知研・読書会「すてきな本を紹介しよう!」の第2回目で紹介された本。

知研・読書会「すてきな本を紹介しよう!」第2回

私は残念ながら参加できなかったが、主宰の都築さんを中心にいい読書会になったようだ。以下、紹介された本。

 

 

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「名言との対話」8月26日。マザー・テレサ「あなたがたの「周辺のカルカッタ」で働く人になってください」

マザー・テレサ(Mother Teresa, 1910年8月26日 - 1997年9月5日)、あるいはコルカタの聖テレサ(Saint Teresa of Calcutta)は、カトリック教会修道女にして修道会神の愛の宣教者会」の創立者

 今の北マケドニア共和国出身。父はルーマニア系、母はアルバニア人。富な裕暮らしをしていた。12歳では将来はインドで修道女として働く夢を抱いていた。インドカルカッタ聖マリア学院で地1929年から1947年まで地理と歴史の人気教師となった。

1946年「すべてを捨て、もっとも貧しい人の間で働くように」と啓示を受ける。曲折を経て、1948年に教皇の許可を得て、テレサはスラム街に分け入っていく。街頭での無料授業には学院の教え子たちがボランティアとして集まってくる。

1950年には教皇庁から「神の愛の宣教者会」の認可をうけ設立。この会のリーダーとなったテレサは、指導的修道女として「マザー」と呼ばれる。以後、ホスピス児童養護施設などを開設していく。1960年代までにこの会に活動は全インドにひろまっていく。

1969年には映画『すばらしいことを神様のために』と同名の書籍によってマザー・テレサは世界的に知られる。1971年のケネディ賞から始まり、シュバイツアー賞、アメリカ合衆国大統領自由勲章などが贈られるが、最大のものは1979年のノーベル平和賞だ。賞金はすべて活動に当てている。

1997年に亡くなったとき、「神の愛の宣教者会」は、4000人のメンバーと123ヵ国・610箇所の拠点となった。ホスピスHIV患者の家、ハンセン病者の施設、炊き出し施設、児童養護施設、そして学校などを持っていた。

インド国民だけでなく世界中の人々から尊敬され、慕われたマザー・テレサの葬儀はインドの「国葬」であった。インド独立の父であるマハトマ・ガンジー、初代首相ネールに続き、3人目であったというから、その業績の偉大さが理解できる。

マザー・テレサ 愛と祈りのことば』(渡辺和子訳)を読んだ。渡辺和子は岡山のノートルダム清心学園理事長で、ベストセラー『置かれた場所で咲きなさい』で多くの人に勇気を与えた修道女だ。マザーが帰天したときには、着古したサリーとカーディガン、古びた手さげ袋とすり切れたサンダルだけだったと紹介している。

984年にマザー・テレサが来日したおりに渡辺は通訳をつとめている。マザーの話に感動した学生たちがカルカッタにボランティアにいきたいと申し出た時、「あなたがたの「周辺のカルカッタ」で働く人になってください」と答えたというエピソードを紹介している。確かに私たちの周辺にはさまざまの「カルカッタ」が存在している。この本の中でマザーは「年老いた人々は、自分たちの話に耳を傾けてくれる人々を求めています」と語っている。ここにもカルカッタがある。それぞれが「わたしのカルカッタ」で力を尽くすことが大切であることを教えてくれる。