「せいせきの古本市」by TOKYO BOOK PARKーーナイス&ヤングな古本屋による古本市

「せいせきの古本市」を見物に聖蹟桜ヶ丘に出かける。この古本市の企画力に驚く。古本界にも新しい波が始まっている。9月11日(水)〜23日(月祝)京王百貨店 聖蹟桜ヶ丘店 7階催場

  • TOKYO BOOK PARKはナイス&ヤングな古本屋による古本市と素敵ゲストのフリマなどで皆様のご機嫌をうかがう新しいブックフェスです。2015年に下北沢ではじまり、現在都内各地に出現中。
  • 参加店:古本うさぎ書林/にわとり文庫/丸三文庫/クラリスブックス/古本トロワ/MAIN TENT/文紀堂書店/ハナメガネ商会/古書きなり堂/snowdrop/古書みすみ/folklora/徒然舎/BOOKS 青いカバ/古本のんき/アルスクモノイ/ハーフノート・ブックス/古書ニイロク/古書まりか堂/リズム&ブックス/東京くりから堂/古本一角文庫

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(20) TOKYO BOOK PARK(@TOKYOBOOKPARK)さん / X

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2冊購入。

これは掘り出しもの。

少し読み始めたが、実に面白い。遠藤周作の原点がここにある。

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高山辰雄|人物|NHKアーカイブス

「名言との対話」9月14日。高山辰雄「何をするのでも、100年や200年じゃ達成できない。未完成というのも正しい在り方かな」

高山 辰雄(たかやま たつお、1912年明治45年)6月26日 - 2007年平成19年)9月14日)は、日本画家。享年95。 

大分市出身。小学生で画家になろうと決心する。東京美術学校東京芸大)の卒業制作「砂丘」ではセーラー服姿の女性がモデルとなった。この砂丘は房総半島の御宿の砂丘である。モデルはこの女性と高山は結婚している。

若い頃、東京大空襲の惨状を体験する。「何もかもが焼き尽くされた風景を見て、心が奮い立った」。ゼロからやっていくという気概、ファイトが生まれた。高山は松岡映丘、ゴーギャンセザンヌなどに影響を受けている。

1975年から1977年まで日展理事長。1979年文化功労者。1982年、70歳の時に文化勲章を受章。1983年に大分市名誉市民、1987年に世田谷区名誉区民。1987年から1999年まで「文藝春秋」表紙絵を担当した。深い精神性をたたえた独特な絵は多くの人を魅了している。

全国各地の美術館を巡っていると、高山辰雄という大分県出身の画家の名前や絵が目に入る。2008年に、東京駅大丸で開催されている「水野コレクション 近代日本画 美の系譜 横山大観から高山辰雄まで」という企画展では「牡丹」「里」「朝凪の浜」などの絵を観た。2016年に読んだ福岡伸一『芸術と科学のあいだ』(木楽舎)にも、高山辰雄「牡丹 洛陽の朝」という作品が出てくる。

NHKアーカイブス」の「人・物・録」をみた。絵とは何か、それは人間とは何か、と同じことだという。絵の中に命を探そうとした人である。高山は横山大観を尊敬している。横山は「絵は写生じゃないぞ」と語った。「何か永久に変わらない感動があるはず。それをつかんでみたい」。「浴室」という作品は、たしかに写生ではない。女性も持つ生命力を感じる作品だ。

一つ上の日野原重明がインタビュアーの『100歳が聞く100歳の話』(実業之日本社)を読むことで、今回やっとこの人の人生を追いかけることができた。

「言葉と違い、音楽は直に血液に入ってくる」。絵や文字と違って理屈抜きで感じさせる音楽の力は凄いという。ベートーベンは特にいい。美しい、悩みがある、苦しみがある、絶望がある、希望がある、命の輝きがある、そしてすべてがある、という。また、高山画伯は、画室でこまごましたことでも、手伝ってもらわずに、すべて自分でやる。それが健康のもとだそうだ。

この本には科学と芸術についての二人の対話がある。科学は進歩を目指し、芸術は人間の根源に迫る。「何をするのでも、100年や200年じゃ達成できない。未完成というのも正しい在り方かな」。科学も未完成、そして芸術も未完成だ。完成に向けて、悔いのないように、力の限り、ひたすらやり続けるという決意が述べられていた。高山辰雄はそれを95歳まで実行した。大いなる未完成の人である。