:知研幹部会

20時:知研セミナー「メタバース

21時半に終了後、テレビで力道山を取り上げていた。朝鮮人と日本人。大相撲の関脇で突如辞めた原因は「朝鮮人大関横綱になれない」という師匠の言葉が原因だったという張本の証言。

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「名言との対話」6月17日。臼井吉見「教育の中軸は自己教育だと思いますが、その自己教育の中核は、自分と異質な人間との対話です」

 臼井 吉見(うすい よしみ、1905年6月17日1987年7月12日)は、日本の編集者評論家小説家日本藝術院会員。

臼井 吉見(うすい よしみ、1905年明治38年)6月17日 - 1987年昭和62年)7月12日)は、日本編集者評論家小説家

長野県安曇野市出身。旧制の松本中学、松本高校を経て、東京帝大文学を卒業。臼井は後に原発事故で知られた福島県の双葉中学の国語教師にもなっており、また郷里で教員をつとめた後、上京し総合雑誌『展望』の編集長をつとめる。文芸評論家としても活躍する。

1964年、59歳から大作『安曇野』を書き始め、途中病気の5年間もあり、この邂逅の物語を69歳で完結させ、谷崎潤一郎賞を受賞する。原稿は5600枚だ。登場人物は、新宿中村屋を興した安曇野出身の相馬愛蔵と黒光夫妻、荻原碌山、井口喜源治、木下尚江、そして臼井である。明治から昭和にかけての、安曇野の人々を中心とした人生における邂逅の物語だ。安曇野が有名になった作品である。

その後、天皇制を論じた『獅子座』というライフワークに取り組むが未完に終わっている。明治維新臼井吉見に寄れば、王政復古ではなく、岩倉具視のクーデターだった。臼井は天皇に対しては戦争責任を問わないわけにはいかないとという意見だが、同時に天皇に限りないシンパシーも持っていた。一人の人間から基本的人権を奪っているという考えだった。ついにライフワークは完成しなかった。

2012年に安曇野を訪れたとき、安曇野ちひろ美術館碌山美術館と、臼井吉見文学館を訪ねた。小学校校長先生は、深田久弥が『日本百名山』で取り上げた、窓から見える常念岳(2857m)を指しながら、「常念を見よ」と臼井らに語っていた。郷里の山は人格形成に影響を与えることが多いが、臼井はこの言葉をしっかり覚えていた。三角の形をして美しい常念岳は臼井の心にも影響があったのだろう。

臼井の講演録「自分をつくる」には、教育者としての名言が並んでいる。

「体を動かし、頭で考え、心に感ずる」

「精神の成長の時期に作られる友達が生涯の友達です。たがいに精神の成長の秘密を知っている同志が友人です」

「肝心の発電は、他人任せにして、電線だけ引っ張って、自分の精神の火をともそうとしたって、だめなんです。か細くても、消えそうでも、精神の世界では、自家発電でなくては、ごまかすわけには行かない」

臼井吉見という名前とやや太り気味の姿は子供の頃のNHKの人気テレビ番組「それは私です」で覚えている。山本嘉次郎、池辺良、中村メイコ曽野綾子と並んで人当ての推理をする番組だ。臼井は偉い人のように思ったが、よく間違えるので愛嬌があったように記憶している。

座右の銘「滾々汨々」(こんこんいついつ)は墓碑にも刻んである。考えや知恵がこんこんとわき出るようにしていたいという意味である。

「教育の中軸は自己教育だと思いますが、その自己教育の中核は、自分と異質な人間との対話です」。この言葉は、教育の本質を突いている。人は自分で自分を教育していくしかない。その中核は同質との遭遇である。仲間との交流は心が休まるが、それでは成長は望めない。常に新しい空間に身を置き、自分とは異質の人たちとの遭遇を求めて行動しよう。自分は自分自身を鍛える最高の教育者なのだから。