「アクティブ・シニアの時代ーー新雑誌の刊行に向けて」というテーマで説明会を行った。20時から22時まで。17人の参加があった。
「アクティブ・シニア革命」は、今の時代に生きる人々の心を打つキーワードであることが確認できた。
「アクティブ・シニア倶楽部」での説明会も終わり、いよいよ雑誌作りがスタートする。
以下、参加者の感想から。
- アクティブシニア倶楽部の第1回セミナーに参加しました。久恒先生から改めてアクティブシニアとは何か、アクティブシニア倶楽部立ち上げの背景、雑誌『アクティブシニア革命』創刊に向けての案内などがありました。外からも内からも、何故か負のイメージが先行しやすいシニア世代ですが、よくみれば、元気に活躍されている人や、勇気をもらえるような生き方をされている人もいて、シニアは大きな資源という見方に賛同します。また、長い年月をかけてシニアとなって初めて得られるもの、到達できるものなどもあり、そうしたプラスの面を『アクティブシニア革命』という雑誌を通して集め、発信できれば、文字通りのアクティブシニア革命になると思いました。ありがとうございました。これからの展開が楽しみです。よろしくお願い致します。
- 本日、アクティブ・シニア倶楽部のセミナーに参加させていただき、ありがとうございました。多くの年配の方々とお話しする中で、人生の大先輩方であり、人生のモデルになる方々からの貴重な経験や知恵を伺うことができ、心から感謝しています。久恒先生や皆様のお話を通じて、心の豊かさや精神的な自由や充実感の大切さを改めて実感しました。 意欲を持ち続け、心身ともに充実した生活を送ることが、人生の質を高め、本当の幸福につながることがよくわかりました。また、コミュニティーの大切さも深く感じました。アクティブ・シニア倶楽部のようなつながりの中でお話しをお聴きしたり、話す事で、わくわくしたり、心をいきいきとさせることにつながると実感しました。これからもわくわくしながら、アクティブに毎日を過ごしていきたいと思います。ありがとうございました。
- はじめに、久恒さんのHPが示され、バックボーンとなっているのが「図解」と「人物」であることが語られました。このFacebookグループのバナーにもなっている「新・孔子の人生訓」の解説がありました。人生100年時代は孔子の人生訓の分け方を1.6倍するべきであると。そして、特に「人物」について、2005年から始まった現在1090館となった「人物記念館の旅」と、3000件を超えた毎日の「名言との対話」そしてその蓄積から導き出された「遅咲きの時代」「独学の時代」「代表的日本人」「人生は豊かさへの旅」が語られました。 次に、「イコール」という雑誌を出した橘川幸夫さんとの出会い、「イコール」発行のコンセプトやこれまでの雑誌にない特徴の紹介がありました。「イコール」のシリーズの一つとして、「人生100年時代をどう生きるか」というシニアおよび将来のシニアの雑誌をつくるということが示されました。先日の「未来フェス」で語られた方々のお話を聞いて、すばらしい方が集まっているという実感をもち、ぜひ執筆などにご協力いただきたいというお願いをして講演は終わりました。お一人ずつ意見や感想を言っていただきましたが、皆さん趣旨に賛同され、期待しているとおっしゃっていました。
- アクティブ・シニア倶楽部セミナー 令和6年8月26日。アクティブ・シニア倶楽部セミナー第1回にZoomで参加しました。久恒啓一氏からこのグループへの思いの話があり、新雑誌の刊行についても話してもらった。現在80歳で熟年期のスタートにあたり、アクティブ・シニア革命というネーミングが心に引かれていました。久恒氏が『野田一夫の大いなる晩年』について触れられました。自分もこの本に大いなる刺激を受けていますことからテキストに取り上げられることは賛成です。アクティブ・シニア倶楽部の今後に期待したいです。
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鎌倉で息子夫婦と1歳の孫、私たち夫婦で会って、昼食を摂りながら歓談。その後、カフェで引き続き話をした。
鎌倉駅西口の「竹橋」と「もみじ茶屋」。
