小泉悠「ロシア・ウクライナ戦争と日本安全保障」。日蓮正宗と創価学会。稲盛和夫。川柳。

寺島文庫リレー講座は、小泉悠「ロシア・ウクライナ戦争と日本安全保障」。

1982年生まれの40歳。東大先端研の専任講師。以下、簡単なまとめ。

  • 有事と平時の垣根が小さくなっている。衛星利用で民間でも実態がみえる時代。
  • プーチンは論文を書く大統領。「ロシアとウクライナは歴史的に一体」。ネオナチなど人道的理由、核、ミサイルなどの軍事面、旧ソ連の第3の豊かな大国、旧ソ連EUなどの地政学面からも、今回の戦争の要因はみあたらない。ウクライナはロシアの一部、そこが西側に入ることは許せない、このプーチンの野望だ。
  • 2月24日の開戦から数日間の首都攻防。3月末までの北部戦線の失敗。8月までの東部集中作戦。9月からのウクライナの主導権。
  • ロシアは簡単にはつぶれない。すべてが60点の国。石油と農産物。ウクライナは中途半端でやめられない。2月まで戦闘は続く。停戦まではもう1年はかかる。大戦争はありうるとNATO首脳会談。長期冷戦の可能性もある。

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ウオーキングの途中で、近所の日蓮正宗・廣妙寺に入る。パンフレットで、ともに日蓮をいただく、日蓮正宗創価学会の関係がよくわかった。

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  • 日蓮正宗:3000年前に仏法。末法の世に日蓮が出て1253年「南無妙法蓮華教」の宗旨を建立。法華経。七宝「聞・信・戒・定・進・捨・ざん」で「心の財」。この世を正しく幸せにしていこう。浄土も地獄も心に中にある。生老病死という四苦。加えて「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五陰盛苦」という八苦。南無妙法蓮華経を唱えて「常楽我浄」を開く。道徳は現在。仏教は過去・現在・未来の先祖・子孫も対象。まっとうな人生のための「五戒」。釈尊は72歳から「法華経」、涅槃の直前の80歳で「涅槃経」を説いた。真の幸福は因果の道理を基礎に、健全な生命、深い智恵、強い心を養うことでもたらされる。「立正安国」は正法を立てて国を安んず。現在は没後700年。日蓮正宗は内外700の寺院。世界50ヵ国に信者。
  • 創価学会が破門された理由:1930年に牧口常三郎が教育者信徒を中心に創価教育学会。1946年に戸田城聖が宗教法人創価学会として再建。「信徒は日蓮正宗に所属させる」と約束。1990年創価学会日蓮正宗の「唯授一人の血脈相伝」等を否定し「大聖人直結」を主張し日蓮正宗を攻撃。1991年に破門。別々の道を歩むことになった。

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今日の収穫:稲盛和夫

  • 「つらいこともあった、楽しいこともあった。いろんなことがあった。それらのことに遭遇しながら生きてきて、どういう魂になったのか。それが人生の宝であり、人生の目的ではなかろうか」(「稲盛和夫一日一言」)
  • 「今日一日一生懸命生きていれば、明日は自然に見えてくる。明日を一生懸命生きていれば、一週間が見えてくる。今月一生懸命生きていれば、来月が見えてくる。今年一生懸命生きていれば、来年が見えてくる。その瞬間瞬間を全力で生きることが大切なんだ」(「稲盛和夫のガキの自叙伝」から)

今日の川柳

 あのシルバー ちょっと違うぞ いぶし銀

 メモをとる そのメモいつも まとめてない

 時機をみて 時節にかんがみ 腰あげず

 相続は 財産でなく 一芸を

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後ろ姿探検隊。1万歩。

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「名言との対話」10月23日。福原麟太郎毎日つづけるということが読書の秘訣である」

福原 麟太郎(ふくはら りんたろう1894年10月23日 - 1981年1月18日)は、日本の英文学者、随筆家
広島県福山市生まれ。旧制福山中学(誠之館)を経て、東京高等師範画稿英語科、研究科で学ぶ。1921年、母校の助教授。1929年、英国のロンドン大学ケンブリッジ大学で研究。1931年に帰国し東京文理科大学助教授。
1930年、母校の東京高師教授に就任。戦後、日本英文学会会長。戦後の学制改革で東京高師から名前を変えた東京教育大学の文学部長をつとめた。定年退官後は、共立大学、中央大学で教授。
英国留学時代からのテーマであった「トマス・グレイ」の研究で、博士号に加え二度の読売文学賞を受賞している。1968年、文化功労者
福原は福山誠之館の出身である。梅棹忠夫著作集第7巻「日本研究」にこの藩校・誠之館のことがでてくる。卒業生の有名人があがっている。福原麟太郎(英語教育の大御所)の他に、森戸辰男(文部大臣)、井伏鱒二(作家)、藤井崇治(電源開発総裁)、挟間茂(住宅公団総裁)、小塚泰一(明治製糖社長)、葛原しげる童話作家)、宮地伝三郎京都大学教授)、藤原弘達明治大学教授)、、、。
人材産出率は非常に高いと書いている。さらに調べると、山本譲(宇部興産社長)、丸山鶴吉(警視総監)、重政誠之(農林大臣)、高橋等(警視総監)、栄久庵憲司(工業デザイナー)、袴田茂樹(学者)、菅波茂(国際医療ボランティアAMADA創設者)、島田荘司(小説家)、などがいる。最近では映画監督や漫画家なども出ている。この藩校の後継学校は、「修身斉家」ではなく、「治国平天下」が戦前の教育方針だったことが影響している。
トマス・グレイは18世紀のイングランドの詩人、古典学者でケンブリッジ大学の教授である。福原が30代のころかた追い続けたこのテーマで、福原は後に博士号をとり、二度の読売文学賞を受賞している。福原は英文学、英語教育の第一人者である一方で、随筆の名手であった。学殖豊かな滋味のあるエッセイは多くの人を魅了した。
福原は1923年から1977年まで50年以上にわたって間断なく著書を刊行している。その結果、専門の英国・英語を中心とした『福原麟太郎著作集』全12巻(1968-69)と『福原麟太郎随想全集』(1982)が編まれている。
随想では『人生十二の智慧』『中流人の幸福』『停年の設計』『永遠に生きる言葉』『芸は長し』『天才について』『幸福について』など、読書欲をそそる題名が並んでいる。
ここでは『読書と或る人生』から、読書について教えを乞うことにしよう。
速読精読にいずれにしても、毎日つづけるということが読書の秘訣である」の後には、「いつのまにかたくさんの本を読んでいるものだ。読みたいときに読む、などというのは、たくさん本を読む法ではない」が続いている。
どういうやり方でもいいから、毎日本を読みなさいというアドバイスだ。本を読んで終わりではなく、何らかのアウトプットをするという習慣を持つと読書によって得る知恵が積み重なってくる。読書カード、読書日記、読書会など、やり方はいくつもある。私の場合は、この「名言との対話」を書くために、強制的にあらゆる分野の本を速読せざるを得なくなっている。福原のアドバイスはよくわかる。これを機会に福原麟太郎のエッセイを手にしよう。