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「名言との対話」8月26日。中村雄二郎「新しい仕事をするとき、内容上だけでなく、形式上あるいは技術の上で新しいことにできるだけチャレンジすることにしている」
中村 雄二郎(なかむら ゆうじろう、1925年10月13日 - 2017年8月26日)は、日本の哲学者。享年91。
東京出身。東大哲学科卒。卒業後、文化放送に就職するが、1955年から明大に勤務し、1964年に教授となった。
フランス哲学を基盤に、宗教・言語・文化などさまざまな分野を幅広く論じた。哲学入門書も多く手がけ、1984年刊行の『術語集』がベストセラーとなる。他に「共通感覚論」「魔女ランダ考」「宗教とはなにか」など。 中村雄二郎著作集全20冊がある。西洋哲学のみならず、日本文化・言語・科学・諸芸術などに目を向けた現代思想に関する著作が多く、また雑誌「現代思想」へも多く寄稿していた。第1期、第2期として各々10冊で刊行された。特徴は著書を自選してテーマ別にまとめ、また解説や解題を自らが行っている。
1984年の 『述語集Ⅰ』は、アイデンティティ、暗黙知、エントロピー、コモン・センス、通過儀礼、都市、弁証法、レトリック、、など現代思想の基礎的なキーワード集の性格が強かった。今回読んだ1997年の『述語集Ⅱ』では、インフォームド・コンセント、ヴァーチャル・リアリティ、宗教、儒教文化、情報ネットワーク社会、人工生命、人工知能、老い、ヒトゲノム、ポストモダンなど、相対的に古くからある用語の、著者自身の体験を通しての捉えなおしが多くなっている。
さて、中村雄二郎の本丸である「哲学」について、どう書いているか。
1967年には、『哲学入門』で、哲学には生き方の確実な基礎という面と絶えざる自己還帰があるとしている。生き方の確実な基礎という面では、事物の認識に関する確実性と生き方に確信を与えてくれる確実性のという二つの面が結びつくことによって「よく生きる」ことができるとする。絶えざる自己還帰とは、否定を通しての自己帰還の運動のことだ。
1995年には、「哲学とは好奇心である。哲学とはドラマである。哲学とはリズムである」と書いている。この3つは個人、世界、宇宙でのありようを示している。それらを貫くのは「生命的なものである」としている。
中村雄二郎は難解な哲学用語を平易に解説したとの評価が高いのだが、それでもスッキリした理解はなかなか難しいように思える。暫定的に、哲学的生き方とは、絶えず自己否定を繰り返しながら、好奇心をもってドラマティックに生きつつ、躍動するリズムで生活しすることで、よりよく生きることだと理解しようか。
中村が80代半ばで書いた『知の百家言』を手にした。朝日新聞に週1回に連載したものを編集したものである。
「まえがき」には、「哲学」とは、「知を愛すること」であるとある。この本は古今東西の「人類の英知」を掘り起こそうとしたものだ。西洋からはドストエフスキー、シェークスピア、ゲーテ、ロダン、アインシュタイン、プラトン、ニーチェ、ルソー、トルストイ、、、など大半を占めている。
中国では、老子、王陽明、魯迅、荀子、荘子、司馬遷、朱子などの言葉を紹介している。日本人は空海、一遍、世阿弥、明恵、岡倉天心、鈴木大拙、夏目漱石、内村鑑三、西田幾多郎が紹介されている。なるほど、こういう人たちが日本人の哲学の代表選手なのか。
それぞれ、味わい深い言葉と中村雄二郎の解説がついているが、「あとがき」に「新しい仕事をするとき、内容上だけでなく、形式上あるいは技術の上で新しいことにできるだけチャレンジすることにしている」という言葉があった。この本でも原稿はファックスではなく、パソコン通信で送るなどのチャレンジをしている。
中村は『術語集Ⅱ』を書いた1997年には、「自己を問い直し、出立点に立ちかえる運動そのものが、哲学の哲学たるゆえんだ」と書いている。会津八一の「日々新面目あるべし」はそのことを言っているのだろう。中村は哲学のエッセンスは、好奇心、ドラマ、リズムだと信じている。こういう心掛けには共鳴する。私は毎年年初に新しいテーマを掲げる。新しい本を書く時には新しいソフトを覚える機会にしている。それが自分なりの哲学を持つ秘訣なのだろう。
参考:『述語集Ⅰ』。『知の百家言』。